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2012年4月27日 (金)

別離

やるせないそれぞれの事情と心理

Betuli

公式サイト http://www.betsuri.com

米アカデミー賞外国語映画賞受賞作

監督: アスガー・ガルファディ  「彼女が消えた浜辺」

テヘランで暮らす英語教師のシミンは、11歳になる娘テルメーの将来を考えて、外国へ移住するつもりだったが、夫ナデルは、アルツハイマー病の父を置き去りにはできないと、移住に反対。夫婦の意見は平行線をたどり、シミンが裁判所に離婚申請をするが、協議は物別れに終わる。 シミンはしばらく家を出ることとなり、ナデルは家事と父の世話のために、ラジエーという女性を雇うことにした。
しかし、ある日ナデルが帰宅すると、父は意識不明でベッドから落ちて床に伏せていた。 ナデルは怒りをあらわにして、ラジエーを問い詰め、彼女を手荒く追い出してしまう。 その夜ナデルは、ラジエーが入院したとの知らせを受けて、シミンと一緒に病院に様子を見に行くと、彼女が流産したことを聞かされる。

「彼女が消えた浜辺」は、ひとりの女性の失踪に関して、それぞれの立場からそれぞれの推理が語られる話で、結局彼女はどうなったのかというその結末には、ちょっとがっかりしたんですけど、今作は、社会問題を詰め込みつつ、推理劇のように語りながら、人間ドラマが展開します。

家族や社会が抱える問題は、どこの国でも同じなんだなあと思いました。

なぜこんな事になってしまったかのか、はっきり答えが出せるわけでなく、とても考えさせられ、切なく苦しいです。

ラジエーは妊娠19週で流産し、イランでは、ナデルが彼女の妊娠を知っていて突き飛ばし、それが原因で階段を落ちて流産したとなれば、殺人罪になります。

裁判の争点となるのは、
ナデルが、ラジエーが妊婦であることを知っていたかどうか。
ナデルは、彼女を突き飛ばしたのか。
ラジエーの流産は、突き飛ばされたのが原因か。

中流家庭のナデル一家、貧困層のラジエー一家、それぞれの心理と、隠していた事実が少しずつ明かされていきます。

ここからネタバレです。


ナデルは妊婦とは知らなかったと主張しますが、妻のカンはさすが。
病院で流産と聞かされた時、シミンは夫に驚ろいた様子がなかったと思いました。
そう、ナデルは妊婦と知っていたけど、自分が殺人罪で服役したら、父の面倒を見る者がいなくなると考え、嘘をついていました。

シミンはラジエーに会い、夫を説得して示談金を払うからといいますが、すると今度はラジエーから、思いがけない告白をされます。
実は流産の前日、目を離したすきに外出したナデルの父を捜して外に出て、ナデルの父をかばって車にぶつかり、その夜からおなかが痛かった。翌日ナデルの父をベッドに縛って自分が外出したのは、医者に行くためだったと。流産の原因は、そのせいなのか、突き飛ばされたせいなのかわからないと。

ナデルが嘘をついた理由はわかりますが、ラジエーが本当の事を言わなかったのはなぜなのでしょう。失業中の夫ホジャットに内緒で働いていたから?
それとも、泥棒呼ばわりされたから?

お金に関しては、ラジエーは無実ですよね。シミンが引き出しからお金を出してましたよね。ナデルはそれを知らなかった。

それと、実はシミンはナデルの家に戻るだった。夫が離婚しないでくれ、別居しないでくれと言ってくれれば、別居しなかったような感じですね。夫は妻がそんな気持ちでいることは知らなかったし、男は女に頭を下げられないんでしょうね。すれ違う夫婦も万国共通。

ラスト、娘テルメーはどちらを選んだのでしょうか。
同じくひとり娘なので、彼女の辛さはよくわかります。
どちらの親からも愛されているのに、一緒に暮らす親を選ばなくてはなりません。

胸が締め付けられる思いで、見終わりました。

とても良くできたドラマだけれど、辛いわ~

(鑑賞日4月24日)

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コメント

ですねえ。
投げかけてあとは見る人が始末をつけて・・・と言う感じもなくはない。
辛すぎます。
ちょっと譲歩とか、人の話を聞く!という姿勢があったらこんなことにはならないと思うのですが、主張して何ぼ!と言う世の中のアンチテーゼなのかもです。
世間様ほど私も「彼女が消えた浜辺」は、あんまり評価してないのですが、こちらはなかなか引き込まれました。

★sakuraiさん
見る人によって、それぞれ思うところがあるでしょうね。
誰がいいとか悪いとか決め付けられない、なんともやるせなくて辛い事情でした。

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