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2009年6月21日 (日)

愛を読むひと

僕は朗読する あなたのために

Photo

公式サイト http://www.aiyomu.com

ケイト・ウィンスレットがアカデミー賞主演女優賞を取った
スティーヴン・ダルドリー
監督作。
原作は「朗読者」 ベルンハルト・シュリンク著

1958年。ドイツのベルリン。
学校帰りに気分が悪くなったマイケル(デヴィット・クロス)は、ハンナ(ケイト・ウィンスレット)という女性に助けられ、彼女と恋に落ちる。
ハンナはマイケルに本の朗読を頼み、マイケルは彼女の部屋に通い、関係を続けた。
しかし、ある日突然彼女は姿を消してしまう。

1966年。法科の学生となったマイケルは、傍聴に行った裁判で、被告席に座るハンナを見る。

出会った時、マイケル15歳、ハンナ36歳。
映画での二人は、その年齢差には見えませんけどね。
1995年、マイケルが回想する形で物語は進みます。

15歳のマイケルは、ハンナの肉体のとりこになって、関係を続けます。
そういう年頃なのでしょう。
何も言わずにいなくなったハンナが、彼の心から消える事はなかったんですね。

ハンナの第二次世界大戦中の行為を知り、マイケルの心境は複雑です。
彼女が隠そうとしている秘密を知っているマイケルには、裁判の傍聴はとても辛く、激しく苦悩します。

裁判でハンナを見た時、彼女の過去を知った時の衝撃、彼女の秘密を確信した時などのマイケルの様子。
裁判で自分の秘密を必死に隠そうとするハンナの様子。
2人ともうまいですねえ。

去年のドイツ映画祭で見た「クラバート」の主役で、なかなかうまいなあと思ったデヴィット・クロス

Kraba_poster

その時に今作のキャストに名前があるのを知りましたが、まさかこれほど重要な役とは、思ってもいませんでした。
主役と言ってもいいくらいではないですか。前半でのマイケルの心情が観客に伝わらないと、後半のレイフ・ファインズの心情につながりませんからね。

色んな言語での朗読の練習も大変だったらしいですが、ハンナと15歳のマイケル2人のシーンは、ほとんど2人とも裸なので、若いデヴィット・クロスにはとても大変だったと思います。

裁判から10年後、弁護士になり、結婚と離婚を経たマイケル(レイフ・ファインズ)は、本を朗読したテープを、刑務所のハンナに何本も何本も送り続け、受け取ったハンナもある事を始めます。
このシーンで泣けてねえ~。

刑務所での面会で、マイケルが自分に対していだいている感情は、愛情だけではない事を知ったハンナにも涙でした。
ケイト・ウィンスレットが本当にうまい!

とても切なく辛く悲しいラブストーリーであると共に、罪とは何かとか、人が人を裁く難しさも感じました。
マイケルと同じゼミの学生の言葉も、一理ありますからね。
また、ヒトラーの秘書をしていた女性の言葉も思い出したりしました。

ずっとハンナとの事を、自分の心の中にだけしまって生きてきたマイケル。
ちょっとほっとして優しい気持ちになれるラスト。

とても感動して泣ける映画でした。

ケイト・ウィンスレットは、特殊メイクの老け役まで頑張りましたねえ。
レイフ・ファインズは、この手のキャラにはもってこいだし。

監督がドイツでの撮影にこだわったので、ドイツ人俳優も多数出演していますね。
ベテランのブルーノ・ガンツは大学教授役。
マイケルの娘は、「4分間のピアニスト」の主役だったハンナー・ヘルツシュプリング
「ヒトラー 最期の12日間」の主役、アレクサンドラ・マリア・ララも出てました。

(鑑賞日6月19日)

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【映画】あ行」カテゴリの記事

コメント

こんばんは^^
TBありがとうございます。
未成年のマイケルを自ら誘うハンナの背徳的なエロティックさは男性なら一度は想像するもので、あの瞬間のケイトにドキドキしながら観ていました。デヴィッドが判決を聞くときの涙をたたえた表情は、少年らしさを残した何ともいいようがない切なさをたたえていて、思わず涙してしまいました。
結局あの時の判断を大人になっても引きずっているのだと思いますが、でもあの時点で何が正解かなんて誰にも解りませんよね。それだけに未だに葛藤を抱えたレイフの朗読シーンが切なかったです。

★KLYさん
年上の美人から誘われるのは、思春期の少年の妄想の定番ですか?(爆)

>レイフの朗読シーンが切なかったです。

このシーンは本当に切なかったですねえ。

風子さん、初めまして。

>マイケルと同じゼミの学生の言葉も、一理ありますからね。

これは重い一言でしたね。
世代で違いもあろうけど、ドイツ人の汚点として背負うものですから…

どこかやるせなく生気のないレイフの雰囲気が(笑)
その後のマイケルにピッタリだと思いました。

★オーブリーさん
はじめまして。
コメントありがとうございます。

見る人によって、裁判で証言しなかったり、テープだけを送り続けたマイケルの行動の解釈も違うだろうなあと思いました。

レイフ・ファインズって、こういう役には見事にはまりますよねえ。

風子さん、こんにちは~
風子さんはデヴィット・クロスをご存じだったのですね~
私は初めて見ましたが、凄く演技がお上手で驚きました。彼が主役といってもいいくらいでしたし、ケイトにも引けをとらなかったですね。

登場人物の心情は読み難かったですが、何だか心に沁みました~
ハンナの孤独な人生にマイケルが関わったことが一つの救いでもあったかなぁ~と思います。

★由香さん
>デヴィット・クロスをご存じだったのですね~

ダニエル・ブリュール目当てで見に行った映画で、たまたま彼が主役だったんです。その時に、ドイツ国内では売り出し中の若手ということでした。

はっきりハンナとマイケルの心情が語られないので、見る人によってそれぞれの解釈ができるのでしょうね。私も心にしみる作品でした。

この映画は後を引く作品でした。
色々と考えさせられました。
ケイトの演技は素晴らしかったけど、本当の主役はマイケルでしたよね?
10代~青年を演じたデヴィット・クロス、とても上手かったです!
そうですか。昨年の映画祭の作品で、風子さんはお目にかかっていましたか。
私は娘役があの「4分間のピアニスト」の女優さんだったとは気がつきませんでした。
あの映画祭の時に彼女にはお目にかかっていて、写真まで撮らせてもらったのに・・・。
あの時はもっとやせていたようにも思いました・・・。

そうそう、二人の心情がはっきりと語られていないので、見る人によって、違ってくるでしょうねっ。この作品。

★紫の上さん
そうなんです。デヴィット・クロスは映画祭の作品で見て知っていました。

ハンナー・ヘルツシュプリングを生でご覧になっているんですよね。わからなかったというのは、やはり役によって違って見えるうまい女優さんということでしょうか。^^
色々な解釈できて、考えさせられる作品でしたね。

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