劔岳 点の記
なぜ登る
公式サイト http://www.tsurugidake.jp
新田次郎原作の同名小説を映画化。
監督・撮影は、黒澤作品の撮影助手を経て、「八甲田山」「復活の日」「ホタル」など多くの作品の撮影を務めた木村大作。
日露戦争後の明治39年、軍事上の理由から、正確な日本地図を作成するため、陸軍陸地測量部の柴崎芳太郎(浅野忠信)は、険しく「死の山」と言われてきた前人未踏の劔岳へ登ることを命ぜられる。
しかも創立間もない日本山岳会の小島烏水(仲村トオル)らも登頂を目指していたことから、陸軍の威信にかけて初登頂を果たせとの命令だった。
高所恐怖症なので見る予定はありませんでしたが、夫が見たいと言うので付き合いました。
原作は事実を基に書かれているそうですね。
CGも空撮もなしという映像は、すごい景色を映し出しています。
登山の趣味はないので、肉眼では絶対見ることはない絶景です。
四季の色鮮やかな山の景色や雲海、吹雪や岩山の絶壁。
富山から富士山が見えるなんて、知りませんでしたよ。
テレビの映画紹介やインタビューなどで、撮影の過酷さは聞いていたので、登山家ではない俳優さん達が、よくやり遂げたなあと思いました。
原作を読んでいないので、劔岳に登るのがメインかと思っていましたが、まず柴崎が下見に行き、案内人の宇治長次郎(香川照之)と立山連峰を、そして測量隊を連れてまた立山連峰を登る様子がずっと映るだけなので、登山に興味がないからちょっと単調に感じました。
ただ、これらの様子があるから、最後の言葉がじわ~っと心に来るんですね。
なんたって雪山を登るのに、わらじよ わ・ら・じ
そして測量の仕事は、ただ山に登っただけでは終わりません。
踊る大捜査戦みたいに、現場を知らない軍のお偉いさんは横暴で勝手な事言うしね。
まったくもう。┐(´-`)┌
本当に偉い人って、黙々と自分の仕事をこなす人。
柴崎と長次郎が、本当に人柄が良いのよぉ。
山の地元の人達同士、軍の測量部と地元の協力者など、人と人の間の軋轢も多々描かれています。
引退した柴崎の先輩の測量手に役所広司。
彼が、自分の仕事に疑問を持った柴崎にするアドバイスが、とてもよいのです。
生意気な若手測量手に松田龍平。
夏八木勲、笹野高史、石橋蓮司などベテランも多数出演して、豪華なキャスト陣。
柴崎の妻は宮崎あおい。この人って、やっぱり日本髪が全く似合わない顔立ちねえ。
(鑑賞日7月3日)
« 扉をたたく人 | トップページ | モンスターvsエイリアン (吹き替え3D試写会) »
「【映画】た行」カテゴリの記事
- トランスフォーマー/ONE(2024.10.05)
- デッドプール&ウルヴァリン(2024.08.05)
- チケット・トゥ・パラダイス(2022.12.14)
- TANG タング(2022.09.19)
- 峠 最後のサムライ(2022.06.25)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 劔岳 点の記:
» 「劔岳 点の記」映画感想 [Wilderlandwandar]
新田次郎の同名小説を『八甲田山』『火宅の人』などの名カメラマン、木村大作が初メガホンを取った作品。 元々原作も読んでいて [続きを読む]
» 『劔岳点の記』 (2009)/日本 [NiceOne!!]
監督・撮影:木村大作原作:新田次郎出演:浅野忠信、香川照之、宮崎あおい、小澤征悦、井川比佐志、國村隼、夏八木勲、松田龍平、仲村トオル、役所広司公式サイトはこちら。<Story>明治40年、地図の測量手として、実績を上げていた柴崎芳太郎(浅野忠信)は、突然...... [続きを読む]
» 「劔岳 点の記」(2008) [choroねえさんの「シネマ・ノート」]
さすがに名カメラマンの撮った映画!圧倒されるような映像と新田次郎の素晴らしい原作が大きな感動を与えてくれた作品でした。
今ならグーグルアースで誰もがその地形も見られるようになりましたが、今から100年前は地図を作る為に未開の地を測量するのはこれほどまでに過酷だったんですね。実在の人物が行った話ですから、伝わってくるものも大きいです。
この映画の魅力はCGではない雄大かつ厳しい山の光景と共に、ただの登山映画ではなく、「測量」を目的としたチームの話にありますよね。まぁいつも思うことながら..... [続きを読む]
» 劔岳(感想162作目) [別館ヒガシ日記]
劔岳はWOWOWで鑑賞し結論は結末が微妙だ
内容は明治40年に陸軍参謀本部に呼び出され
柴崎地図を完成で劔岳の登頂を命令されて [続きを読む]
素晴らしい風景の映像で、ため息がでました。
正に絶景
劇中に「険しさがなければ、美しさがない」といった言葉が出てきたけど、正にこれが監督の狙いだったかな?
ストーリー展開は結構単調だったけど、ラストに感動を持ってきたんですねぇ~
号泣しました。
監督は黒澤監督の元で修行しただけあって、豪雨とか吹雪とか、普通の天候でないシーンを有効に取り入れてありましたよね。
正に監督・スタッフ・俳優たち仲間が仲間の絆の映画を撮ったと思いました。
新田次郎氏の子息が、あの「国家の品格」を書いた藤原正彦氏。
まさにこの作品はCGなど使わないで、「映像の品格」を見せられた思いがしました。
投稿: 紫の上 | 2009年7月 5日 (日) 23:35
★紫の上さん
苦労して登らないと見られない絶景なんですねえ。
撮影を苦労して成し遂げた、見事な仲間達でした。
投稿: 風子 | 2009年7月 6日 (月) 08:05
やはりこういう映画こそ大画面で観たいですね。
自分の足では絶対に登れないので(笑)スクリーンで日本アルプル頂上からの絶景を堪能させてもらいありがたかったです。(^^)
普通の登山だけの話ではなく、明治時代の測量隊の話というところがまた興味深く観れました。
原作も追いかけるように読みましたが、もっと記録をつづった感じでしたから、映画はちょうどいい感じにエンタメ性も加味されて上手く作られていたと思います。
投稿: choro | 2009年7月 9日 (木) 22:28
★choroさん
この絶景はスクリーンで見てこその映像でしたねえ。
原作はもっと淡々としているのでしょうか。
役所広司さんの言葉が、心に残りました。
投稿: 風子 | 2009年7月10日 (金) 07:54
はじめましてです。
剣岳は、本当に映像が綺麗でしたね。
長い映画だけど、長く感じませんでした。
感動とか感激が、ドドーーンと押し寄せる映画ではなくて、後でじわぁ~~と来ましたよ。
どなたかも書いていますが、テレビの画面じゃなくて、大きなスクリーンで見る映画だなって思いました。
このスケールのでっかい映像美は、やっぱり、大きなスクリーンじゃないとね。
投稿: まっちゃん | 2009年7月18日 (土) 22:08
★まっちゃんさん
お忙しい中、ご訪問ありがとうございます。
>このスケールのでっかい映像美は、やっぱり、大きなスクリーンじゃないとね。
夫ともそう話しながら帰ってきましたよ。
これをちっこい家のテレビで見てもねえ。
投稿: 風子 | 2009年7月18日 (土) 22:30