私の中のあなた
誰でもいつかは死ぬけれど
公式サイト http://watashino.gyao.jp
同名小説の映画化
監督: ニック・カサヴェテス
フィッツジェラルド家の次女アナ(アビゲイル・プレスリン)は、2歳の時に白血病と診断された姉ケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)を救うためのドナーとして、創られて生まれてきた。
ケイトは数々の様々な治療をしてきたが、今度は腎臓移植が必要となった。
11歳になったアナは、「もう、姉のために手術を受けるのは嫌。自分の体は、自分で守りたい。」と、両親を訴える。
家族5人のそれぞれの心の内が、ナレーションで語られます。
家族の過去も、そこでいろいろ紹介されます。
長女ケイトが自作のアルバムをめくりながら心の声が語るシーンは、もうだめ。涙がぽろぽろこぼれるのを止められませんでした。
母親がどけだけ自分のために懸命になったか。そのために母の愛情を独占し、他の家族から母を奪う形になってしまった事、弟は放って置かれた事など、冷静に家族を見ています。
2歳のケイトが白血病と診断された母(キャメロン・ディアス)は、どんな気持ちだったでしょう。
姉が自暴自棄になった時の、アナの気持ち。
自分の行動に誰も注意を払っていない寂しさと、孤独をかかえる弟ジェシー(エヴァン・エリングソン)。彼も本当にかわいそう。赤ちゃんのときから、両親は姉にかかりっきりだったんだもんね。
それぞれが家族を愛しているからこそ、苦悩します。
それがわかるので、ずっとハンカチで涙を拭きながらの鑑賞でした。
姉が病気でも、明るく楽しい家族の団らんや、外出もありました。
楽しい思い出もいっぱいあります。
母親のサラは、とにかくケイトの命を救う事が最優先。
娘を絶対死なせたくない。娘が死ぬのは耐えられない。娘を救うためなら、どんな事でもどんな手段でもと思うあまり、それ以外の事が見えなくなっている。
誰でも身内の死は辛いけど、子供が自分より先に逝くのは、一番辛いでしょう。
裁判になって初めて、幼かったアナに過酷な事を強いてきたかに気づきます。
でもその時の彼女は、アナがそれで死ぬわけではない。ケイトはそれをしないと死んでしまうのよと考えていたのでしょう。それも無理ないとは思いますけどね。
辛い話ではあるけれど、生きている事に感謝して、家族仲良く、愛情を持って生きて行こうという気持ちになる映画でした。
ニック・カサヴェテス監督らしい、愛情がたくさん感じられる映画でしたよ。
ただねえ、アナが訴訟を起こした理由は、予告編から想像したとおりだったんですよ。
なるべく下知識を入れないよう、チラシも読まなかったりしているけど、映画館に行くと予告編は避けられないのよね。ネタが予想できちゃうような文言は、避けて欲しいですわ。
一家の優しい消防士の父ブライアンは、ジェイソン・パトリック。
出演作では、「スリーパーズ」が一番印象に残っています。
ジェシーは、「24」でジャック・バウワーの息子だったのね。見覚えがあったけど、鑑賞中には思い出せませんでした。
アナが弁護を依頼するアレグザンダー弁護士に、アレック・ボールドウィン。
なぜアナ弁護を引き受けたか、なぜ介助犬を飼っているのかも、最後にわかります。
ケイトの白血病のボーイフレンド、テイラーを演じるトーマス・デッカーは、テレビシリーズでジョン・コナー役だそうですね。スキンヘッドで眉がないから、イケメンには見えませんでした。(笑)
(鑑賞日10月10日)
« 最高のともだち | トップページ | アントンくん出演作 3月公開決定 »
「【映画】ら~わ行」カテゴリの記事
- レミニセンス(2021.09.28)
- ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2021.08.29)
- ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(2019.12.06)
- ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019.09.08)
- ロケットマン(2019.08.29)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 私の中のあなた:
» 私の中のあなた [映画] [映画鑑賞★日記・・・]
原題:MY SISTER'S KEEPER公開:2009/10/09製作国:アメリカ上映時間:110分鑑賞日:2009/09/29試写会監督:ニック・カサヴェテス出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン、ジェイソン・パトリック、ソフィア・ヴァジリーヴァ、ジョー...... [続きを読む]
» 「私の中のあなた」究極の家族愛。爽やかな感動。 [シネマ親父の“日々是妄言”]
[キャメロン・ディアス] ブログ村キーワード
記事投稿日時 2009年9月30日12:02
※上映開始日を投稿日時に設定。上映開始1週間後まで固定。
キャメロン・ディアス、女優キャリア初の母親役に挑戦!「私の中のあなた」(GAGA)。“名子役”の呼び声高い、アビゲイル・ブレスリンちゃんと親子役で共演。この秋一番の感動作!として、お薦めできる映画です。
ブライアン(ジェイソン・パトリック)とサラ(キャメロン・ディアス)の夫婦は、長女ケイトと長男ジェシーの4人家族で暮らしていた。ケイ... [続きを読む]
» 誰にも悪意はないけれど・・・。『私の中のあなた』 [水曜日のシネマ日記]
白血病の姉のドナーとなる為に遺伝子操作によって生まれた妹が姉への臓器提供を拒んで両親を提訴する物語です。 [続きを読む]
» 【映画】私の中のあなた [新!やさぐれ日記]
▼動機
私好みの映画かもしれない
▼感想
この題材で家族愛はもったいない
▼満足度
★★★★☆☆☆ そこそこ
▼あらすじ
白血病の姉(ソフィア・ヴァジリーヴァ)に臓器を提供するドナーとして、遺伝子操作によって生まれた11歳のアナ(アビゲイル・ブレスリン)。彼女はこれまで何度も姉の治療のために犠牲を強いられてきたが、母サラ(キャメロン・ディアス)は愛する家族のためなら当然と信じてきた。そんなある日、アナは姉への腎臓提供を拒否し、両親を相手に訴訟を起こす。
▼コメント
この映画のリ... [続きを読む]
» mini review 10455「私の中のあなた」★★★★★★★★☆☆ [サーカスな日々]
アメリカの人気作家ジョディ・ピコーのベストセラー小説を、『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス監督が映画化。白血病の姉のドナーとなるべく遺伝子操作によって生まれた妹が、姉への臓器提供を拒んで両親を提訴する姿を通し、家族のありかたや命の尊厳を問いかける。主演のキャメロン・ディアスが初の母親役に挑み、両親を訴える次女役を『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリンが熱演。シリアスなテーマながら、主人公一家の強い家族愛が胸を打つ。[もっと詳しく]
単純な「お涙頂戴」映画から、遠くはなれて。... [続きを読む]
こちらにも。
家族それぞれの思いが丁寧に描かれていて愛を感じる良い作品でした。
とても重いテーマでしたけど、色々考えさせられますね。
投稿: yukarin | 2009年10月13日 (火) 16:36
★yukarinさん
苦楽を共にして一緒に頑張るのが家族ですよねえ。
本当に色々考えさせられました。
投稿: 風子 | 2009年10月13日 (火) 17:43
この作品オンライン試写で自宅で1人で観たんです。そりゃもう、誰はばかることなく泣いた泣いた…。大人になってからこんなに泣いたことないってぐらい泣いてました。
ラストのサラとケイトの2人だけの時間が静かに静かに流れていく…もう切なくて切なくて。。。
ケイトがオシャレしてきたのを観るお父さんの目が忘れられないです。優しくて暖かでそして哀しくて。
投稿: KLY | 2009年10月13日 (火) 23:03
★KLYさん
思い切り泣ける一人鑑賞でよかったですね。
お父さんだから、お父さんに一番感情移入されたんですね。
優しくて穏やかで、愛情深いお父さんだから、その気持ちを思うと余計に泣けますよね。
投稿: 風子 | 2009年10月14日 (水) 08:33