おとうと (試写会)
願はくは花の下にて春死なむ
愛すべき厄介者
公式サイト http://www.ototo-movie.jp
1月30日公開
監督: 山田洋次
東京の郊外で、小さな薬局を薬局を営む吟子(吉永小百合)。
若くして未亡人になり、一人娘の小春(蒼井優)を女手一人で育てながら、姑(加藤治子)と三人暮らし。
娘とエリート医師の結婚式当日、昔から問題ばかり起こし、身内の厄介者で、音信不通になっていた弟、鉄郎(笑福亭鶴瓶)が突然現われ、酔っ払って披露宴を台無しにしてしまう。
山田洋次監督らしい人情物ですね。
市川崑監督の「おとうと」は、幸田文の自伝的小説の映画化。
家族の事と、不良の弟が、結核で若くして亡くなった話。
映画はよくは覚えていないけど、かなり前にテレビで見た覚えがあるし、弟が木村拓哉で姉が斉藤由貴のテレビドラマも、見た覚えがあります。
今回の物語は、もしも“弟”が亡くならず、“姉弟”にその後の人生があったらどうだろうというアイディアから作られたそうです。
吟子には兄(小林稔侍)もいますが、披露宴での失態で、鉄郎に縁を切ると言い渡します。
吟子達の母親は早くに亡くなり、母親代わりでもあった吟子だけが、ずっと鉄郎をかばって心配してきました。
しかしある出来事で、吟子も鉄郎に絶縁を言い渡します。
根は悪人ではないけれど、兄や姉と違って出来の悪い問題児の弟。
なぜ小春の名付け親が鉄郎なのかと思っていましたが、後半で明かされます。
ある日、鉄郎が救急車で病院に運ばれたという連絡が入り、吟子が大阪に赴くと、鉄郎は癌で余命わずかとなっていました。
友人や伴侶は選べますが、血のつながりは選べないし、永遠につながったままですよね。
兄弟で出来が違うと、いろいろあるようですね。
ひとりっこなので、兄弟の思いは推測のみで、実感できないんですけどね。
鉄郎は、民間のホスピスで面倒を見てくれます。
これは現代社会の問題ですね。
そのモデルは台東区の山谷で身寄りのない人々、または何らかの事情で家族との結びつきを断った人々の、あまり長くない人生の最期の時を見守る施設「きぼうのいえ」という民間のホスピスだそうです。
ラストの姉と弟のやり取りは、泣けましたよぉ。
身内に看取られるのは、幸せですよね。
吉永さんの台詞回しが昔風なのか、演技が下手に見えました。後半はよかったと思います。
小日向さんや笹野高史さんはいつもながらうまいし、鶴瓶さんも、能天気のしょーもない弟にはまっていました。
加瀬亮が、小春の幼なじみの大工で、純情な好青年を好演しています。
SMAPの中居くんも、ワンシーンだけ出演しています。
(鑑賞日1月15日)
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俳優さんは好みだったのですが、如何せん脚本が…幾らなんでも古過ぎると思いました。
何だか大昔の、それこそ吉永さんが若い頃の作品を観ているかのような錯覚すら起こしてしまいましたよ。(苦笑)
期待していたのですが、私はちとダメです…。
投稿: KLY | 2010年1月19日 (火) 20:17
TBありがとうございます。
いろいろなものを入れ込みたいという監督の気持ちが出てましたね。
さまざまなモデルがあったんですね。
市川監督のを見てないので、いつか見たいですわ。
良くも悪くも山田洋次でしたが、自分のスタイルを貫いて、これだけの要素を含んだものを作っていくバイタリティは感服します。
投稿: sakurai | 2010年1月20日 (水) 08:18
★KLYさん
役者さん達はよかったけれど、確かに、平成というより昭和って感じでしたね。
★sakuraiさん
>良くも悪くも山田洋次でしたが
そうですね。悪く言うと、かわりばえしませんね。(笑)
投稿: 風子 | 2010年1月20日 (水) 08:38