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2010年3月11日 (木)

モリエール 恋こそ喜劇

喜劇を創造して

Moliere

公式サイト  http://www.cetera.co.jp/moliere

劇作家モリエールの伝記上、空白とされる数ヶ月を、フィクションで描く。

1644年のパリ。
若きモリエール(ロマン・デュリス)は駆け出しの役者で、仲間たちと旗揚げした劇団は経営難。債権者に訴えられて投獄されたが、裕福な商人のジュルダン(ファブリス・ルキーニ)が、交換条件付きで借金を肩代わりしてくれて釈放された。その条件とは、ジュルダンに演技を教える事。但しその事は、ジュルダンの家族には内緒にしなくてはならない。モリエールは聖職者のふりをし、次女の家庭教師として、ジュルダンの屋敷に行く。

モリエールの名作誕生の陰には、知的で美しいあるマダムの存在があったとするフィクション。

ジュルダンは妻子のある身にもかかわらず、若い侯爵夫人セリメーヌ(リュディヴィーヌ・サニエ)にご執心。貧乏貴族のドラント伯爵(エドゥアール・ルベール)を仲介として、彼女に会おうとします。そして自作の演劇を披露して彼女の心をつかもうと、モリエールを雇いました。

モリエールは彼の劇作家としての才能を見抜いたジュルダンの妻、エルミール(ラウラ・モランテ)に恋心を抱きます。しばらくして聖職者ではないと夫人にばれますが、二人は愛し合うようになります。
ラウラ・モランテは、とても綺麗な女優さんだと思ったら、イタリア人なんですね。

Moliereelmire11

すっごく笑えるコメディーでした。
とても楽しく鑑賞しました。

Romainduris_moliere

ロマン・デュリスもうまいけど、その上を いくルキーニ。
さすがベテラン。女装まで見せてくれます。
もう、見事に笑わせてくれましたー。ヽ(*≧ε≦*)

ふたりの馬のマネには、特に笑わせていただきました。


ドラント伯爵は、実は自分もセリメーヌにご執心。
Photo

ジュルダンを騙して、お金を巻き上げています。
そして自分の息子を、ジュルダンの長女アンリエットと結婚させようとします。

しかしアンリエットには、相思相愛のヴァレールがいる。ヴァレールと結婚させたいマダムジュルダンは、ドラント伯爵からの縁談を、夫に断って欲しいけれど、なかなかうまくいきません。

言い寄る男は数知れずというセリメーヌ。
若くて綺麗だけど、性格は傲慢で鼻持ちならない女。

セリメーヌの本性を知ったジュルダンは、妻の浮気に気づいて愕然とします。
自分がセリメーヌに熱をあげて、妻を顧みなかった間に、妻には愛人が...
反省するムッシュジュルダン。娘の縁談も破棄しようとしますが、伯爵に脅されてままならない。

マダムジュルダンには、自分の幸せより、娘の幸せが第一。
ムッシュジュルダン対し、アンリエットと伯爵家の縁談を壊すなら、身を引くというモリエール。

ずっとコミカルだった話が、ラストで切ない話となりますが、ロマン・デュリスの演技力で、感情移入できました。

悲劇を書きたかったモリエールですが、悲劇以上の喜劇がないなら、あなたが創造して、涙を笑いに変えるような喜劇がないなら、あなたが創造してしてと言ったマダムの言葉が、モリエールの創作の力になったという話でした。

(鑑賞日3月9日)

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コメント

面白かったですねぇ。
フランスの喜劇って初めて観たんですが、上品な笑いでした。ルキーニは申し訳ないけどもう顔からお間抜けで可笑しくて。(笑)
作品全体がまさしくモリエールの喜劇って感じがしました^^

★KLYさん
こんなに面白い作品とは思っていませんでした。
ほんと、モリエールの舞台喜劇を見ているようでした。

風子さん、こんばんは。
いつもトラックバックありがとうございます。(*^-^*

>ずっとコミカルだった話が、ラストで切ない話となりますが、ロマン・デュリスの演技力で、感情移入できました。

この場面のロマン・デュリスの憂いのある瞳が印象深かったです。
相手の目を見て話す彼の演じ方は誠実ですよね。

マダムのアドバイスを素直に受け入れた事が
モリエールの創作の原動力となっていったのでしょうね。

★BCさん
ロマン・デュリスは二枚目ではありませんが、好きな俳優さんです。
ベッドに横たわるマダムとの再会のシーンも、とてもよかったです。

素敵な映画でしたね。
大好きなフランス映画のエッセンスがぷんぷんで、堪能しました!!
私は、ロマン君、ちょっと苦手だったのですが、これで赤マル急上昇です!!!

★sakuraiさん
ロマンくん、くせのある顔ですからね。
もうすぐ公開の、「メッセージ そして、愛が残る」も楽しみにしています。

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