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2010年4月17日 (土)

フェーズ6 (試写会)

生き残ることに
意味はあるのか


6_2

公式サイト http://www.phase6-movie.jp
4月24日公開

治療不能で致死率100%のウイルスが、蔓延した世界。
感染を逃れるために車を走らせる、お調子者で粗暴な兄ブライアン(クリス・パイン)と、真面目で心優しい弟ダニー(ルー・テイラー・プッチ)、ブライアンの快活な恋人ボビー、ダニーが想いを寄せるケイト。
4人は生き残るためのルールを設け、兄弟が子供時代に夏を過ごした、まだ感染に冒されていないと思われる、メキシコ湾のビーチを目指している。そこで病気が死滅するまで、外界との接触を絶つつもりだ。
しかし途中で、感染している幼い娘を連れた父親と遭遇したことで、彼らのルールが崩れて行く。



感染を恐れながら生き残っている人達が、どう行動するかがメインの、人間ドラマでした。

「スター・トレック」で注目されたクリス・パインが出演しているので、興味を持った作品です。
試写会場は配給会社の試写室だったので、椅子がとてもよくて、スクリーンも見やすかったです。

ルー・テイラー・プッチは、髪の色も髪型も「サムサッカー」と違っていて、最初、同じ人?って思いました。

Lou1jpg


感染経路も予防法もはっきりわかっていないみたいだけど、4人の予防方法は、そんなんで大丈夫なのかって、首を傾げたくなる。
大体、空気感染の恐れもあるかもって言うのに、兄弟の両親も死んでいて、感染者と全く接触していないわけではないので、どんな予防をしても、すぐに発症するか、しばらくあとかの違いだけで無駄だと思うけど、その辺はスルーして、受け入れましょう。

感染しても、「28日後...」や「ハプニング」のように凶暴化することはないけれど、かなり悲惨で苦しんで死ぬらしい。

メインテーマは、極限状態に置かれた人間の心理と行動。
感染していない人達が、情け容赦なく、段々凶暴になっていく。
恐いのはウイルスではなく人間だってとこが、「28日後...」と共通しますね。

感染していない人、感染してしまった人、双方の心理と行動。
感染しないためには、心を鬼にしなければならないんですよね。
生き残るためには、他人には容赦なく、暴力的になっていく。
自分だったらどう行動するかなと考えると、かなりきつくて辛いです。

もちろん、無人と思われる場所や建物を、恐る恐る探索する、スリリングでドキドキのシーンも多々あります。

ラストの哲学的なセリフが、一番心に残りました。

これが一番考えさせられる事なので、
ここからネタバレ!


生き残っても、隣りにいるのは言葉を交わす事もない他人のケイトしかいないダニー。
心に浮かぶのは、兄との海辺での楽しい思い出。
「生き残っているけど、孤独だ。」
孤独で生きる事に、意味はあるのだろうか。

逆にダニーが感染していたら、ブライアンはどうしただろうと思いました。
粗暴ではあるけれど、彼は弟のために必死で生き残ろうとしていたのではないか。もし弟が感染しても、彼は弟のそばにいたかもと思いました。
ずっとふたりの子供の頃の思い出の写真を車内に貼っていたのは、そういう気持ちの表れなのでは。

弟が感染した自分を置いて行くつもりとわかって、一人で苦しんで死ぬよりはと、弟に銃で撃たれるようにして、
安楽死を選んだ感じでしたよね。

新薬があるかもと行ってみた緊急対応センターには、たった3日症状を抑える薬しか開発できず、唯一生き残ったが感染して死期が近い医師が、子供達を安楽死させてたものね。

逃れられない死が迫ってきたらどう過ごすかっていうのは、
パニック映画ではよくあるテーマ

(鑑賞日4月16日)

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