17歳の肖像
素敵な課外授業の代償
公式サイト http://www.17-sai.jp
原作: 「An Education」 リン・バーバー
脚本・製作総指揮: ニック・ホーンビィ 「アバウト・ア・ボーイ」
1961年、ロンドン郊外。
16歳のジェニー(キャリー・マリガン)は、オックスフォード大学を目指す高校生。優秀だけど、ラテン語だけが苦手。楽団でチェロを弾き、進学のために頑張るが、単調で退屈な日々。
そんな彼女の日常は、倍も年の離れた魅力的な男性、デイヴィッド(ピーター・サースガード)との出会いで一変する。
初めての音楽会や、ナイトクラブ。刺激的な大人の世界に魅了され、デイヴィッドと恋に落ちるジェニー。
17歳を迎えた彼女は、彼と憧れの街パリへ。そして彼女は、重大な決断を下すが...
基は、10ページばかりの回想録だそうですね。
おしゃれでユーモアのセンスも良く、女の扱いもうまい。
16歳の小娘なんか、イチコロよ。それも無理ないでしょう。
今まで誰も経験させてくれなかった世界。胡散臭い奴だと気づきつつ、それでも彼に惹かれていってしまうジェニー。
原作者によると、彼女と彼女の学校の生徒達が実践していた実存主義のルールのひとつに、決して質問をしないというのがあり、質問するのは世間知らずとブルジョワ。質問をしないのは教養人とフランス人。彼女は教養人になりたくて、彼に質問をしなかったそうです。
大学に行く意味なんかあるのか、と思い始めるジェニー。
高校のスタッブス先生みたいに、ケンブリッジを出ても、生徒の小論文を読む日々だなんてまっぴら。
父親(アルフレッド・モリーナ)も、生活に不自由ないお金持ちで教養もある男と結婚できるなら、無理に大学へ行くこともないと言うし。
大学へ行く意義について、校長(エマ・トンプソン)も、彼女を納得させる答えを持っていない。
イギリスも階級社会ですからね。当時の中流家庭の父親としては、普通なのじゃないかしら。相手の性格と弱点を見抜いて取り入る事にたけているデイヴィッドに、簡単に騙されてしまうのも無理ないのかも。
デイヴィッドの仲間のヘレン(ロザムンド・パイク)は美人でおしゃれだけど、無教養な女性。
デイヴィッドのもうひとりの仲間のダニー(ドミニク・クーパー)が、知的な会話ができるジェニーの方に惹かれていくのも、当然かな。
そんなダニーの様子を見て、焦るデイヴィッド。
ここから先は、ネタバレを含みます。
ついに、デイヴィッドとジェニーは婚約。
ジェニーは進学をやめ、学校も自主退学。
しかし、とんでもない事実に愕然とする。
妊娠しなかったのが、不幸中の幸いよね。
自分の愚かさに気づいて先生に謝罪し、やり直そうとする。
学校ではできない、人生勉強しましたって話ですね。
女たらしの所帯持ち。ヘレンとも関係があったみたいですよね。
この映画の宣伝を最初に見た時、ケイティ・ホームズかと思ったのが、キャリー・マリガン。「マイ・ボーイ・ジャック」は、ダニエル君中心に見ていたので、覚えていませんわ。
若いのに、目の下の皺が多い人ね。
自分では大人のつもりの、生意気な主人公で、演技には説得力がありましたね。
(鑑賞日4月20日)
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[キャリー・マリガン] ブログ村キーワード
“アカデミー賞・主要3部門(作品賞・主演女優賞・脚色賞)ノミネート”をはじめ、世界で数々の映画賞を受賞した本作。「17歳の肖像」(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)。1960年代のイギリスを舞台に、多感な少女の成長する姿を、瑞々しく描きだしています。
1961年、ロンドン郊外の街に住むジェニー(キャリー・マリガン)は、成績優秀な16歳の普通の高校生。パリに憧れ、シャンソンのレコードを聞き、楽団でチェロを弾き、友人とのお喋りに花を... [続きを読む]
» 17歳の肖像/ An Education [我想一個人映画美的女人blog]
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アカデミー賞で作品賞、主演女優賞、脚色賞3部門にノミネートされた注目作。
監督は「幸せになるためのイタリア語講座」のデンマーク人女性、ロネ・シャルウィグ。
脚本は「アバウト・ア・ボーイ」「ハイ・フィデリティ」のニック・ホーンビィ。
イギリスの女性ジャーナリスト、リン・バーバーの回想録「An Education」(教育)を... [続きを読む]
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これがアカデミー賞とかにノミネートされたのは、、、何故・・??
他の映画と比較して、特に抜きんで優れてる・・・って風には、私には感じ... [続きを読む]
» 「17歳の肖像」(2009) [choroねえさんの「シネマ・ノート」]
[[attached(0,class=popup_img_304_448 width=304 height=448)]] クリックで公式サイトへ
時代は少し昔の話とは言え、同じ高校生の危ういときめきや成長を描いた作品でも、やはりこれはイギリス映画だなぁと思いました。(^^)
自分的には明るいけれどストレート過ぎるアメリカのものより、ちょっとシックでかつ鋭いところを突いているイギリス作品の方が何となくしっくりくるの..... [続きを読む]
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聡明で美貌にも恵まれ、保守的な両親の元オックスフォード大を目指す16歳の少女がふとしたことから35歳の男と知り合いやがて恋に落ちることで知ることとなる「大人」の世界。
普段の学校生活では味わえない刺激的でぞくぞくする異体験、そしてショッキングな失望も経験しながらやがて大人の階段を上る姿を瑞々しく描いた佳作。
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「17歳の肖像」★★★☆DVD鑑賞
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ロネ・シェルフィグ監督、100分、2010年8月7日公開、2008,フランス、ベルギー、ドイツ,アルシネテラン
(原題:AN EDUCATION )
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キャリー・マリガンの魅力いっぱいでした。すごく好きです、この子。でもアカデミー賞の時のショートカットは変だったけど…。
ピーター・サースガードも、かなりいやな役なのに、結構よさげに見えてしまうのは彼の人徳でしょうか?(笑)
投稿: KLY | 2010年4月22日 (木) 19:28
デイヴィッドは、一度に大勢の女性と付き合うタイプではないみたいですよね。会っている時だけは真剣みたいなので、嫌悪感が軽減されているのかも。
投稿: 風子 | 2010年4月22日 (木) 22:07
風子さん
こんにちは♪
そうですね。おっしゃるように、妊娠しなかったのが、
不幸中の幸いでしたが。
仮に妊娠したとしたら、ジェニーはどうのように
切り抜けたでしょうね。
投稿: mezzotint | 2010年5月11日 (火) 10:04
★mezzotintさん
妊娠していたら、やり直すにもかなり厳しい道ですよね。
男性と違って、女性はよく考えて行動しないとね。
投稿: 風子 | 2010年5月11日 (火) 14:03
おはようございます。
結構評判よかったので、あたし的には期待したんですよ。
そしたら結果オーライみたいな武勇伝聞かされたみたいで、気分はあまりよくなかったかです。
あほ娘ですよね。時代のせいにはしたくないなあ。
投稿: sakurai | 2010年9月 8日 (水) 08:56
★sakuraiさん
ああいう男に声をかけられてついていっちゃうのはどうかと思いますよね。
自分の愚かさに気づき、軌道修正できてよかったです。
ま、無知な10代の一例ということで。
投稿: 風子 | 2010年9月 8日 (水) 09:13