ハートの問題 (イタリア映画祭にて)
泣けました
監督: フランチェスカ・アルキブージ
出演: アントニオ・アルバネーゼ
キム・ロッシ・スチュアート
脚本家として功を成したが、一匹狼でおしゃべりなアルベルト(アントニオ・アルバネーゼ)と、自動車修理工場を経営し、堅実で家庭を大事にするアンジェロ(キム・ロッシ・スチュアート)は、共に心臓発作を起こし、たまたま同じ集中治療室に運び込まれる。意外にも意気投合した二人は、退院してからも友達として付き合うようになる。
TRAILER
入り口で、パスタ一袋もらいました。
ポスターを見ると楽しいコメディーみたいですが、とっても切なく悲しい。
ですが、ユーモアを交えて、悲しいだけの話になっていません。
アルベルトは脚本家で、おしゃべりで女好き。有名女優など仕事関係の華やかな面々が見舞いに来るけど、実は友達と呼べる関係の人はいない。住まいのローンがあるけど、貯蓄は全くしていなくて、脚本が仕上がらないと無収入。同居している恋人カルラは、彼に愛想をつかして出て行った。
一方アンジェロの面会に来るのは、妻子と母。家族に囲まれて暮らしている。妻は第三子を妊娠中。
行く場所のないアルベルトを、アンジェロは自宅に同居させ、アルベルトはアンジェロの家族とも、次第に親しく接するようになります。
アルベルトは、また発作が起きて死ぬのではという恐怖を持っています。アンジェロも、家族の前では明るく振舞い、アルベルトを元気付けていますが、父親が同じ病気で43歳で亡くなっているので、 死の恐怖をかかえています。先に回復して退院していくアルベルトを見ると、とても落ち込みます。
退院後の経過の検査結果も悪く、余命が長くないことを覚悟します。
しかし家族には知らせないように、医師に頼みます。
そして密かに、自分の死後をアルベルトに託そうと計画します。
アルベルトは孤独で、内心は家族を持ちたいと思っているのを、アンジェロはわかっているのです。
妻の下着の買い物に一緒に行かせたり、別荘に妻と2人きりになるようにします。
しかし、アルベルトもアンジェロの妻も、おかしいと思わないはずはありません。いったい夫は何を考えているのだろうと、泣く妻。
病気でやつれている様子や、アルベルトと妻の様子をこっそり見ているアンジェロに泣けます。
彼の胸中が、ひしひしと伝わってきました。
アルベルトが、アンジェロの家族と接する様子がいいです。
思春期真っ只中で反抗期の長女(この子がすっごく美人でした)や、幼い息子との会話が、面白くもあり、じーんと心にくる内容でもありました。
アンジェロの計画はうまくいかず、アルベルトは、「自分の人生を生きろ。自分も自分の人生を生きる。」と言って、アンジェロの家を出て行きます。
アルベルトも、しっかりと自分の人生と向き合い、カルラに会いに行きます。
悲しいだけでなく、楽しい場面もあります。
病室でもおしゃべりなアルベルトは、看護師さんに注意されます。
心筋梗塞ですから、酒、タバコは禁止。毎日運動するようにと、医師からの指導。
退院後、おそろいのウォーキングウェアのふたり。
湖の別荘(?)での掛け合いも、とてもうまいです。
笑えるけど、胸中を思うと、悲しくもあります。
アンジェロ、あなたは愛された夫で、愛された父親、愛された息子、愛された友人でしたよ。
棺を担ぐアルベルトの姿にも涙。
あなたと出会い、アルベルトの人生はかわりましたよ。
キム・ロッシ・スチュアートは子役出身ですが、彼を知ったのは、すごくいい映画と心に残った「家の鍵」。
2007年のイタリア映画祭で来日。
その時、彼の初監督作の舞台挨拶で見て、すっごく長身で、すっごく小顔なのに驚きました。なんたってすごい美形だから、映画祭でも、彼目当ての女性客がわんさか。
サイン会では握手もしてもらって、めっちゃうれしかったです。
美男子の上に、才能もあるのよねえ。
(鑑賞日4月29日)
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映画「ハートの問題」★★★★
アントニオ・アルバネーゼ、キム・ロッシ=スチュアート
ミカエラ・ラマゾッティ、フランチェスカ・イナウディ
アンドレア・カリガリ、ネルシ・クセマライ
キアラ・ノスケーゼ、パオロ・ヴィラッジョ出演
フランチェスカ・アルキブージ監督、
104分、2013年6月29日より全国順次公開
2009.,パンドラ、イタリア
(原題/原作:QUESTIONE DI COURE)
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こんにちは。
私も、会場にいました。パスタ一袋もらいましたよっ。
やっぱりキムは人気があるのですねぇ~。
満員だったから・・・。
私もキムさん、2007年の映画際で来日したときに、舞台挨拶で見たけど、小顔で長身で、カッコいいと思いましたが、サイン会は出席しなかったのです。残念でした。
風子さんはサインと握手してもらったとは羨ましいです。
今年は座談会出たけど、監督ばかりでした。
キムを期待したのだけど・・・。
映画は、悲しい状況なのに、笑い飛ばす。
ここがイタリアらしいと思いましたが・・・。
おそろいのウオーキングウエア良かったですねっ
アンジェロの気持ちが切なかったですねっ。
私はキムが段々と衰えていくのが、とても切なかったです
投稿: 紫の上 | 2010年5月 8日 (土) 19:27
★紫の上さん
どの辺にいらしたのかしら。私は中央区域でした。
キムは病気で弱っている役だから、歩く姿もよたよたでしたね。
やつれたメイクで、悲しい姿でしたね。
投稿: 風子 | 2010年5月 8日 (土) 19:46
あ、すみません。遅くなって・・・。
ちょっとバタバタしていて・・。
私はM列の右端でした。
いつもは、ちょうど2ブロック位の良い席を確保するのだけど、
チケットを購入するのが遅くなってしまいました。
やはり、人気があるせいよね。
この作品、キムの痛々しさにショックで、正しい評価出来なくて、
でも、後でじわじわ良さが分かってきました。
投稿: 紫の上 | 2010年5月12日 (水) 19:55
★紫の上さん
列の中央部分はなかったですか。キムが来日するわけでもないのに、チケット完売でしたものね。やっぱり人気です。
痛々しい姿が、悲しかったですね。
投稿: 風子 | 2010年5月12日 (水) 22:21