瞳の奥の秘密
目は口ほどにものを言う
公式サイト http://www.hitomi-himitsu.jp
2010年米アカデミー賞外国語映画賞受賞のアルゼンチン映画
定年退職した元検事補のベンハミン・エスポシトは、25年前の忘れがたい殺人事件を題材に小説を書こうと決意し、元上司のイレーネ・ヘイスティングスを訪ねる。
25年前、ベンハミンは赴任してきたイレーネに一目ぼれ。以来ずっと彼女を愛していましたが、自分の気持ちを彼女にはっきり告げる事はありませんでした。彼女にはすでに婚約者がいたし、彼女は裕福な家庭の大卒で、ベンハミンは貧しく高卒だったから。
イレーネも彼の気持ちに気づきつつも、ベンハミンが告白してくれないので、婚約者と結婚。25年後の今は、ふたりの子供がいます。
ベンハミンは1度結婚しましたが、離婚して今はひとり暮らし。イレーネと再会し、いまだに彼女への気持ちが変わっていない事を、改めて自覚します。
彼が書こうとしているのは、23才の新婚の美人女性教師が、強姦されて殺された事件。
被害者の夫リカルドは銀行員。
ベンハミンと彼の部下のパブロは、被害者の幼なじみイシドロ・ゴメスが容疑者ではとめぼしをつけましたが、上司の命令を無視し、強引で違法な捜査をした事で、事件は未解決として処理されてしまいます。
しかし一年後、駅でリカルドと再会したベンハミンは、彼が毎日違う駅で容疑者を現われるのを待っているのを知り、捜査の再開を嘆願します。
ゴメスの母親宅にあったゴメスの手紙から、彼がサッカーチームのラシンの熱心なファンであると推測し、ラシンの試合会場で容疑者を捜すベンハミン達。
何とか彼を逮捕しますが、事件はここで終わらないんですね。
人はいろいろ変わっても、変わらない部分がある。
これがある真実へとベンハミンを導きます。
変わらないもの。
ゴメスがラシンファンである事。
リカルドの亡くなった妻への愛。そして、犯人に対する思い。
彼は、犯人には死刑でなく、終身刑を望んでいます。死ねばその時点で犯人は解放されるけど、自分は死ぬまで空虚な日々を送る。だから、犯人には終身刑で、死ぬまで空虚な日々を送ってほしいと。
ベンハミンの場合は、イレーネに対する気持ち。彼女以外の女性は愛せなかった。
小説を書いていて、現在のリカルドとゴメスはどうしているのか知りたくて、ベンハミンは彼らの住所を調べます。そしてリカルドと再会したベンハミンは、衝撃の事実を目にすることに...
事件の展開は、アルゼンチンの政情を知らないとわかりにくい部分もあるかと思いますが、なかなか見ごたえがありました。
苦労して折角逮捕したのに、ゲリラに関する情報提供と引き換えに、ゴメスは釈放されてしまい、ベンハミンとパブロは彼に命を狙われるなんてね。
しかも25年後の今も、あの事件がすっかり終わってはいない事を知るベンハミン。
ただ、イレーネとベンハミンの今後は、かなり大変でしょう。その点は、当人達もわかっているようですけど、イレーネの夫に、ちょっと同情しちゃいます。(^^ゞ
被害者役の女優さんがすごくきれいだったわ。
(鑑賞日8月25日)
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今年のアカデミー賞外国語映画賞受賞{/m_0151/}
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アカデミー賞外国映画賞を受賞したアルゼンチン映画。
アルゼンチン映画は二ヶ月くらい前の「アルゼンチンタンゴ伝説のマエストロたち」以来。
だが、アチラは音楽映画なのに対し、こちらは現代劇。
通常触れられない世界の映画をみると、ハリウッド映画や日本映画にない感性を発見して面白い。
この映画では、
「アルゼンチン流、怨念」
「アルゼンチン流、友情」
「アルゼンチン流、愛情」
「アルゼンチン流、ストーリーテリング」
などを感じることができ、大変新鮮だった。
つまり一言で... [続きを読む]
» 映画「瞳の奥の秘密」人は誰も決して忘れてはならない秘密を持っている [soramove]
「瞳の奥の秘密」★★★★
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フアン・ホセ・カンパネラ 監督、129分 、2010年8月14日公開、2009,スペイン、アルゼンチン,ロングライド
(原題:EL SECRETO DE SUS OJOS )
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TB,ありがとうございました♪
そうそう、被害者役の女優さんがきれいで、ここはかなり心を摑まれたんですが、
どうにもちょっとテンポとか、セリフとかで、どうにものれなくなっていってしまいました。
主人公のキャラが、、惹かれなかったからかも(´艸`)
投稿: kira | 2010年8月27日 (金) 21:37
うわ~、上の写真が被害者役の女優さんですか。めっちゃ可愛い♪
なんだか清純ぽそうだけど大胆な芝居でしたね。^^;
作品の方は見事な脚本でした。25年越しの事件の解明と恋愛、
双方に伏線がありつつ、それを上手く覆い隠していました。
流石はオスカーですね。
投稿: KLY | 2010年8月27日 (金) 23:32
★kiraさん
主人公のキャラは、好みが分かれるかもしれませんね。
わたしも、主人公には特には惹かれませんでした。
★KLYさん
私はイレーネより、被害者の女優さんに目が行っちゃいましたよん。
目の表情から相手の心理を読み取るのがよかったですし、展開もうまくできていたと思います。
投稿: 風子 | 2010年8月28日 (土) 16:11
TB&コメントありがとうございました♪
ストーリー展開は面白かったのですが、一つ引っかかるとなんだか入り込めなくなっちゃうものですね~^^;
自分的には残念な映画でした。
それにしても理不尽な時代はどこの国でもありますね。
というか、いつの時代もあるということでしょうか。
被害者の女優さん、ホント、綺麗でしたね~
でも、あまりに悲惨で心が痛みました。(ーー゛)
こちらからもTBさせてくださいね♪
投稿: choro | 2010年8月28日 (土) 21:12
★choroさん
既婚者としては、イレーネの今後はちょっとねえ。
被害者は本当にかわいそうでした。
投稿: 風子 | 2010年8月28日 (土) 22:44
この映画、とっても楽しみにしていたもので、見れて本当にうれしかったです。
で、期待通り!!素晴らしかったです!
脚本の見事さに、いろんな伏線が嫌味じゃなくて効いてるところのうまさとか、よかった!!
パブロの何気ない一言で笑わさせてもらって、ぐぐっと泣かせられ・・。
ほんとによかったです。
あたしは、イレーネの今後というより、ベンハミンが気持ちを素直に吐露したことが大事だったんだなあと思いました。
出演は短いながら、きれいな女優さんでしたね。もったいない出演でしたが、インパクトは大でした。
投稿: sakurai | 2010年11月 5日 (金) 07:56
★sakuraiさん
そちらでも公開されたんですね。
>ベンハミンが気持ちを素直に吐露したことが大事だったんだなあと思いました。
ずっと言えなかったんですものね。これからの人生を、素直に前向きにというのはよかったと思います。
投稿: 風子 | 2010年11月 5日 (金) 08:51