ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ (試写会)
ジョンとふたりの母
公式サイト http://nowhereboy.gaga.ne.jp
11月5日公開
1950年代半ばのリバプール。
幼い頃から実母ジュリア(アンヌ=マリー・ダフ)の姉夫婦に育てられたジョン・レノン(アーロン・ジョンソン)は、反抗期真っ最中の問題児。温かい人柄の伯父ジョージが急死し、葬儀の時に、実母を見かける。そしていとこから、ジュリアが歩いていける距離に住んでいると知らされたジョンは、恐る恐るジュリアの家を訪ねる。
アーロン・ジョンソンは、声や話し方をかなりジョン・レノンに似せていて、頑張っているなと思いました。
40歳で、自宅前で射殺されて亡くなったジョン・レノン。
生きていれば、今年70歳。
ビートルズになる前の、彼の生い立ちについては、全く知りませんでした。
この映画を見て彼の曲を聞くと、幼い頃や、10代の頃の思いが反映されているんだなあって思いました。
特にエンドロールで流れる“Mother”は、今までと違って聞こえました。
オープニングの音は、“A Hard Day's Night”のイントロかしら。
男女とも、同性の親が必要な時期ってあると思うんですよ。
そんな頃、可愛がってくれた伯父さんが亡くなってしまったのは、残念でしたね。
伯母のミミも、愛情を持って育ててくれましたが、保守的で厳格な彼女と、しばしば衝突するジョン。まあ、思春期はみんなそんなものですよね。
実母に会いに行くと、母は父親違いの幼い女の子2人と、その父親ボビーと家庭を持っていました。
ジョンが訪ねて来た事をとても喜んでくれた母は、アメリカの新しい音楽ロックンロールを聴き、歌ったり踊ったり、伯母とは対照的なタイプ。母といるのが楽しくて、伯母に内緒で、たびたび母に会いに行くジョン。
エルヴィスや、バンジョーの弾き方も、お母さんが教えてくれました。
伯母夫婦に愛情深く育てられたけど、それでも母親の愛を求める気持ちは強かったのねえ。
バス内で老女にエロ本を見せたからと停学になるも、それを伯母には内緒にして、学校へ行くふりをして昼間は母の家へ。
当然、伯母さんにばれます。
母と暮らしたいジョンだけど、今の母の家庭に、彼の居場所はありません。仕方なく伯母の家にもどります。
次第に音楽に没頭して行くジョンは、学校で仲間を集めてバンド“ザ・クオリーメン”を結成。最初のライブで、15歳のポール・マッカートニーと出会います。
ひゃ~~、15歳のポール・マッカートニーなんて、想像できませんわ。そんな年齢で、出会ってたのねえ。しかもその頃ポールは、すでに母親を亡くしていたなんて。
そんな中ジョンは、17歳の誕生日に、ず~~っと知りたかった疑問を、母と伯母にぶつけます。
なぜ近くに母が住んでいるのに、自分は伯母に育てられたのか。
父親はどこにいるのか。
ジョンは、自分は母親に捨てられたという思いを、ずっと抱えていました。
そして知ったのは、衝撃的な事実。
母は戦争中、父が不在の間、浮気してジョンの異父妹を生んでいた。その子は救世軍が連れて行って、どこにいるかはわからない。
父が帰って来た時には、母はボビーと暮らしていた。
どちらがジョンを引き取るか口論になったジョンの両親は、どっちと暮らしたいかと6歳のジョンに聞くと、お父さんと答えたので、父はジョンをニュージーランドへ一緒に連れて行こうとしたが、伯母が自宅へ連れ帰った。
ただでさえ思春期は悩み苦しむのに、こんな事を聞かされてどんな気持ちだったかと思うと
グレまくって、犯罪者になってもおかしくないでしょ。
ジョンだけでなく、母ジュリア、伯母ミミ(クリスティン・スコット・トーマス)、3人のそれぞれの感情が痛いほど伝わってくる場面でした。
大きなショックを受けたジョンでしたが、ミミにもジュリアにも愛されている事、自分が2人を愛している事に気づき、過去を赦し、悲しみを乗り越えて新しく進んで行こうとした矢先、お母さんが突然の事故死。
かわいそ過ぎる~~~!
ジョンもポールも、10代で母親を亡くしていたんですね。
トーマス・ブローディ・サングスター君は、かなり個性的な顔立ちなので、どうしてもポールには見えませんでした。(笑)
子役出身の彼も、20歳になったんですね。
ジョージ・ハリソンを演じたサム・ベルは、ミュージシャンだそうですが、イケメン君ですね。
でもこの映画の一番の話題は、監督と23歳年下の主演俳優(1990年生まれ)のできちゃった婚よね。ま、婚約だけで、正式な婚姻はしていないみたいだけど。
犯罪すれすれじゃない?
若いハンサム君となんて、女性としてはうらやましすぎる~。(爆)
アーロンはすでに一児の父よ。
「幻影師アイゼンハイム」「ジョージアの日記/ゆーうつでキラキラな毎日」と出演作を見てますが、主演作「キック・アス」も12月18日公開です。これは、続編製作も決定している作品。
(鑑賞日10月14日)
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そしてジョン・レノンは、やっぱ、ものすごい。
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英題:NOWHERE BOY
監督: サム・テイラー=ウッド
2009/イギリス
オフィシャルサイト
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ハッキリ言ってビートルズの曲を聞いたことがあるって程度の知識の私。
成る程実に面白かったです。人に歴史ありだなぁと。^^;
一緒にいった大ファンの人からいわせると色々言いたいことはあるみたい
ですけどね。でも初心者にはこれで十分です^^
ビートルズってジョンとポールバンドなんですね。ジョージ・ハリスンなんて
殆ど触れてもらえなかったし。^^;
投稿: KLY | 2010年10月30日 (土) 22:21
★KLYさん
ビートルズ以前のジョン・レノンの話なので、ビートルズを知らない人が見ても大丈夫だと思いますね。
ジョンの生い立ちを知って、小野ヨーコとの間に息子ができたとき、専業主夫になったのがわかる気がしました。
投稿: 風子 | 2010年10月31日 (日) 12:06
えぇぇ!アイゼンハイムに出てました??気付かなかった!!
ちょっとジェイク・ギレンホールに似てるなあ・・とも思ったのですが、やっぱジョンでしたね。声が似てたのが一番、ぐぐっときました。
サングスターも二十歳かあ・・・。年取るわけです。
って映画は、とってもよかったです。「MOTHER]は、ほんとに沁みました。
投稿: sakurai | 2011年1月24日 (月) 21:02
★sakuraiさん
アーロン君は、アイゼンハイムで主人公の少年時代を演じていました。
「MOTHER」に、あんな想いがこめられているとは思いませんでしたよ。
投稿: 風子 | 2011年1月25日 (火) 14:04