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2010年11月26日 (金)

レオニー

ある母の生涯

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公式サイト http://www.leoniethemovie.com

彫刻家イサム・ノグチ(1904-1988)の母の生涯を描いた映画

監督: 松井久子 「ユキエ」 「折り梅」

1901年のニューヨーク。フィラデルフィアの名門女子大学のブリンマー大学を卒業し、教鞭をとっていたレオニー・ギルモア(エミリー・モーティマー)は、文学の道に進む夢を持っていた。新聞の3行広告を見て、雇い主の日本人の青年詩人、ヨネ・ノグチ(中村獅童)と出会う。一緒に仕事をするうちに、レオニーは彼を愛し、そして妊娠する。
しかしヨネは日本へ帰ってしまい、シングルマザーとなったレオニーは、子供と共に、アメリカと日本の二つの国で、困難な時代を生き抜いていく。

全く知らない女性の話だったので、こんな生き方をした女性がいたんだと思いました。
小泉八雲の妻(竹下景子)や、津田梅子(原田美枝子)とも知り合いだったなんて。

共感できない部分もありましたが、一見の価値のある映画でした。

アメリカでもシングルマザーは大変だった時代なのに、しかも相手が日本人だなんて、周囲からの偏見は、かなりのものだったのではないでしょうか。

そして子供のために、100年以上前に、全く何も知らない日本へ来たなんて、ものすごい事ですよね。

しかも日本で、違う男性との子供を妊娠して出産。普通じゃ考えられないわ。

当時のアメリカでも、かなり異端的というか、進歩的な考えの持ち主だったレオニーは、本当に苦労したと思いますね。まあ、そういう困難に耐えうる精神があってこそともいえますが。

日露戦争のせいで、日本人に対する差別が大きくなり、ヨネ(野口米次郎)はアメリカから日本へ帰国。
第二次世界大戦もあったし、レオニーだけでなく、日本人との混血であった息子のイサムも、日本でもアメリカでも差別され、どれほど困難で辛い目にあったかと思うと涙。

レオニーも大変だったけれど、それは自分で選択した事。だから、幼い息子のイサムの辛さの方が、より大きく心に沁みました。

ヨネと別れてからも、ヨネの編集者としての仕事を続けたのは、経済的理由なのか、彼の才能を認めていたからなのか。両方だったのかなあ。
ヨネの才能は、愛していたのだと思います。

レオニーは、幼い息子の才能にも、早くから気づいていました。
彼女がアメリカに帰国すると、息子は医学部に通っていましたが、あなたは芸術家なのと言う。父親の才能を受け継いでいるのだと。

イサム・ノグチは、母親の姓で白人的な名前を名乗る事もできたと思うけど、どうして全くの日本名の“イサム・ノグチ”を名乗っていたのか、彼の思いを聞いてみたいなと思いました。

(鑑賞日11月24日)

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コメント

ちょっと見た限り自分勝手なほどに頑固なレオニーに驚くと共に、
その頑固な想いがイサムに向かったが故に彼の芸術家としての
才能を花開かせたのかなと思いました。
いきなりあの状況で「息子は医学校を辞めさせます。」って言い
切った時には、そりゃイサムじゃなくても何言い出すんだ!って
思いましたけど。^^;

★KLYさん
息子の天職は芸術家であると、息子が小さい頃からずっと思っていたのでしょうね。

そうですねえ。
あの生き方だったら、アメリカであっても相当な風当たりがあったでしょうね。
それでも自分を貫けるものの根源はなんだったんでしょう。
共感はできませんが、すごい女性だったと思います。
でも、映画の作りとしては、釈然としなところが多く、ちょっと・・でした。

★sakuraiさん
理屈ではなく、情熱を貫く女性だったのでしょうか。自分を生ききった人なのかもしれません。

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