エリックを探して (試写会)

ダメオヤジよ　勇気を出せ

公式サイト　http://www.kingeric.jp
１２月２５日公開

製作総指揮：　エリック・カントナ
監督：　ケン・ローチ

マンチェスターの郵便配達員エリック(スティーヴ・エヴェッツ)は、１０代の息子、ライアンとジェスと３人暮らし。２人とも、7年前に亡くなった２度目の妻の連れ子だ。ある日エリックは、パニック障害の発作で、車をぶつけてしまう。仕事仲間は落ち込んだエリックを元気づけようとするが、効果はない。
エリックは夜中に、自室の壁に貼ったポスターのエリック・カントナに愚痴をこぼすと、暗がりから声がして、なんとカントナ本人が現れた！　そしてカントナはエリックの相談相手となり、助言し、勇気づける。かくしてエリックは勇気を奮い立たせ、郵便局の仲間たちの応援も得て、問題に立ち向かっていく。

社会派の骨太な作品で知られるケン・ローチ監督に、なんと、かつてサッカー界のスーパースター選手だったエリック・カントナが、自ら持ち込んだ企画だとか。
映画にも、カントナ自身の役で出演しています。



サッカーに詳しくないので、エリック・カントナがどれだけすごいサッカー選手だったか知りませんでした。引退後は俳優もしていて、「エリザベス」に出演しています。
少し彼の経歴を知ってから、見に行くといいですね。

ケン・ローチ監督作は、見終わったあと、んーーと考え込んでしまう作品ばかりですが、今回はどこにでもいるごく普通のダメオヤジの奮闘を描いていて、笑顔で終われる作品でした。ファンタジックなコメディーです。
でもローチ監督の心理描写は、やはりうまいです。

主人公のエリックは、冒頭で車の事故を起こしますが、その理由はあとからわかります。
最初の妻リリーとは、若くして結婚。娘のサムが生まれて間もなく離婚。そのサムが子育てしながら大学へ通うため、孫娘のデイジーを預かる関係で、リリーと再会することに。ところが昔と変わらず美しいリリーを遠目に見たエリックは、彼女の前に出て行けずに車に戻り、動揺して、事故を起こしてしまいました。

エリックの抱える問題は二つ。
リリーとの事と、２度目の妻の連れ子の２人の息子の事。

リリーに関しては、会う勇気がないのと、彼女と別れる原因になった事を説明する勇気がない。
２人の息子は、やばい仕事に手を出しているようなのに、何も話してくれないし、息子たちにはエリックをバカにして、言う事を一つも聞かない。

壁のポスターに愚痴ると、なぜか突然カントナが部屋に現われた。


(ユニフォームにＳＨＡＲＰてあって度々映るんですけど、映画のスポンサーになってる？)

カントナのアドバイスで、何とか勇気を出してリリーと再会。話もできるようになり、少しずつ彼女との関係は好転していきます。

誰かがちょっと背中を押してくれると、勇気が出るときってありますよね。

息子ライアンにギャングと手を切らせたいいのですが、警察には知らせる事ができない状況。しかしカントナの「友達を信頼しろ」とのアドバイスに押されて、仲間たちと共に一世一代の賭けに出ます。

持つべきものは友です！

エリックの仕事仲間達は、ちょっとおバカでしょーもない奴らですが、友達思いのいい奴らなんです。

ダメオヤジエリックの若い頃を演じた俳優がかっこよかったので、調べちゃいました。


Matthew McNulty

「コントロール」にも出演していたのね。

(鑑賞日１２月２日)