ロビン・フッド
羊が獅子になるまで
公式サイト http://robinhood-movie.jp
監督: リドリー・スコット
12世紀末、イングランドの獅子心王リチャード1世が率いる十字軍遠征隊の兵士に、弓の名手ロビン・ロングストライド(ラッセル・クロウ)がいた。獅子心王がフランスで戦死すると、仲間達といち早く部隊を離れて、国へ帰ろうとしていたロビンは、王冠を持ち帰る役目を担った騎士ロバート・ロクスリーが、待ち伏せされて殺される現場に遭遇し、瀕死のロバートから、自分の剣をノッティンガムの父親(マックス・フォン・シドー)に届けてほしいと依頼される。ロビンはロバートになりすまし、仲間と共にロンドンで王冠を王の母に返還すると、ノッティンガムへ向かう。
一方王宮では、新国王となった獅子心王の弟ジョン(オスカー・アイザック)が、摂政のウィリアム・マーシャル(ウィリアム・ハート)を解任し、乳兄弟のゴドフリー(マーク・ストロング)をその後任に据える。ゴドフリーがフランス王のスパイで、イングランドに内戦を起こそうともくろんでいるとも知らずに。
これまでのロビン・フッド映画と違い、ロビンがシャーウッドの森で暮らすようになるまで、つまり民衆の英雄となる以前を描いた映画。
架空の人物ですから、生い立ちも自由に設定できますね。
ロビンの父親は石工の設定ですが、公式サイトの特別解説を読むと、その設定理由も興味深いですわ。
ストーリーに目新しさはありませんが、退屈することなく見られたし、大がかりなセットや、大勢の馬やエキストラを使った戦闘シーンは圧巻でした。
ロビンがノッティンガムに行くと、ロバートの父親ウォルター・ロクスリー卿は盲目で、ロバートの妻のマリアン(ケイト・ブランシェット)が領地を切り盛りしていました。
ウォルターの死後、跡継ぎがいないと領地は没収されるため、ロビンはロクスリー卿から、息子になりすまして、ノッティンガムに留まって欲しいと頼まれます。
マリアンも渋々舅の提案に従いますが、村の窮状を助けようとするロビンに、徐々に心を開いていきます。
さすがケイト・ブランシェットは、男勝りなマリアンをうまく演じていますね。
一方ゴドフリーは、税金の取り立ての名目で、密かに上陸した200人のフランス兵を引き連れて、各地を襲撃していましたが、マーシャルがゴドフリーの企みに気づきます。
いかにも憎らしい悪役のマーク・ストロングもグッドです。
重税を課し、払えないと領地を奪って行くジョン王に不満を募らせ、反旗を翻そうとする北方貴族たちの集会で、ロクスリー卿の代理として出席したロビンは、「我々が求めているのは法に守られた自由だ」と、ジョン王に対して自由憲章の発行を条件に、一丸となってイングランドに攻め込もうとするフランス軍と闘う事に同意します。
マリアンに気があるノッティンガムの代官に、マシュー・マクファディン。「プライドと偏見」でキーラの相手役だった人ですね。
ノッティンガムの新任の司教は、「ロック・ユー!」で、ヒースの従者役だったケヴィン・デュランドではないの。お久しぶりだわ。
実力派俳優が多数出演しているので、物語にもすんなり入り込めましたね。
ただねえ、カリスマ性と色気を備えて、この手のアクションもこなす若手俳優がいないのよね。そういう20代か30代の俳優が主演なら、アメリカでの興業収入も上がったかもしれませんね。
民衆の英雄になる前という設定だし、ラッセルの年齢ではねえ。
それだけが残念かな。
(鑑賞日12月14日)
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そうですねえ。ちょっと年の行ったロビンでしたね。
これがヒースでも生きてたら、ピッタリだったかもしれないですね。
ヘルゲランドの脚本は、虚々実々とりまぜ、相変わらずうまいです!
投稿: sakurai | 2010年12月16日 (木) 20:10
★sakuraiさん
そうですね。ヒースならこの役こなせますわよ。
あーあ、本当に惜しい人を亡くしましたよね。
投稿: 風子 | 2010年12月16日 (木) 20:21
「3時10分決断の時」のような西部劇はもちろんですが、ラッソーの馬に乗る姿はかっこよかったですね~同じくケイトも!
欧米の俳優さんはとっても素敵に馬を乗りこなしますよね。
これは素直に楽しめてよかったです♪
シャーウッドの森に入るまでのロビンというのも面白いですね。
ちょっとトウがたっていたのだけが残念でしたが。
投稿: choro | 2010年12月16日 (木) 22:48
戦争シーンには大興奮でしたが、細かい部分、例えばチェインメイルの着脱が一人では困難だとか、そんな描写もきにいってしまいました^^
投稿: KLY | 2010年12月16日 (木) 23:00
★choroさん
乗馬シーンはかっこいいですよね。男前度も上がります。^^
この設定だと、ラッセルが10歳若かったらなあと思いますよね。
★KLYさん
衣装もすごかったですよね。映画に入り込みやすかったです。
投稿: 風子 | 2010年12月17日 (金) 08:17
こんばんは♪
確かに、ロビンフッドになる前と考えると、トウのたった
ロビンでしたが(^_^;)カリスマ性は感じられましたし
グラディエーター風ロビン(笑)も悪くはなかったと思います^^
豪華実力派俳優も良かったですよね^^
王道の歴史スペクタクル、時間の長さを感じず
見応えアリで、楽しめました♪
投稿: ひろちゃん | 2010年12月22日 (水) 00:10
★ひろちゃんさん
俳優陣は豪華ですし、リドリー・スコット監督のアクションシーンは、さすがに見ごたえありますね。
投稿: 風子 | 2010年12月22日 (水) 10:33
風子さん
お久しぶりです。すっかりご無沙汰でした。
私も見ました。
なぜ今、「ロビン・フッド」なの?と思って見に行ったけど、
シャーウッドの森に入る前の物語だったのですね。
まぁ~、その設定だと、ちょっと、フッドも熟年に感じられたけど、
でもカリスマがあって、素敵でした
戦いのシーンは迫力があり、風景も綺麗でしたね。
衣装もなかなか凝っていて、素敵でしたねぇ~。
最後まで飽きずに楽しめましたよっ
投稿: 紫の上 | 2010年12月30日 (木) 12:38
★紫の上さん
ロビン・フッド映画は、いくつもありますもんね。
時代物は、衣装だけでも大変ですよね。
アクションシーンは、リドリー・スコット監督らしい迫力でした。
投稿: 風子 | 2010年12月30日 (木) 12:48