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2011年1月22日 (土)

愛する人

ペンダントに受け継がれる想い

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公式サイト http://aisuru-hito.com

製作総指揮: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
監督・脚本: ロドリゴ・ガルシア  「彼女を見ればわかること」「パッセンジャーズ」

カレン(アネット・ベニング)、51歳。老いた母を介護しながら働く日々。14歳の時に初恋相手の子供を妊娠して出産したが、母の反対にあい、その子供は養子に出された。母とは共に暮らしながら分かり合えず、会ったことのない娘に想いを寄せて、届く事のない娘への手紙を書き続けている。だが母の死をきっかけに、娘を探し始める。

エリザベス(ナオミ・ワッツ)、37歳。弁護士として成功しながら、人と深くかかわる事を拒み、家族も恋人も作らず、一人きりで生きている。しかし思いがけず妊娠してしまい、彼女はキャリアを捨て、産む決意をし、産みの母に会おうと思い始める。

原題は“Mother and Child”

登場する女性達の心情が、とてもよく描かれていたと思います。
女性ならそれぞれの女性の言動に、共感できる部分が多いと思いました。

男性は、どこまで女性達の心情が理解できるのかなあ。

娘の人生を台無しにしたと後悔しながら、娘には直接謝罪することなく亡くなったカレンの母。

14歳で産んだ娘の事が、頭から離れる事はなく、人とのつながりを避けていて、気になる男性とも、素直に接する事ができない。母が通いの家政婦とその幼い娘と親しくしているのも気に入らない。しかし母が亡くなり、娘の自分に言えなかった母の気持ちを知り、気持ちの変化に伴い、人との接し方も変わる。そして良い伴侶を得て、表情や身なりにも変化が。

エリザベスは養父母との関係がよくなかったらしい。10歳の時養父が亡くなり、17歳の時から自立して生きてきて、養母とは疎遠。子供は要らないと、17歳の時にメキシコで違法に避妊手術をしていたのに、妊娠してしまう。しかしその事が、彼女を変えていく。

カレンもエリザベスも、人にも自分にも優しくできず無器用。過去の悲しみを抱えているとはいえ、それはやはり血のつながりによる類似点かしら。

カレンとエリザベス母娘にからんでくるルーシー(ケリー・ワシントン)。
夫の子供が産めず、養子縁組を決意する。
夫婦で下した決断だと思っていたのに、夫の真意は違っていた。

そしてルーシー夫婦に、生まれてくる子を養子に出そうとしたレイ。
彼女も母親との関係がよくないようで、子供は要らないと考えていたけれど、産んだら心情に変化が。

ルーシーやレイの母親の言動にも、納得させられる部分がありますね。

エリザベスは上司のポール(サミュエル・L・ジャクソン)と関係を続けながら、隣りの部屋に住む男性とも、ずっと関係を持っていました。
2人とも、エリザベスの方から誘っています。

妊娠しても、どちらの子かわからないんですね。

ポールは妻と死別しているけれど、妊娠中の妻を持ちながら、エリザベスと浮気するスチーブンに、マーク・ブルカス。「ナイト&デイ」でキャメロンの友人の消防士役だった俳優さん。

カレンの初恋相手で、今は妻子と暮らしているトムに、デヴィット・モース

養子を斡旋する修道女は、「24」の女性大統領役の女優だわ。

現在2児の母のナオミ・ワッツ。妊娠中のおなかは、自前だそうですね。

(鑑賞日1月19日)

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コメント

こどもは全てを変えると言うけれど、ホントそうなんだなぁと。
父親はいつでも本当に生物学的に父親かどうかは解らないわけで、
やはり血肉を分けて子を宿す母親の想いは特別なんだなと思わずに
いられません。
切ないのに暖かい、不思議な涙を流してしまいました。

★KLYさん
子供は女性は体の一部となるので、母性は特別なのでしょうね。
亡くなっても母から娘へとずっと受け継がれていく事で、希望が感じられました。

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