アメイジング・グレイス

名曲にこめられた思い

公式サイト　http://www.amazing-movie.jp

実話の映画化

監督：　マイケル・アプテッド　「ナルニア国物語／第3章：アスラン王と魔法の島」

１８世紀のロンドン。若き国会議員ウィリアム・ウィルバーフォース(ヨアン・グリフィズ)は、自国の奴隷貿易に心を痛め、聖職者の道か、このまま政治家を続けるか迷っていたが、政治家として数少ない仲間と共に、奴隷貿易廃止を訴える決心をする。

「アメイジング・グレイス」が、奴隷船の船長をしていたジョン・ニュートン(アルバート・フィニー)という人が、自らの行ないを悔いて書いた歌詞だなんて、全く知りませんでしたよ。
彼は船長から牧師になり、ウィルバーフォースに助言を与えた人物でもあります。

この映画を見ると、「アメイジング・グレイス」が今までと違って聞こえます。

大農園は奴隷の労働力に大きく支えられていたし、港町は奴隷貿易による経済効果が大きかったので、大金がもたらされる奴隷貿易に反対する議員はわずかだった。

当時のイギリスでは、若くして皆議員になっていたのですね。２０歳か２１歳から立候補できたのかな。



志を同じくする親友のウィリアム・ピット(ベネディクト・ガンバーバッチ)が、イギリス史上最年少の２４歳で首相に就任。
少しずつではあったが、奴隷貿易反対に賛同する議員が増えていたところへ、フランス革命。そしてフランスとの戦争が始まり、ウィルバーフォースの提出した法案の検討が難しくなってしまいます。

一生を奴隷廃止にかけた、正義の人なんですね。
２０年も奴隷貿易廃止を訴え続けた、その不屈の精神には感服です。

また一つ、映画のおかげで歴史を知りました。

若くして首相になったピットも、大変だったのではないかしら。闘病を繰り返していたウィルバーフォースは、７４歳まで生きたのに、彼は４６歳で亡くなってしまった。本作では彼について多くは語られないけど、もしかしたら彼を主人公にしても、映画ができるのでは？

アメリカの奴隷解放は、南北戦争とリンカーンと共に知られているけど、ヨーロッパ各国は、いつどのようにして奴隷制度が無くなったのかなあ。学校でも習わなかったわよね。

それにしても、奴隷貿易廃止案を出しても否決されるからと、めくらましに、間接的に奴隷貿易ができなくなる法案を通させる戦術を考えた海事弁護士には関心です。政治って正攻法だけではなかなか難しく、ちょっとずるが必要な時もあるんですね。



途中から奴隷貿易廃止派になったフォックス卿は、マイケル・ガンボン。

「ツーリスト」に出演していたルーファス・シーウェルも、奴隷貿易廃止派の一人で出演しています。



ベネディクト・ガンバーバッチは、「つぐない」に出演していましたが、ウィルバーフォースの妻バーバラ役のロモーラ・ガライも、「つぐない」で１８歳のブライオニー役でした。

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(鑑賞日３月２３日)