ブルーバレンタイン
すれ違ってしまったふたり
公式サイト http://www.b-valentine.com
ディーン(ライアン・ゴスリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)の夫婦は、娘フランキーと3人暮らし。
シンディは看護士として病院で働くが、フランキーの仕事は芳しくない。互いに相手への不満を抱えながら、生活を続けていた。
現在の様子と、出会って結婚するまで様子との対比で描かれる、夫婦の変遷。
夫婦仲がうまくいっていないのがわかりますが、出会いから結婚までの経緯が、過去の映像でわかります。
現在の様子は、男女どちらの気持ちも不満もわかって、見ていてとても痛い。
人間だから、ディーンとシンディにも、それぞれ長所と短所がある。もうちょっと思いやりのある言い方があるでしょと思う場面が、どちらにもある。
女は細かい小言を言ってしまうのよねえ~。余分な家事をやらせないようにして!って思うのよ。男にとってはどうでもいいようなことが、女には重要だったりする。まあ、お互い様でしょうけど。
でもそういうことは別にして、結婚までの経緯を見ると、シンディのせいかな。若かったから仕方ないのかもしれないけれど、妊娠してしまったのが一番の原因だと思う。
医師になりたいという目標を持っていたシンディは、同級生のボビーと関係を持ち、望まない妊娠をしてしまった。13歳で初体験してから、関係を持った男性は20~25人と診察室で話していたので、それなりに避妊はしてきていたのでしょうが、ボビーの時は、彼がついうっかり...
それに腹を立てたのか、ボビーは未練たっぷりだけど、彼との関係はそれっきりだったみたい。
その後、シンディの祖母がいる老人ホームで、ディーンと出会う。
ディーンはシンディに一目ぼれして、連絡先も渡したけれど、なしのつぶて。
バスの中で偶然再会すると、猛アタックして、ふたりは付き合い始めます。
しばらくして、ボビーの子供を妊娠しているのがわかったシンディは、中絶しようとしますが、処置の直前で中絶をやめて、生むことにします。
ディーンはそんなシンディに、「家族になろう。」とプロポーズ。
ディーンは子煩悩で、娘のフランキーはパパが大好き。でもディーンは、家庭生活を楽しむタイプで、仕事にやりがいや目標を持つタイプではなく、高校も出ていない。
根は悪い人ではないのだけど、仕事や生活に対する価値観や目標が、シンディとは違う。シンディには結婚前からそれはわかっていたはずだと思うけど、優しくて誠実な彼に惹かれちゃったのね。
シンディは妊娠しなければ、医師を目指して進学していただろうし、ディーンと付き合うともなかったかもしれない。夫婦仲の悪い両親のもとで育った彼女は、結婚にも憧れていなかっただろうし、大好きな祖母の結婚生活も、バラ色ではなかったと察せられるし。
やっぱり女性は、望まない妊娠はぜ~~ったいにだめ。不幸に終わる結婚のもとよ。
ラストが悲しいのは、ディーンを憎みきれないから。自分の子供がほしい気持ちもわかるし、彼は妻子を愛しているし。
こんなガキみたいな男じゃシンディの決断も仕方ないわよねと思うと同時に、悪い奴ではないから、かわいそうとも思うし、辛い。
ライアン・ゴスリングは好きな俳優なので、よけいです。
結婚生活の継続には、互いの忍耐と努力と思いやりが不可欠。日々の小さな行き違いは、大きくなる前に、こまめお互い修正していけば何とかなるけど、目指す人生や生活の方向が、妥協できないほど違っていてはもう無理。
ライアン・ゴスリングとミシェル・ウィリアムズは、現在の場面では体重を増やし、過去と現在のどちらにも大胆なベッドシーンもあり、すごいです。
それに加えてどちらも演技力があるので、現実味があります。
既婚者には、思い当たってチクチク、グサグサくる場面がありかも?(爆)
ライアン・ゴスリングは、「きみに読む物語」の試写会の舞台挨拶で見ました。すっごく背が高くてびっくりしましたよ。さわやかで感じのいい人でした。
「きみに読む物語」とは、結婚後が正反対の内容の映画でしたね。
(鑑賞日4月25日)
« マックスくん | トップページ | 抱きたいカンケイ »
「【映画】は行」カテゴリの記事
- ブリーディング・ラブ はじまりの旅(2024.08.01)
- ブラックライト(2023.03.23)
- フェイブルマンズ(2023.03.22)
- バビロン(2023.02.28)
- ブレット・トレイン(2022.09.18)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: ブルーバレンタイン:
» ブルーバレンタイン /BLUE VALENTINE [我想一個人映画美的女人blog]
ランキングクリックしてねlarr;please click
WARNINGラブラブ進行形カップルは決してデートで観ないように
ライアン・ゴズリング&ミシェル・ウィリアムズ主演ってことしか前知識無く、まったくどういう話なのかも知らず鑑賞。
ライアンはいつも素晴らしい...... [続きを読む]
» *ブルーバレンタイン* [Cartouche]
ディーン(ライアン・ゴズリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)の夫婦は、娘のフランキー(フェイス・ウラディカ)との3人暮らし。長年の勉強の末、資格を取って病院で忙しく働く妻・シンディに対し、夫・ディーンの仕事は芳しくない。お互い相手に対し不満を抱えているが、口に出せば平和な生活が壊れてしまうことも知っている。出会った頃の二人は若く、夢があった。お互いに相手に夢中で毎日が輝いていた幸せな日々……。
病院で看護師と..... [続きを読む]
» 出会い、結ばれ、別れる [笑う学生の生活]
25日のことですが、映画「ブルー・バレンタイン」を鑑賞しました。
あるカップルの出会いから結婚の日々
そして別れるまでの 1日ちょっとを描いてます
ストーリーとしては 本当にそれだけ
じっくりと見せていきます
壊れかけた現在を見せながら
あい間で入る 幸せな時...... [続きを読む]
» 映画「ブルーバレンタイン 」幸せの意味は変化するもの [soramove]
「ブルーバレンタイン 」★★★☆
ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ出演
デレク・シアンフランシス監督、
112分、2011年4月23日公開
2010,アメリカ,クロックワークス
(原作:原題:BLUE VALENTINE)
→ ★映画のブログ★
どんなブログが人気なのか知りたい←
「結婚7年目、娘と3人で暮らす夫婦の
現在を描きながらも
時折、出会った頃の二人が描かれると
もう結末がわ... [続きを読む]
» 映画レビュー 「ブルーバレンタイン」 [No Movie, No Life (映画・DVDレビュー)]
ブルーバレンタイン 原題:Blue Valentine
【公式サイト】 【allcinema】 【IMDb】
一組のカップルの始まりから終わりまでを描いたヒューマンドラマ。監督は新鋭のデレク・シアンフランス...... [続きを読む]
» ∴『ブルーバレンタイン』∵ ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2010年:アメリカ映画、デレク・シアンフランス監督&脚本、ジョーイ・カーティス、カミ・デラヴィーン脚本、ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ、フェイス・ウラディカ出演。... [続きを読む]
» 『ブルーバレンタイン』 (2010) / アメリカ [Nice One!!]
原題: BLUE VALENTINE
監督: デレク・シアンフランス
出演: ライアン・ゴズリング 、ミシェル・ウィリアムズ 、フェイス・ワディッカ 、マイク・ヴォーゲル
鑑賞劇場: TOHOシネマズシャンテ
公式サイトはこちら。
試写で観たコの感想を読んでて、かなり...... [続きを読む]
» 映画『ブルーバレンタイン』を観て [kintyres Diary 新館]
11-30.ブルー・バレンタイン■原題:Blue Valentine■製作年・国:2010年、アメリカ■上映時間:112分■字幕:岸田恵子■鑑賞日:4月29日、TOHOシネマズ・シャンテ(日比谷)■料金:1,600円□監督・脚本:デレク・シアンフランス□脚本:ジョーイ・カーティス、カ...... [続きを読む]
» いつかは消えてしまう感情について〜『ブルーバレンタイン』 [真紅のthinkingdays]
BLUE VALENTINE
シンディ(ミシェル・ウィリアムズ)とディーン(ライアン・ゴズリング)の夫婦は、
幼い娘フランキーと3人暮らし。夫婦はそれぞれに娘を愛しながら、互いへの
不満を募らせ...... [続きを読む]
» ブル―バレンタイン(2010)◎●BLUE VALENTINE [銅版画制作の日々]
愛を知る誰もが経験のある、しかし誰も観たことのないラブストーリー
評価:+5点=85点
永遠の愛はやっぱりありえないのだろう。気持ちなんていつまでも同じ状態で維持出来るもんじゃないと納得するも・・・・。
ということで、京都での公開はないだろうと思って...... [続きを読む]
» No.303 ブルーバレンタイン [気ままな映画生活]
仕事が芳しくないディーンと、長年の勉強の末に資格を取り、病院で忙しく働くシンディの夫婦は、娘のフランキーと3人暮らし。2人はお互いに相手に不満を抱えていたが、それを口に ... [続きを読む]
» 「ブルーバレンタイン」感想 [ポコアポコヤ 映画倉庫]
これは・・・!辛かった・・・。
でも、凄く良く出来てた! 4つ★半〜5つ★
[続きを読む]
» 『ブルーバレンタイン』 [cinema-days 映画な日々]
ブルーバレンタイン
男女の愛の始まりと終わりを
現在と過去を交錯させて描く...
【個人評価:★★ (2.0P)】 (自宅鑑賞)
原題:Blue Valentine [続きを読む]
» 『ブルーバレンタイン』 [まいふぇいばりっと ゆる日記]
今ライアン・ゴズリング、と言えば話題は断然『ドライヴ』なんだろうけど。
実は『ドライヴ』、1月に機内で観たけど期待が大きすぎたせいか
う~~ん、、て感じになっちゃって。
確かに彼かっこいいしカメラワークや音の使い方もcoolでドキドキさせてくれたんだけど、
そこ... [続きを読む]
» ブルー・バレンタイン [映画の話でコーヒーブレイク]
最近、ライアン・ゴズリングの出演作が多いですね〜。
それも全く違うタイプの役どころ。
「ラースと、その彼女」では草食系の心優しい青年。
「ラブ・アゲイン」ではバリバリ肉食系だの遊び人だけれど、根はいい奴。
「スーパー・チューズディ」では、どろどろの政治の世...... [続きを読む]
« マックスくん | トップページ | 抱きたいカンケイ »
風子さん、こんにちは。
ホント、そうですね。
欠点あるのは当たり前ですが、どちらが悪いわけではないし、あえて言うなら、元々違う価値観がどんどん開いてしまったようでした。
手に染み付いたペンキとかね、ディーンはディーンなりに頑張ったんだろうと、ラストは切なかったですよ。
投稿: オリーブリー | 2011年5月 8日 (日) 17:09
★オリーブリーさん
結婚生活で、価値観の違いが、どんどん大きくなってしまったふたりですね。
ラストは切なく、辛かったです。
投稿: 風子 | 2011年5月 9日 (月) 10:58
最初から違った価値観の二人が一緒になったわけですから、ある程度のがまんが必要になるのでしょうが、がまんしなければならない結婚生活は、無理がありますもんね。
結婚してからの様子がなくても今がわかる二人の演技は、本当に見事でした。
投稿: sakurai | 2011年7月23日 (土) 08:53
★ssakuraiさん
辛い現実ですが、2人の演技力を再確認しました。
投稿: 風子 | 2011年7月23日 (土) 12:55