ザ・ファイター
勝つために
公式サイト http://thefighter.gaga.ne.jp
実話の映画化
監督: デヴィッド・O・ラッセル 「スリー・キングス」
マサチューセッツ州ローウェルに住むプロボクサーのミッキー(マーク・ウォールバーグ)。
才能のあるボクサーだったが、今はヤク中になっている異父兄のディッキー(クリスチャン・ベール)と、マネージャー役の母アリス(メリッサ・レオ)の言われるままに試合を重ねるが、一度も勝利できずにいた。
そんなある日、ディッキーが薬物に手を出し逮捕され、ミッキーは巻き添えで、大事な右手の拳を警官につぶされてしまい、リングから遠ざかっていく。しかし恋人シャーリーン(エイミー・アダムス)の支えもあり、ミッキーはもう一度リングに上がる決意をする。
1ヵ月ぶりに当たった試写会がこの作品でしたが、地震の影響で中止になり、シネコンへ見に行きました。
製作にも名前を連ねるマーク・ウォールバーグは、2005年から体作りを開始。しかし、製作資金が集まらず、ディッキー役も、当初予定していたマット・デイモンが降板し、次のブラッド・ピットも降板して製作も危ぶまれ、最終的に決まったのが、クリスチャン・ベールでした。
監督も、当初は「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキーに決まっていました。
それが助演男優、助演女優とオスカーをゲット。何が幸いするかわからないものです。
人間ドラマであり、家族のドラマでもある感動作でした。
クリスチャン・ベールは、役作りで減量して髪を抜き、歯並びまで変えちゃったなんてねえ。
ヤク中の時の目や動作と、刑務所から出てきた時の表情の違いは、さすがの演技力です。
メリッサ・レオも、過保護な母親を熱演。
真面目なお嬢さん役が多いエイミー・アダムスも、バーで働く女性を見事に演じていました。
家族に翻弄され、なかなかはっきり物が言えないマーク・ウォルーグもよかったです。
ミッキーとディッキーは父親が違うので、名字が違う。映画では母親のアリスが、9人の子供がいると言っていましたね。
姉妹たちにずらっと並ばれたら、普通はびびっちゃうけど、もともと走り高飛びの選手だった気の強いシャーリーンは、姉妹軍団に負けない。(笑)
仲良し家族なのはいいけれど、ディッキーはヤク中でだらしなく、アリスは無知。
警官でジムのトレーナーを務めるオキーフやシャーリーンから、兄や母と手を切らないと、試合に勝てないと言われ、決心をするミッキー。
恐妻家のお父さんも協力してくれます。なかなか家族をよくわかっている、いいお父さんです。(お父さん役の俳優さんは、本人と瓜二つ)
しかしヤク中になっても、ディッキーがボクシングに関しては才能がある事は認めざるを得ないミッキー。
彼には、家族もシャーリーンもオキーフも必要なのよ。
一人じゃない。みんなで頑張る。
ミッキーが母や兄に、本音をぶつける場面が良かったです。
映画の冒頭とラストは、ディッキーとミッキー兄弟がインタビューを受けるシーンですが、ラストのディッキーのセリフと表情に、ちょっとうるっときましたよ。
ボクシングに詳しい人なら、さらに感動するのではないかしら。
試合の場面で使用したカメラは、当時と同じ物で、カメラのアングルやカットも同じだそうです。
エンドロールで、本物のミッキーとディッキーの映像がありますが、ディッキーは、本当に陽気でおしゃべりで、ミッキーは真面目な感じの人ですね。
マーク・ウォルバーグは、「インヴィンシブル/栄光へのタッチダウン」でも、実在の人物を演じています。
失業して妻も家を出て行き、どん底生活だった30歳のパハーリ。大学フットボールの経験のない彼が、地元のプロのアメフトチームが開催した、一般からの公開オーディションを受けて、ただ一人キャンプに参加が許されました。
こちらも、夢に挑戦した感動作です。
(鑑賞日3月30日)
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「ザ・ファイター 」★★★★
マーク・ウォールバーグ、クリスチャン・ベイル、
エイミー・アダムス、メリッサ・レオ出演
デヴィッド・O・ラッセル監督、
110分、2011年3月26日公開
2010,アメリカ,ギャガ
(原作:原題:The Fighter )
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当初、ディッキー役にマット・デイモンの名があったとは興味深いです。
ワタシ的にはマークとマットのルックスが似てると思ってますので(笑)
しかも、マットのヤク中演技も興味津々です。
投稿: ituka | 2011年4月 3日 (日) 22:13
★itukaさん
>ワタシ的にはマークとマットのルックスが似てると思ってますので
どちらも猿顔ですもんね。(爆)
真面目な青年役が多いマットのジャンキーぶりも、見てみたかったですね。
投稿: 風子 | 2011年4月 4日 (月) 17:29
遅まきながら、やっと見てきました。
最初は近くのシネコンで上映していないので、流そうと思ったけど、
見て良かったです。
ボクシングの映画ながら、家族愛の映画でしたね・・。
4人の俳優達の演技があってこその作品でした。
それにしても、あの「ダークナイト」のクリスチャン・ベイルがぁぁぁ~!
俳優は凄いですね。なりきり度が・・・。
投稿: 紫の上 | 2011年4月18日 (月) 21:11
★紫の上さん
クリスチャン・ベールは「マシニスト」といい、すごいですねえ。
投稿: 風子 | 2011年4月19日 (火) 17:18
マットとマークだと、似過ぎかもですね。
脇役をここまで引き立たせる主役ってのもまた貴重な存在かなあとも思います。
やはりここは、なりきり王のベイルがよかったです。
しっかし、強烈な家族でしたね。
投稿: sakurai | 2011年6月11日 (土) 20:08
★sakuraiさん
ベールの役作りは、いつもすごいですね。
家族の仲がいいのは良い事だと思いますが、こんな強烈な家族と付き合うのは、ビビリますぅ。
投稿: 風子 | 2011年6月12日 (日) 13:39
TBありがとうございます。
1年前はこの作品からのオスカー受賞でしたね。
特に、クリスチャン・ベイルのすごさに
他の俳優が追いつけてないようにさえ感じました。
メリッサ・レオも存在感たっぷりでしたね。
見た目より、実年齢が若かったので驚きでしたけど(笑)
投稿: Yoshimi | 2012年2月28日 (火) 00:46
★Yoshimiさん
クリスチャン・ベールは、いつもストイックに徹底して役作りしますよねえ。
やっぱりすごいです。
投稿: 風子 | 2012年2月28日 (火) 12:05
友達とDVDで見ました。
今回は厳しいコメントに なります。
問題児な母親と兄貴でしたね。母親を演じたメリッサ・レオがアカデミー賞の助演女優賞と兄貴を演じたクリスチャン・ベイルが助演男優賞を受賞した演技力は さすが!
ウォルバーグ演じるミッキーに重荷にさせていたのは まぎれもない事実。急遽代役の相手選手は体重差がありすぎな無茶な対戦を組ませてたり 特に兄貴は 薬や暴力沙汰で 足をひっぱりまくって・・・・
ミッキーは家族に甘過ぎですよ!それが元で前の奥さんと別れて娘との親権も無いんでしょうし、トレーナーや恋人のシャーリーンにも散々迷惑かけて・・・・
親父さんが連れてきてくれたプロモーターがミッキーに声をかけてきたとき それを快く思わない母親は親父さんと恋人のシャーリーンを罵倒して気分が悪かったです。
"家族は家族、ボクシング・ビジネスはボクシング・ビジネス"の区分けをしないと・・・・
ボクの小さいときの知り合いのレストランのご主人とその息子さんも そうでしたが、息子さんが後を継ぎたいと言った時 父親であるご主人は・・・
"よそでメシ食ってこい"と言ったそうです。身内がそばにいては しがらみや甘えが出て 腕を磨くのに妨げになるから よそで修業して一人前になってこいって事です。
母親と兄貴は そう言うべき立場なんです!ホントにミッキーのためを思うなら よそのジムでトレーニングを積ませてやればよかったんですよ。
投稿: zebra | 2012年9月19日 (水) 20:46
★zebraさん
血のつながりって簡単には割り切れないものがあるので、ミッキーもなかなか離れられなかったのではと思います。
ヤク中やアル中はどこにでもいるアメリカですし。
投稿: 風子 | 2012年9月20日 (木) 08:26