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2011年5月16日 (月)

キッズ・オールライト

家族って

Kids_allright

公式サイト http://www.allright-movie.com

高校を卒業し、秋には大学に進学するジョニ(ミア・ワシコウスカ)は、弟のレイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)に、「生物学上の父親を知りたい。」と言われる。18歳になると、父親を知る権利があるからだ。
実はジョニ達の母親は、同性愛のカップル。医師として働くニック(アネット・ベニング)と、専業主婦のジュールス(ジュリアン・ムーア)。それぞれ精子の提供を受けて、子供を出産した。
オーガニックレストランのオーナーをしているポール(マーク・ラファロ)が遺伝学上の父親とわかり、ジョニとレイザーは母親達には内緒で、彼に会いに行く。

監督のリサ・チェデレンコも、精子提供を受けて出産しているそうですね。

親が同性愛のカップルではあるけれど、どこの家庭にもある、家族の問題や様子を描いていると思います。

親は子供を心配するし、子供が親に反発したり、夫婦仲がぎくしゃくしていたり。
子供が大きくなると、家族の生活スタイルも、転機をむかえますからねえ。

Kids_allright1

Kids_allright2

ジョニはニックが、レイザーはジュールスが産んだ子供。
2人は精子提供者のポールに会った事を内緒にしていましたが、母親達にばれてしまいます。

もう大学へ行くのだし、大人として扱ってほしいジョニ。
思春期真っ只中のレイザー。家族に男が彼一人だけなのも、父親を知りたいと思う要因の一つでしょう。
仕事が忙しいニック。
ジュールスは、仕事をしたいけどなかなかうまくいかず、忙しいニックとの関係もぎくしゃくしてきている。子供たちも手を離れて行くし、空の巣症候群もあると思います。

The_kids_are_all_rightmark

ポールは結婚歴もなく、気楽な独身を謳歌している。

ジョニとレイザーがポールにあった事から、家族内の問題が表面化し、亀裂が生じます。

子供達がポールと度々会う事で、家族を取られはしないかと、懸念するニック。
造園業を始めたいと思っていたジュールスは、ポールの自宅の庭の改造を依頼され、ポールの自宅に通ううち、彼と肉体関係を持ってしまいます。そしていけないと思いながらも、関係を続けてしまいます。

ポールとジュールスの関係に気づいて、傷つくニック。母親達の言い争いを聞いて、子供達もその事を知り、ショックを受けます。ポールを気に入っていたジョニは、特に。

独身生活を楽しんでいたポールは、子供達と会って、家族を持ちたいと考えるようになりました。でも家族がほしいなら自分で作ってと、ニックにどなられます。

家族って血のつながりだけでなく、苦楽を共に生活して築かれるものだもんね。

ジョニが大学の寮に入る日、ニック、ジュールス、レイザーが車で送っていきます。荷解きは一人でできるからと言ったジョニでしたが、一人きりの部屋を見渡して、寂しさを感じます。彼女がニックやジュールスと、抱き合うシーンは、娘を送り出す親の気持ちと、家族と離れるジョニの気持ちがよくわかって涙。
見つめるレイザーが、少し大人になっているように感じられるのも、良いですよ~。

ちょっとコミカルで、少し痛いけど、ハートフルで、温かい気持ちになれる映画でした。

(鑑賞日5月14日)

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コメント

やっぱり、家族ってそんなに都合よく作れるもんじゃないですもんね。
ポールも傷付いたけど、みんな傷付いたし
ジョニとレイザーも今回の一件でひと回り大きくなっていくことでしょうね。
良い映画でした。

★itukaさん
家族って、1日1日の長い積み重ねですよね。
家族の絆が感じられるラストが、良かったです。

風子さん、こんばんは。

家庭は親子一緒に暮らしてこそ築き上げられていくものなのでしょうね。
だからと言って、親子がずっと一緒に暮らせるわけではないから
親離れ子離れの時期はお互いに辛いけど、
それを乗り越えてこそ家族の絆がより一層強くなるのでしょうね。

★BCさん
親離れ、子離れの時期は、生活の転機ですが、家族の絆が試される時でもあるのでしょうね。

風子さん、こんにちは。

男性ブロガーさんに嫌われキャラだったニックですが(笑)
そんなエゴ的なものも含めて、家族のあり方、受け入れ方など、上手に描かれていると思いました。
離れることで、また一層の絆が深まりますよね。
ホント、巣立ち症候群を経験した者には、「しあわせの隠れ場所」「トイ・ストーリー3」と涙したのも思い出します(苦笑)

★オリーブリーさん
改めて家族について考えてみたくなる映画でした。

>巣立ち症候群を経験した者には

お母様でいらっしゃるオリーブリーさんには、思い出される事も多いのでしょうね。^^

風子さん、はじめまして

今の時代 いまどき ゲイにしろレズビアンにしろ 人間社会はいろんな 個性をもった 人たちがいます。

 常識やモラルを守っていれば どんな生き方してもいいとおもうんですよ。

 そりゃあ 人との意見が合わず 生理的に受け付けれないとか対立はありますよ。 同じ考えを持った生き方をしましても 不協和音はつきものだし・・・それは同性愛者同士でも例外じゃないと思いましたね。

 ニックは・・・ボクはそりがあわないでしょうね。でも案外 人の面倒見はよさそう・・・

 まあ、ボクが精子提供者ポールの立場でしたらアメリカンジョークと タメ口で こういいますね。

 「よっ、はじめまして オレ 精子マンのポールだ! あんた ニックだろ!以後よろしくな。  あんたのことは 堅物石頭のクソババアって聞いてるよ 厳しいけど 人から頼まれごとがあると断れない いいクソババアなんだろ!男の中の男のようなクソババアだ~って」  これを英語で言ってみたらどうなるか・・・ ボクはぜひ言ってみたいです。

★zebraさん
はじめまして。

人は誰でも長所と短所がありますからねえ。
ニックもポールも同じです。

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