127時間 (試写会)
生きる事をあきらめない!
公式サイト http://127movie.jp
6月18日公開
実話の映画化
原作: 「奇跡の6日間」(アーロン・ラルストン著)
監督: ダニー・ボイル 「スラムドッグ$ミリオネア」
2003年4月25日金曜日。
いつもの週末と同じくアーロン(ジェームズ・フランコ)は、誰にも行き先を言わずに、車で出かけた。やってきたのは、何度も訪れているブルー・ジョン・キャニオン。軽快にロッククライミングをしていた彼を、悲劇が襲う。落石に右腕を挟まれて、谷底から一歩も動けなくなってしまったのだ。助けを呼ぶ叫び声は、誰もいない広大な荒野に響くだけ。何とか岩を撤去しようと試みるが、時間はむなしく過ぎて行く。もう限界だと判断した彼は、脱出しようと決意し、究極の方法を実行する。
本人の自伝を基にした本作。
ジェームズ・フランコが、米アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。
ほとんど一人芝居ですから、演技力がなければ映画は持ちません。
とはいえ、挟まれたままの人間をずっと映していても持たないので、その間、主人公が何を考え、助かるために、どんな方法を考えたり試みたりしたのかを描いています。
アーロンの回想シーンで、過去の恋人でしょうか。
ハリー・ポッターシリーズでフラー役の、クレマンス・ポエジーが出演しています。
アーロンは、途中で洞窟を探している女の子2人と出会って案内をし、ダイビングを楽しんだりしたあと、彼女達と別れて一人でロッククライミングへ。
そして、落石に右手を挟まれて、動けなくなってしまいました。
救助ボランティアとしているとのセリフがあったので、この手の知識がある人なんですね。
持ち物を岩の上に並べて、対策を考えます。
持っていたナイフは刃が鈍く、岩を思うように削れませんが、時間をかけてやってみます。左手しか使えませんから、何をするにも大変です。
夜は気温がぐっと低くなりますから、少しでも体を温かくする工夫とか、宙吊り状態なので、何とか体を固定して寝る方法とか、経験と知識を駆使します。
こんな事になるとは思っていませんから、もともと持ってきた水も、400mlしかありません。
だーれも来ませんし、右手は挟まったまま。
むなしく時間は経過して行きます。
食べ物も水もないし、意識は朦朧としてきますよね。
夜は真っ暗で恐怖も感じますし。
エッチな妄想をしたり、今までの人生を振り返って、自分勝手だったとか色々後悔したり。
しかしそんな中でも、何とか冷静さを保とうとします。
こうしていても状況は変わらず、確実に死んでしまう。
実話ですし脱出したのだから、右手を切断したのは、映画を見る前からわかりますよね。
でもただ切ったのでは、出血多量で死んでしまいます。そこは、ちゃんと知識がある人だからできる事。
彼の状況は、見ていて苦しくて痛々しい場面が多く、特に骨を折ってから右手を切断する場面は、できれば目をそむけていたかったです。
考えただけでも、激痛が感じられます。
切断してもそれで終りではなく、次は早く病院に行かなければなりません。衰弱した体で、広大な荒野の中を歩きながら、助けてくれる人に出会わなくてはなりません。
アーロン本人が撮影したテープは公開されていないそうですが、監督とフランコは特別に見せてもらったそうですね。
死んでしまうかもしれないから、家族のためにビデオで別れを言っておこうと撮ったものだとか。
自分の状況を分析して、冷静に対処しているのはすごいですよね。
「イン・トゥ・ザ・ワイルド」と、共通するところもあるなあと思いました。
映画ではよくわかりませんが、アーロンは一匹狼的なところがあって、あまり人と深いかかわりを持たなかったとか。
「運命を分けたザイル」を見た時も思いましたが、こういう人達は、とてつもない精神力の持ち主ですね。
そして大きな困難を経験したあとも、ポジティブに生きてます。
ヘタレの私は、ただただ尊敬。
ラストにご本人が映り、近況の説明文が出ます。
本当に偉いなあ。
ちゃんと反省もしていて、今は行き先を必ず書いておくそうです。
すごい事をした人なのは間違いないですが、映画としては、「運命を分けたザイル」や「イン・トゥ・ザ・ワイルド」のように、大きく心を揺さぶられる事はなかったです。
(鑑賞日6月8日)
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本も読まれたんですね。
とってもわかりやすく、読んで気にさせていただきました。
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投稿: sakurai | 2011年6月25日 (土) 12:36
★sakuraiさん
感動というより、極限まで頑張ったぞー!という強さが伝わってきますね。
本のほうが、彼の心情に泣けてきました。
投稿: 風子 | 2011年6月25日 (土) 15:07