黄色い星の子供たち
1942年 フランス政府がした事
公式サイト http://kiiroihoshi-movie.com
1942年、パリはナチスの支配下にあり、ユダヤ人は胸に黄色い星をつけることが義務付けられていた。ナチスからユダヤ人の引き渡しを求められたフランス政府は、外国籍のユダヤ人の一斉検挙を7月16日の夜明け前に始め、1万3千人が冬季自転車競技場“ヴェル・ディヴ”に押し込められた。赤十字から派遣された看護婦のアネット(メラニー・ロラン)は、競技場のユダヤ人たちの劣悪な状況に愕然とするが、彼らには、さらに苛酷な運命が待っていた。
1995年に、シラク元大統領がフランス政府の責任を認めるまで、ナチスドイツによるの迫害のひとつだと捉えられていた事件だそうですね。
フランスがナチスに加担した事実を、隠蔽したかったのね。
当時、ナチスの迫害を逃れて、フランスに来たユダヤ人が多かったのでしょう。
ナチスからユダヤ人を差し出せとの要請で、フランス政府は、フランス国籍でないユダヤ人の、一斉検挙を決めます。
2万3千人いるはずが、検挙されたのは1万3千人。残りの1万人は、パリ市民がかくまったのです。
アネットが“ヴェル・ディヴ”に行くと、検挙された人たちは、水も食料も与えられず、医師はユダヤ人のシェインバウム(ジャン・レノ)ひとりだけ。
医師も看護婦も過労でへとへとになりながらも、診療を続けました。
内部の人の手引きで、そこから脱走出来た人も、わずかながらいたようです。
数日後ユダヤ人達は、国内のロワレの収容所に移送されます。
しかしそこはさらにひどく、アネットは彼らと同じ食事を摂って、栄養失調になった自分の姿をパリの知事に見せて、収容所の改善を訴えました。
しかしユダヤ人達は、さらに別の収容所に移送が決まります。
映画を見ている観客は、どこへ移送されるのかわかるので辛いです。
ナチスが焼却炉を増設していましたが、予定より完成が遅れたため、先に大人たちだけが移送されました。引き離される親の気持ちも子供の気持ちも、悲しく痛々しいです。
特にとても幼く、自分が置かれた状況など、何もわからない無邪気な子供たちに泣けました。
歴史を知り、過去の過ちを知り、二度と繰り返されないように、繰り返さないようにと思いました。
(鑑賞日7月27日)
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コメントありがとうございました。
子供たちには泣かされましたね。
数少ない生き残った方たちが現存する今、
もっともっと話を発掘して映画にすべきでしょうね。
ニュースだと頭をかすめても、映画だと皆が噛み砕くのが
不思議だし、映画の魅力ですね~。
投稿: 小米花 | 2011年8月17日 (水) 22:09
★小米花さん
映画だと、多くの人にわかりやすく伝わりますよね。
語り継いでいかないといけない話だと思います。
投稿: 風子 | 2011年8月19日 (金) 08:30
日本だと、自分たちの過ちを認めても、それを映画にしてきちんと残そう・・などとは思いもしないでしょうね。
それでも、たくさん助けたぞ!ってあたりを強調してましたけどね。
ノノにすっかりやられました。
次の上映が「サラの鍵」です。こっちも見ないと!
投稿: sakurai | 2012年1月 8日 (日) 14:44
★sakuraiさん
そちらでは、今公開中なんですね。
映画のおかげで、また歴史をひとつ知りました。
投稿: 風子 | 2012年1月 8日 (日) 16:16