« グリーン・ランタン | トップページ | 世界侵略:ロサンゼルス決戦 »

2011年9月15日 (木)

ミケランジェロの暗号

邦題がミスマッチ

Michelangelo

公式サイト http://code-m.jp

ウィーンに住む画商のカウフマン一家が、秘かに所有するミケランジェロの絵。ある日一家の息子のヴィクトル(モーリッツ・ブライプトロイ)は、使用人の息子で家族同然に育ったルディ(ゲオルク・フリードリヒ)に、絵の隠し場所を教えてしまう。
ナチスに傾倒していたルディは、昇進するために密告。一家は絵を奪われて、収容所へ送られる。
一方ナチスは、ミケランジェロの絵を取引材料に、イタリアと優位な条約を結ぼうとしていた。しかし、カウフマン家から奪った絵が贋作である事が発覚。絵の隠し場所を知る父ヤーコブは、息子に謎のメッセージを残して、すでに収容所で死亡。ヴィクトルは、絵のありかもわからないまま、母の命を救うため、ナチスを相手に危険な駆け引きに出る。

シリアスな状況をユーモラスに描き、展開がとても楽しめるサスペンスでした。
絵の隠し場所はすぐに推察できてしまいますが、ヴィクトルがいくつもの窮地を、どう切り抜けるのかが面白かったです。


ヤーコブは、息子がルディに隠し場所を教えた時点で、絵を隠すことを決めました。知り合いの画家に、偽物となる模写も書かせました。
ナチスがオーストリアに侵攻したことを知ると、没収される前に、ヴィクトルの恋人であったレナに資産の全てを譲ります。そうすれば、戦後、彼女から返してもらうことができるから。

カウフマン家から没収した絵が偽物だとわかり、ナチスは本物のありかを聞き出そうと、収容所から飛行機でヴィクトルを輸送します。しかし途中でパルチザンの襲撃にあい、飛行機が墜落。生き残ったのは、ヴィクトルとルディのふたりだけ。
ヴィクトルが負傷したルディを近くの家に運んでみると、そこはパルチザンのアジトらしい。そこでルディはナチスの制服を脱ぎます。ヴィクトルが制服を隠そうとしていると、ナチスが来るのが見えました。
ヴィクトルは急いで制服を着て、ルディのふりを始めます。当然、ルディは自分がルディ・スメカルだと言います。
ふたりはベルリンに運ばれますが、そこからのすったもんだが面白い。

ユダヤ人なら割礼があるはず。ルディの婚約者を呼べば、どっちがスメカルかわかるなど、それらをヴィクトルはどうクリアするのか。
絵の隠し場所を知らないヴィクトルが、ナチスの上官になんというのだろうとか。

Meinbesterfeind

ヴィクトルがルディに、ナチスの制服を着たがった理由がわかったと言う場面がいうありましたが、いくら家族同然といっても、ルディはただの貧乏人で、ブルジョアのカウフマン家の人とは違う。その彼がナチスに入隊することで、カウフマン家の人達より優位な立場になれるんですよね。

ルディはルイを好きだったけど、彼女はヴィクトルを選んだし、カウフマン家の人に対して、様々な思いがあるんですよね。でも、ルディは根っからの悪人でもないんです。

何とか母親をスイスに逃がす事ができたヴィクトルですが、正体がばれて、ルディと一緒にウィーンに輸送されます。

そこからの展開も、うまく面白くできていました。
ラストは、してやったりでしたね。

それにしても、毎日千円で見られるジジババは、サービスデイの鑑賞は避けて欲しいですよねえ。余計に混むじゃないの。

(鑑賞日9月14日)

« グリーン・ランタン | トップページ | 世界侵略:ロサンゼルス決戦 »

【映画】ま行」カテゴリの記事

コメント

なかなか面白い映画でした。
ちょっと題材の扱いは軽いのですが、映画なのでこういう処理もありかと。
使用人がナチスになるという展開は「サウンド・オブ・ミュージック」を連想しますね。
後半のミケランジェロの絵をめぐって収容所に入っているヴィクトルとスメカルの対決の展開は意外で面白かったです。。
過去の話は割ともたつく感もありますが、後半の展開ははらはらさせました。
ラストは良かったですね。かなりお勧めです。

いつもTBありがとうです。

★きささん
ヴィクトルの窮地は、ハラハラドキドキなのですが、笑える場面にもしているところがうまいですね。面白かったです。
わたしもおすすめ作品です。


★migさん
こちらこそいつもお世話になっています。

とても面白かったデスねっ

ナチとユダヤ・・・というと悲惨な映画が多いけど、
こういう作品もありかなぁ~と。
本物・偽物。絵も人物も入れ替わり、時々ユーモアもあって、
クスリと笑えたのは、良かったです。

それにしても、ユダヤ人って、知恵と機知を持って、難局を切り抜けていく。たくましさを感じました。

ラストがまた素晴らしかったです

★紫の上さん
娯楽作として楽しめる作品になっていましたね。

じじばば、いっぱいいたんですか?
そりゃ災難。
イヤーー、面白かったですねえ。
こういうのみたかった!って気持ちを満たしてもらいました。痛快。
問題は、邦題だけ・・。

★sakuraiさん
サービスデイだと知らずに来ているシニアもいらっしゃると思いますが、混んで困ります。レディースデイも、シニアの女性は避けて欲しいですわ。

とても楽しめた映画でした。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ミケランジェロの暗号:

» ミケランジェロの暗号 / Mein Bester Feind/My Best Enemy [我想一個人映画美的女人blog]
ランキングクリックしてねlarr;please click ユダヤ人画商一族・カウフマン家が密かに所有するミケランジェロの絵。 それはムッソリーニも欲するほどの国宝級の代物だった。 「ヒトラーの贋札」(レビュー書いてないけど面白かった☆)のスタッフが手掛けた...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [LOVE Cinemas 調布]
第二次世界大戦開戦直前から終戦までを背景に、とあるユダヤ人美術商の家に伝わるミケランジェロの絵画を巡るナチスと主人公の駆け引きを描いたサスペンスドラマ。主演は『es [エス]』のモーリッツ・ブライブトロイ。共演にゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウスらが出演している。監督はヴォルフガング・ムルンベルガー。... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [映画的・絵画的・音楽的]
 『ミケランジェロの暗号』をTOHOシネマズシャンテで見ました。 (1)この映画は、ナチス物と言えば言え〔映画の中でヒトラーやムッソリーニに関することは話題に上りますが、実際には登場しません。ただ親衛隊(SS)将校は何人も登場します〕、また強制収容所も出てくる...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号  Mein Bester Feind/MY BEST ENEMY [映画の話でコーヒーブレイク]
前回の「未来を生きる子供たちへ」と続けてTOHOシネマズシャンテで鑑賞。 こちらは午後の回だったからか、ほぼ満席。人気のほどがうかがえます。 昔から、ヨーロッパ戦線を描く映画に登場するドイツ軍はどうしようもなく間抜けで、残虐でした。 『コンバット』は毎週楽し...... [続きを読む]

» 『ミケランジェロの暗号』 [コナのシネマ・ホリデー]
久しぶりに、ハラハラ・ドキドキする映画を観ました。実に面白い。映画ファンなら外せない作品。 [続きを読む]

» 映画・ミケランジェロの暗号 [お花と読書と散歩、映画も好き]
2010年 オーストリア原題 Mein bester Feind (英語 My Best Enemy) いつも感じることなぜ邦題になるとタイトルがこうも変わってしまうのか 暗号がメインになる映画ではなかったと思うのです 1938年、ウィーン画廊を経営する裕福なユダヤ人一家、カウフマン家新進...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 / Mein bester Feind [勝手に映画評]
第2次大戦時のウィーンで、ユダヤ人画商一家が持つミケランジェロの絵画をめぐる、ナチスとユダヤ人画商の戦いを描いた作品。 オーストリアで制作されたドイツ語の映画です。久しぶりにドイツ語を聞きましたが、英語と(ほぼ)同じ言葉は別として、それ以外は全く判りま...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [心のままに映画の風景]
1938年、オーストリアのウィーンで画廊を営むユダヤ人一族のカウフマン家は、ムッソリーニも欲しがるという国宝級 の逸品、ミケランジェロの素描を隠し持っていた。 ある日、息子のヴィクトル(モーリ...... [続きを読む]

» ■『ミケランジェロの暗号』■ ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2010年:オーストリア映画、ウォルフガング・ムルンバーガー監督、モーリッツ・ブライブトロイ、ゲオルク・フリードリヒ出演。 [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [ダイターンクラッシュ!!]
2011年10月16日(土) 19:20~ TOHOシネマズシャンテ1 料金:0円(フリーパス) パンフレット:未確認 『ミケランジェロの暗号』公式サイト TOHOシネマズのフリーパスポート鑑賞。28本目。 第二次大戦中ウィーン。画商を営むユダヤ人一家。かつての使用人の息子で家族同然に暮らしていたルディが訪ねてくる。歓待する一家の息子ヴィクトル。ヴィクトルはルディに、秘密裏に保管しているミケランジェロの絵を見せてしまう。 戦況が悪くなり、ナチスに侵攻されたウィーン。ユダヤ人財産は没収だ。ミケラ... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
窮地に陥りつつあるナチスが、イタリアと優位な条約を結ぶためにムッソリーニへ送るミケランジェロの名画を入手すべく、ユダヤ人画商と駆け引きを繰り広げるサスペンス。出演は「 ... [続きを読む]

» 映画「ミケランジェロの暗号」@TOHOシネマズシャンテ1 [新・辛口映画館]
 平日の最終回、客入りは3割くらい、年齢層は高い。 [続きを読む]

» 『ミケランジェロの暗号』 国ごとの違いは何か? [映画のブログ]
 配給会社の宣伝が、本来の作品の狙いとは別の路線で展開されるのはままあることだ。  『恋するベーカリー』なんて、まるでパン屋さんのラブロマンスのごとき邦題と、主演女優の笑顔のポスターによって、あ...... [続きを読む]

» 映画『ミケランジェロの暗号』を観て [kintyres Diary 新館]
11-59.ミケランジェロの暗号■原題:Mein Bester Feind(英題:My Best Enemy)■製作年・国:2010年、オーストラリア■上映時間:106分■鑑賞日:9月19日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)■料金:1,800円□監督・脚色:ウォルフガング・ムルンベルガー□脚本:ポ...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [迷宮映画館]
これは傑作!痛快作品。 [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号(2010)☆★MEIN BESTER FEIND [銅版画制作の日々]
 明るさと強さを持ったユダヤ人の姿に心打たれた! 評価:+3点=88点 MOVX京都にて鑑賞。ノルウエ―まだ〜むさんから、これ良いよ!とお薦めされていたので、楽しみにしていた作品でした!はらはらドキドキする場面もありましたが、なかなか面白かったですね。てっき...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [だらだら無気力ブログ!]
サスペンスだと思ったら喜劇だったのね・・・。 [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [こんな映画見ました〜]
『ミケランジェロの暗号』---MEIN BESTER FEIND  MY BEST ENEMY---2010年(オーストリア)監督:ヴォルフガング・ムルンベルガー出演:モーリッツ・ブライブトロイ、ゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウス 、マルト・ケラー第二次大戦下のウィーン...... [続きを読む]

» 『ミケランジェロの暗号』 [pure breath★マリーの映画館]
ナチス・ドイツが探し求めるミケランジェロの絵 その在りかを切り札にした、一人のユダヤ人の、危険な駆け引きの行方は? 『ミケランジェロの暗号』 監督・・・ウォルフガング・ムルンバーガー 原作・・・ポール・ヘンゲ 出演・・・モーリッツ・...... [続きを読む]

» [映画『ミケランジェロの暗号』を観た(短信)] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆我ながら、一日を存分に使っているゾ^^v  19時まで残業して、その足で、昨年、私の生活圏内では上映されていなかった作品が、多摩センターでやっていると知り、いささか仕事で疲れていたのだが、なんか、見ておかないと損しそうな雰囲気がプンプンの作品だったの...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [新・映画鑑賞★日記・・・]
【MEIN BESTER FEIND/MY BEST ENEMY】 2011/09/10公開 オーストリア 106分監督:ヴォルフガング・ムルンベルガー出演:モーリッツ・ブライブトロイ、ゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウス、マルト・ケラー、ウーヴェ・ボーム、ウド・ザメル、ライナー・ボッ...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [ゴリラも寄り道]
ミケランジェロの暗号 [DVD](2012/02/24)モーリッツ・ブライプトロイ、ゲオルク・フリードリヒ 他商品詳細を見る内容(「Oricon」データベースより) アカデミー賞外国語映画賞受賞『ヒトラーの贋札』のスタ...... [続きを読む]

» ミケランジェロの暗号 [いやいやえん]
これは面白かった〜。 裕福な画商一家の一人息子と使用人の息子という身分の隔たりがありながらも、兄弟同然に育ったヴィクトルとルディ。しかし裏には複雑な思いが秘められており、また、ヒトラーの台頭と共にふたりの友情が一転する。 ルディはナチス親衛隊で出世するために、ヴィクトルから密かに教えられたミケランジェロの絵画のありかを上官に密告してしまうんですね。一家は絵を奪われ収容所へと送られる。ヒトラーは奪ったミケランジェロの絵画をムッソリーニに贈与することでイタリアとの関係を強固なものにしようとし... [続きを読む]

» DVD:ミケランジェロの暗号 「知恵」があれば窮地を脱出可能(かも) それがホロコースト真っ最中でさえ。 [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
映画館まで行ったが、既に終了していて断念(わかりにくいぞ!某大手サイト 怒)した今作をDVDでやっと。 期待通り、スカッとした! 今年のベスト10に入ってしまうかも? なので、今更だけど こうしてアップしている。 ユダヤ人画商一族・カウフマン家が巻き込まれ...... [続きを読む]

« グリーン・ランタン | トップページ | 世界侵略:ロサンゼルス決戦 »

2023年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ