カンパニー・メン
男は強がりで見栄っ張り
頑張れサラリーマン
公式サイト http://companymen-movie.com
ボビー(ベン・アフレック)は、総合企業GTXの販売部長。年収12万ドルで、愛車はポルシェ、趣味はゴルフだった。
しかし2008年のリーマン・ショックに端を発する不況の中、大規模なリストラが敢行されて解雇されてしまった。
その後も再びリストラが行なわれ、リストラに反対していた造船部門のトップのジーン(トミー・リー・ジョーンズ)や、溶接工から重役にまでなった、勤続30年のフィル(クリス・クーパー)も解雇される。
オスカー俳優がずらりと並んだ、豪華なキャスト。
サラリーマンの悲哀が感じられます。
ある日突然、解雇された3人。
こういう事態になると、家族との関係が、彼らのその後に大きく影響しますね。
日本でも、リストラされたことを家族に話せず、毎日出勤するふりをして、公園で時間を潰す人とかテレビで見ましたもんね。
幸い、私は父や夫の失業を経験したことはありませんが、親戚には、リストラで子会社へ行かされた人や、リストラされそうになって色々大変だった人もいます。
ジーンは妻のいる自宅には戻らず、不倫相手で、会社の人事担当のサリー(マリア・ベロ)の家に同居します。
ジーンの息子は家庭を持っていますが、サリーに対して穏やかに接する様子からすると、両親の関係が冷めていたのを、ずっと知っていたのでしょうね。
解雇されたのが近所に知られないように、6時前には家に帰って来ないようにと妻に言われているフィルは、バーで酒を飲むばかり。
ボビーはすぐに以前と同条件で再就職できるものと考えていて、周囲には解雇されたのを隠し、見栄を張るばかり。
その点、ボビーの妻は現実的。家計のやりくりを考え、ローンが残っている家も売った方がいいと考えます。ボビーの息子は、両親の言い争いや家を売る売らないとの会話から、両親が離婚するのではと心配して悩んでいました。しかし父親が解雇されたと知ると、節約に協力。
なんていい妻と息子。
妻や息子の様子から、ボビーもやっと現実と向き合い、まず車を売り、次に家を売り、自分の両親の家に身を寄せます。どれも彼がしたくなかった事です。
両親をはじめ、狭い両親の家に同居でも、文句を言わない妻。幼い妹と一緒の部屋でも、父親に愚痴を言わず、父を気遣う息子。こんな家族を持っているボビーは、果報者でしょ。
そしてボビーが番したくなかったのが、折り合いの悪い妻の兄に仕事を頼む事。
多額の報酬を得ていたホワイトカラーのボビーは、ブルーカラーのジャックを見下していたようですからね。
ボビーは小さな工務店を営む妻の兄ジャック(ケヴィン・コスナー)に、プライドを捨てて働かせて欲しいと頼み、大工仕事で汗を流します。
ボビーは、ジャックも彼の窮地を助けようとしてくれているのを知ります。
こういう家族はとても大事にしなくてはね。ボビーもそれに気づき、そんな家族のために頑張ります。
CEOは、リストラを敢行しても、会社幹部の報酬を下げようなんて考えていないのよね。
会社の幹部達の収入を半分にしたら、工場でのリストラの人数を減らせるのにとか、思っちゃいますよね。
大規模なリストラをしても、役員用に豪華な設備を備えた新社屋建てようとするなんて、考えられない事ですよね。
GTXのCEOは、会社の株価を少しでも上げて、少しでもいい条件で会社を売ることしか考えていない。
会社をクビになっていても、会社の株を持ってるジーンは、ある決断をします。
フィルも家族の支えがあって、もう少し辛抱していられたら...とも思いました。
さて、もしあなたが解雇されたら、あなたの家族はどの家族?
(鑑賞日9月28日)
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今日は~。
マギーの現実を見つめた姿が良かったですね。
自分は病院で働いてて、兄が大工、ということで、
とてもバランスの良い感覚を持っているのですね。
ホワイトカラーの奥でも賢いかどうかは別なんですね。
ホント、私はどの家族だろう、、、と。。。汗。
投稿: 小米花 | 2011年10月 8日 (土) 16:22
★小米花さん
リストラ後は、それまでの夫婦関係や家族関係が、明確に露呈してしまいますね。
投稿: 風子 | 2011年10月 8日 (土) 23:20
ですよねえ。あんな素晴らしい家族!ボビーは果報者です。
だからこそ、家族のためのプライドだったんでしょうがねえ。
いろいろと思うところのある作品でした。
投稿: sakurai | 2012年1月 3日 (火) 12:50
★sakuraiさん
日本も終身雇用が崩れてますからね。
サラリーマンは大変です。
投稿: 風子 | 2012年1月 4日 (水) 17:44