50/50 フィフティ・フィフティ
27歳で癌告知
公式サイト http://5050.asmik-ace.co.jp
酒もたばこもやらずに、ラジオ局で番組制作の仕事をしている27歳の青年アダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、突然、癌の宣告を受ける。ネットで調べてみると、5年生存率は50%。
その日から、アダムの生活環境は一変。よそよそしい会社の同僚たち、看病の重圧に負けそうな恋人、同居を迫る世話焼きの母親。
今までどおりに接してくれるのは、女好きの親友カイル(セス・ローゲン)ただひとり。カイルと一緒に病気を“ネタ”にナンパしたり、新米セラピストのキャサリン(アナ・ケンドリック)のカウンセリングを受けながら日々を過ごしていたが、刻一刻と進行する病魔に、やがてアダムは平穏を装うことができなくなる。
脚本のウィル・レイサーは、25歳の時にガンの宣告を受け、その体験をもとに書いたフィクション。
レイサーの友人であるセス・ローゲンが、脚本を書くように提案したそうです。彼は、レイサーの闘病生活にも付き合ったそうですね。
アダムの周囲の人達の様子を、ユーモアをまじえて描いています。
カイルは、ナンパしてやたらとセックスさせようとします。
母親は、心配してやたらと面倒を見たがるけれど、アダムにはそれがうっとおしく、母からの電話には、たまにしか出ない。
セラピストのキャサリンは、まだ研修生の身。アダムは3人目の患者。ちょっと頼りなくてぎこちない。
でも、「親は替えられないんだから、接し方を変えなきゃ。」と言う言葉に、わたくしめも反省。
夫はアルツハイマーで話し相手にならないし、息子は滅多に連絡してこない。アダムにはうっとおしくても、母の身になってみればそれはひどいと、それとなく言うキャサリン。
恋人のレイチェル(ブライス・ダラス・ハワード)は、運転免許を持っていないアダムのために、病院への送り迎えをしてくれていましたが、次第に看病の重圧から浮気。もともと、彼女にとってアダムとの関係は、そんなに真剣ではなかった感じだものね。
癌だから、はい、さよならと言うのは薄情に思えて気がひけて、とりあえず看病すると言ったものの、想像以上に精神的にも結構大変になってしまった。
能天気にアダムに接しているように見えるカイルも、実は癌であるアダムを思いやっていることがわかるシーンには、うるっときました。
抗がん剤が効かず、癌が大きくなってきて、アダムは手術をしなくてはならなくなりました。脊髄の難しい手術で、癌でなく手術で死んでしまうかもという恐怖が、アダムを襲います。
でも、家族だからこそ吐き出せない、親しい友人だからこそ吐き出せない不安や恐怖、怒りなどの彼が抱えている本当の感情。
ジョゼフがカイルの車の運転席で叫ぶ演技が、とてもいいです。
役者さんたちの演技は皆良いですが、なんといってもジョゼフの演技が良いです。これからますます良い仕事をしてくれるのではないでしょうか。
癌の人にどう接したらいいのか、人によって違うだろうし、癌の状況によっても違うけど、1例として参考になるかも。当人の心の内を知るにも、良い映画だと思います。
(鑑賞日12月1日)
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投稿: sakurai | 2012年3月 4日 (日) 16:22
★sakuraiさん
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投稿: 風子 | 2012年3月 4日 (日) 16:41