永遠の僕たち
two of us
three of us か?
公式サイト http://www.eien-bokutachi.jp
舞台劇“Of Winter and Water Birds”の映画化
監督: ガス・ヴァン・サント
交通事故によって両親を失い、臨死体験をした少年イーノック(ヘンリー・ホッパー)。ただぶらぶらと怠惰な日常を送っている彼の唯一の友人は、彼だけにしか見えない、死の世界から来た日本人特攻パイロットの青年ヒロシ(加瀬亮)だけ。喪服を着て他人の葬式に潜り込む趣味があるイーノックは、ある葬式で、余命3ヶ月と宣告されている癌患者のアナベル(ミア・ワシコウスカ)という少女に出会う。
アナベルという少女と出会い、恋をし、彼女の死を見届け、両親を失った悲しみを乗り越える、イーノックという少年の成長の話。
青春だなあ。
とってもピュアで初々しいの。
映像もきれいでした。
撮影は、監督の故郷のポートランドだそうですね。
10代だったら、胸にキュンキュンきちゃうんだろうなあ。
「僕の初恋をキミに捧ぐ」を思い出しちゃいました。
ビートルズの“Two of Us”をバックに始まるオープニング。
地面に横たわった自分の体の輪郭を、チョークで書く様子から、彼がまだ悲しみに囚われているのがわかります。
両親を失い叔母と暮らしているけれど、事故にあった日は、叔母の授賞式に向かう途中だった。そのため、叔母を許せない。叔母は残された彼のために、全てを捨てて一緒に暮らしているというのに。
理不尽な理由だけれど、そう思わないとやりきれない気持ちもわかります。特に10代の時って、そんなものよ。
3分間死んでいたのに、自分だけが生き残った。3ヶ月も昏睡状態だったため、両親の葬式も知らない間に済んでいた。
そして昏睡状態から目覚めると、死んだ特攻隊員の日本兵のヒロシが見えるようになっていた。
アナベルは、そんなイーノックを変人扱いせず、ごくふつうに接してくれるので、イーノックは親近感を覚え、彼女と付き合い始めます。
彼女が余命3ヶ月と知っても、その時間を楽しく過ごそうとします。
アナベルが、自分の葬式の希望する演出を話すと、準備を手伝うというイーノック。
2人で楽しい時間を過ごしていたけど、いよいよアナベルの死期が迫ってくると、治ってほしい、生きてほしいと思うイーノック。
デニス・ホッパーって、5回も結婚してるのね。
4人いる子供のうち、ヘンリーは4番目の妻との子で、唯一の男の子。
繊細な少年を、とてもうまく演じていると思いました。
時々怒りや悲しみが爆発してしまう様子も、良かったです。
ミア・ワシコウスカは、少年ぽいルックスになってますね。
ガス・ヴァン・サント監督がゲイだから?
アナベルのように死を受け入れて残された日をすごすのは、現実にはなかなかむずかしいかも。
日本兵のヒロシは、なぜか英語をしゃべってる。
でも日本の特攻隊員の気持ちを、きちんと描いていると思いました。
ヒロシは、さりげなくイーノックを見守っている感じ。
イーノックを見ている、ヒロシの佇まいがいいわ。
正装して現われたヒロシに、イーノックが深々とお辞儀をする場面は涙が出ました。
イーノックの成長が感じられたシーンです。
ラストのイーノックの笑顔が、とてもよかったわ。
彼は前に進んでいけるわね。
(鑑賞日1月4日)
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90分、 2011年12月23日公開
2010,アメリカ,ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(原題:RESTLESS)
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なのだけれど、監督がガス・ヴァン・サントなので。
他人の葬式に勝手に参加する少年。
これにからむ女性、そして幽霊(なんと特攻隊員!)
この関係性が少しずつ動き出す。
最初は嫌々(笑)観ていた。
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☆これは、激烈な傑作であった。
残業を午後八時までした後、家と逆方向の多摩センターまでレイトショーを観に行き、心に、淡々と、だが大きな感動を、この作品は与えてくれた。
◇
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>青春だなあ。
ですねえ。10代の特権みたいなもんを見せられたような気がしました。
悟りきった子供たちでしたね。おばさんは暖かく見守るしか無いのですが、なんかもっとぎらぎらしててもいいんじゃないかなあとも感じました。
投稿: sakurai | 2012年3月18日 (日) 16:03
★sakuraiさん
ガス・ヴァン・サントですから、きんぎらぎんにはなりませんねえ。
美しい感じでした。
投稿: 風子 | 2012年3月18日 (日) 16:33