戦火の馬
出逢った人達に愛されて
公式サイト http://disney-studio.jp/movies/warhorse
原作: 戦火の馬 (マイケル・モーパーゴ著/評論社)
監督: スティーブン・スピルバーグ
イギリスの貧しい小作人テッド(ピーター・ミュラン)の息子アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)。父が買ったサラブレッドをジョーイと名づけ、愛情を注いで育てた。しかし小作代を払うためにジョーイは軍に売られて、軍馬として戦地へ送られ、様々な人間と出逢いと別れを繰り返す。
1982年にイギリスの作家マイケル・モーパーゴが 発表した作品が、2007年に舞台化され、2010年にその舞台を見たスピルバーグが、すぐに映画化に取り組んだそうです。
映画初出演にして、スピルバーグ作品の主役に抜擢されたジェレミー・アーヴァインは、特別イケメンではないけれど、角度や表情で、とても可愛く見える時がありますね。
馬に触った事もなかったそうですが、ひいおじいさんは第一次世界大戦に参加した陸軍兵で、馬も飼っていたんですって。
ジョーイは当然、何頭もの馬が演じたわけですが、アルバートがりんごを食べさせようとした馬は、目が一番可愛かった気がします。
自然の風景も美しかったです。
原作は未読でもラストの展開は推測できてしまいますが、それでも退屈することなく、途中はどう展開していくのだろうと、スクリーンに見入ってました。
小作人のテッドは農耕馬を買いに出かけましたが、嫌味な地主ライオンズ(デヴィッド・シューリス)に煽られて、サラブレッドを高額で競り落とします。妻のローズ(エミリー・ワトソン)は怒りますが、その馬は、生まれたときからアルバートが魅せられていた馬でした。
アルバートのお父さんは脚が悪くてアル中ですが、戦場で心身共に傷ついた人です。
アルバートはサラブレッドのジョーイに、生活のため仕方なく荒地を耕させたりしましたが、結局売らなくてはならなくなりました。
調教や畑仕事の様子で、ここまでジョーイとアルバートの絆の深さがわかる話になっています。
軍では、ニコルズ大尉(トム・ヒドルトン)の馬となります。
そしてジョーイは、スチュワート少佐(ベネディクト・カンバーバッチ)の黒馬トップソーンと仲良しに。
騎馬隊の奇襲シーンは、ものすごい馬の数で迫力がありました。
しかしニコルズ大尉は戦死し、ジョーイとトップソーンはドイツ軍に連れて行かれます。
次にジョーイが出逢ったのは、ドイツの新米兵士のギュンター(デビッド・クロス)とミヒャエル兄弟。
前線に送られる弟ミヒャエルを連れて、ギュンターは脱走します。
まさかデビッド・クロスが出演しているとは。
うれしい驚き。
しかし兄弟は、ドイツ軍に見つかってしまいます。
兄弟が風車小屋に隠したジョーイとトップソーンを見つけたのは、祖父(ニエル・アレストリュブ)と暮らす農家の少女エミリー(セリーヌ・バケンズ)。
でもそこにも長くいられず、2頭はまたドイツ軍に連れて行かれます。
苛酷な戦場で、使い捨てにされる馬達。
人間だけでなく、多くの馬も命を落としました。
ラストはわかっていても、やはり泣けてしまいました。
動物ものはやっぱり弱いわ。
ジョーイにとって都合よすぎるけど、人間の良心や優しさを信じたいではありませんか。
愚かな人間だけど、長所に希望を託したい。
連合軍とドイツ軍のノーマンズランドで動けなくなったジョーイを、両軍の兵士が助ける場面では、「戦場のアリア」を思い出したりしました。
ジョーイだけでなく、アルバートの家にいたガチョウもかわいいのよ。
アルバートが所属する隊のフライ軍曹に、エディ・マーサン。
(鑑賞日3月2日)
« ヒューゴの不思議な発明 | トップページ | ヤング≒アダルト »
「【映画】さ行」カテゴリの記事
- ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023.10.03)
- ザ・ホエール(2023.05.01)
- シャザム!~神々の怒り~(2023.03.28)
- ザリガニの鳴くところ(2022.12.25)
- ザ・メニュー(2022.12.18)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 戦火の馬:
» 映画『戦火の馬』 観てきてボロボロに泣いた~っ [よくばりアンテナ]
特に観たいわけじゃなかったんだけど、いや、時間もあったから。
そしたらもう泣けて泣けて。
めっちゃ感情移入してしまうんですよ・・・・馬に
イギリスのある農家で暮らす少年アルバートのもと...... [続きを読む]
» 戦火の馬/ジェレミー・アーヴァイン [カノンな日々]
1982年に発表されたイギリスの作家マイケル・モーパーゴの児童文学をスティーヴン・スピルバーグが映画化した第1次世界大戦下を背景にした馬と人間たちの絆を描いた物語です。短い ... [続きを読む]
» 戦火の馬 評価★★★★★100点 [パピとママ映画のblog]
マイケル・モーパーゴによるイギリスの同名小説を、「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」のスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。第一次世界大戦を舞台に、1頭の美しい馬と人間たちの出会いと別れを描く感動の戦争ドラマ。出演は、新星ジェレミー・アーヴァイン、...... [続きを読む]
» 戦火の馬 /WAR HORSE [我想一個人映画美的女人blog]
ランキングクリックしてね larr;please click
戦火の中で生き抜いた馬と少年の交流を描く
スピルバーグ監督の最新作で、先日行われたアカデミー賞で作品賞ほかにノミネート。
(ひとつも受賞はならず)
ジャパンプレミア試写にて鑑賞。
ジャパンプレ...... [続きを読む]
» 映画「戦火の馬」感想 [タナウツネット雑記ブログ]
映画「戦火の馬」観に行ってきました。
イギリスのマイケル・モーパーゴ原作の児童小説を、スティーブン・スピルバーグが実写映画化した作品。
物語最初の舞台は、第一次世界大戦前夜のイギリス・デヴォン州。
この地にある牧場?で、一匹のサラブレッドの子馬が生まれるところから物語が始まります。
子馬が生まれるま... [続きを読む]
» [映画『戦火の馬』を観た(短信)] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆第一次大戦を背景に、信頼しあっていた少年と引き裂かれた馬・ジョーイが、多くの人々との巡り合いの中で、戦場を生き抜き、少年と再会するまでの物語。
・・・と書いてみたら、意外に、この作品は「名犬ラッシー」みたいな人情ロードムービーであることに気づいた^...... [続きを読む]
» 戦火の馬・・・・・評価額1700円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
その馬は、人々の希望。
第一次世界大戦を生き抜いた一頭の軍馬(War Horse)と、数奇な運命に導かれその馬と邂逅する人間たちの織り成す物語を描いた歴史ドラマ。
マーティン・スコセッシが、デジタル技術...... [続きを読む]
» 『戦火の馬』 アメリカは壊れているか? [映画のブログ]
アメリカはずいぶん変わった。
2011年公開の『ワイルド・スピード MEGA MAX』を観て、私はそう感じた。
私の好きなアメリカ映画は、たとえば『大いなる西部』(1958年)や『大脱走』(1963年)である。
...... [続きを読む]
» 「戦火の馬」 お馬さん版「マイウェイ」、ではない [はらやんの映画徒然草]
類いまれな資質をもって生まれたサラブレッド、ジョーイ。 そしてジョーイに愛情を注 [続きを読む]
» 「戦火の馬」ゆかりの地をたずねて [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
受賞は逃したもののアカデミー賞作品賞にノミネートされた作品。
ポールは宇宙に帰っちゃったけど、「リアル・スティール」に続いて頑張っているスピルバーグ監督。
スピ監督らしい素直な感動作品は、まるで英国の素朴で美しい田園風景そのものだ。... [続きを読む]
» 戦火の馬 よく出来すぎていて感動するのをうっかり忘れかけた、ヽ`アセ(;~▼~;)アセ、ヽ` [労組書記長社労士のブログ]
【=14 -0-】 今年はどうしたんやろう、我が家、ちっとも試写会が当たらない・・・アダッ(゚...゚;)Θミ。
予告編の段階ではあまり食指が動かず試写会が当たったら見るのになという感じだったけど、評判がいいのでついつい見に行ってみた「戦火の馬」。
第一次大戦前夜のイギ...... [続きを読む]
» 戦火の馬(2011)◇◆WAR HORSE [銅版画制作の日々]
このお馬さん、演じているのかな?
評価(好き度):+10点=70点
期待度下げて観たところ、意外にもそんなに悪くなかった。いやあこのお馬さん、なかなかの演技馬です。びっくりしました。流石タイトル通り、彼が主人公かもしれません。
奇跡の馬はドラマの中だ...... [続きを読む]
» 映画「戦火の馬」子供向け?おとぎ話のような出来上り [soramove]
「戦火の馬」★★★☆
ジェレミー・アーヴィン、エミリー・ワトソン、
デヴィッド・シューリス、ベネディクト・カンバーバッチ出演
スティーヴン・スピルバーグ監督、
118分、2012年3月2日公開
2012,アメリカ,ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
(原題:WAR HORSE )
人気ブログランキングへ">>→ ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい←
「映画製作... [続きを読む]
» ★戦火の馬(2011)★ [Cinema Collection 2]
WAR HORSE
スピールバーグ監督が、今、この時代にこそ贈る‘‘希望’’の物語。
上映時間 146分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ディズニー)
初公開年月 2012/03/02
ジャンル ドラマ/戦争
映倫 G
【解説】
巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が第一次大戦...... [続きを読む]
» 戦火の馬 WAR HORSE [映画の話でコーヒーブレイク]
「戦火の馬」見に行ってきました。
見に行こうかどうか、かなり迷いました。
というのも・・・、予告編を見て涙、うるうる。
映画館で見たら号泣かも?と二の足を踏みました。
動物ものはアカーン。
古くはディズニーの「三匹、荒野をゆく」や
ジャック・ロンドン原作、...... [続きを読む]
» 映画「戦火の馬」 感想と採点 ※ネタバレあります [ディレクターの目線blog@FC2]
映画『戦火の馬』(公式)を先週平日のレイトショーで劇場鑑賞。
採点は、★★★☆☆(5点満点で3点)。100点満点なら50点にします。
ざっくりストーリー
第一次世界大戦中の英国。農家の少...... [続きを読む]
» ただ、前だけを見て~『戦火の馬』 [真紅のthinkingdays]
WAR HORSE
20世紀初頭、英国・デヴォン州。少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)
は、生まれたばかりの一頭のサラブレットに心を奪われる。父(ピーター・ミュ
ラン)が競り...... [続きを読む]
» シネトーク105『戦火の馬』●スピルバーグ、久々の会心作なのは間違いない! [ブルーレイ&シネマ一直線]
面白い映画には愛を捧げ、そうでない映画には鉄槌を下す
てるおとたくおの
ぶっちゃけシネトーク
●今日のちょい気になることシネ言
「やっぱり『はやぶさ』の映画を3本も作るこの無意味さ」
シネトーク105
『戦火の馬』
WAR HORSE... [続きを読む]
» 【映画】戦火の馬 [映画鑑賞&洋ドラマ スマートフォン 気まぐれSEのヘタレ日記]
JUGEMテーマ:洋画nbsp;平日にも関わらず、友人に誘われた勢いを借りて見に行くことにしました!! 見たかったんですが、他の作品を優先しているケースが多いため今に至ります。 この作品はアカデミー賞にノミネートされた作品でスピルバーグ監督作品す^_^ この映画の主役はあくまで馬のジョーイ。 アルバート少年が育ててたのだが、戦争がはじまり、軍馬として売られてしまい、戦争に巻き込まれてあちこちと点々とすることになる。 アルバートはジョーイに会うために戦地におもむくのである。 こんな感じですね... [続きを読む]
» 「戦火の馬」 War Horse (2011 ドリームワークス) [事務職員へのこの1冊]
かつてキャメロン・クロウはビリー・ワイルダーにこう質問した。 「ジョン・ウェイン [続きを読む]
» 映画『戦火の馬』を観て [kintyres Diary 新館]
12-25.戦火の馬■原題:War Horse■製作国・年:アメリカ、2011年■上映時間:147分■字幕:戸田奈津子■観賞日:3月14日、TOHOシネマズ渋谷(渋谷)□監督・製作:スティーヴン・スピルバーグ◆エミリー・ワトソン(ローズ・ナラコット)◆デヴィッド・シューリス(ラ...... [続きを読む]
» 「戦火の馬」 壮絶馬人生!!(゚ロ゚屮)屮 [ジョニー・タピア Cinemas ~たぴあの映画レビューと子育て]
巨匠スティーヴン・スピルバーグの待望の監督最新作 アカデミー [続きを読む]
» 【映画】戦火の馬…お利口映画ですが嫌いじゃないです。 [ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画]
先日、2013年4月5日(金曜日)に太陽光発電機の売電メーターが取り付けられ、目下売電中ですが、5日以降、天気って悪かったですねぇ…春の嵐とか言うやつで…もっと早く付いていれば結構発電していたんでしょうけど…まぁ今日は晴れているので、まずまず
近況では、他にも...... [続きを読む]
昨日、見ました。面白かったですが、割とストレートな話でしたね。
原作は82年の作品ですが児童文学だそうなのでそれでクラシックな感じなのかな。
60年代くらいの映画みたいな感じでした。
冒頭の主人公とジョーイのエピソードはちょっと冗長な感じも。
後半は第1次大戦史という感じで、騎兵、機銃、バイクや戦車、毒ガスと兵器の移り変わりを描く感じもあります。
個人的にはどうせなら飛行船や航空機も出して欲しかったですが、まあ馬が主人公ですからね。
ラストは王道の展開でさすがに盛り上がります。
投稿: きさ | 2012年3月10日 (土) 09:18
★きささん
前半冗長に感じる人も多いみたいですが、動物好きせいかそう感じなかったです。
>個人的にはどうせなら飛行船や航空機も出して欲しかったですが
メインは戦争ではなく馬がたどった道のりの話ですからね。
ラストはベタでも、素直に良かったねと思いました。
投稿: 風子 | 2012年3月10日 (土) 09:50
風子さん、こんばんは。
>ジョーイにとって都合よすぎるけど、人間の良心や優しさを信じたいではありませんか。
愚かな人間だけど、長所に希望を託したい。
本当にその通りですね~素敵なコメントです!!
弱いものをいたわる想いや健気な心に癒される気持ちがある以上、希望は失われませんよね。
投稿: オリーブリー | 2012年3月11日 (日) 19:07
★オリーブリーさん
いつの時代も、希望は消えないですよね。
投稿: 風子 | 2012年3月11日 (日) 20:41
デビッド・クロス出演!って結構大きく宣伝されたんで、てっきり彼が主人公級だと思いこんでました^^;あっさりでしたね。
いままでの様々な第一次大戦ものにいいとこどりにも見えたのですが、きっちり感動作に仕上げてたのは、スピさんだったなあと思いました。
投稿: sakurai | 2012年3月15日 (木) 19:56
★sakuraiさん
>デビッド・クロス出演!って結構大きく宣伝されたんで
あら、そうでしたか。全然知りませんでした。
感動作だし、映像もスピルバーグらしかったですね。
投稿: 風子 | 2012年3月15日 (木) 23:24
最初は外すつもりだったけど、見て良かったです。
感動しました。
ジョーイが出会う人達が、皆さん善い人ばかりで、クラシックさを感じました。
でも、馬のジョーイの演技が素晴らしかったですねっ。
あと、田園地帯の風景が素敵でした。
特にラストの夕陽を背景にしたシルエットの映像は、
ため息が出るほど美しかった。
映像が綺麗だと点数が上がります。笑
投稿: 紫の上 | 2012年3月29日 (木) 19:54
★紫の上さん
ラストの夕焼けはよかったですよねえ。
映像美はさすがスピルバーグでした。
投稿: 風子 | 2012年3月30日 (金) 10:06
TBありがとうございます。
動物好きではない僕でもそれなりに感動作でした。
途中、眠さをかなり我慢したところもありましたが(笑)
映像も音楽も含めて
スピルバーグ監督らしい映画でしたね。
投稿: Yoshimi | 2012年5月 7日 (月) 02:40
★Yoshimiさん
動物好きでない人が見ても、大丈夫なんですね。
平和が何よりと思いました。
投稿: 風子 | 2012年5月 7日 (月) 10:23