The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 ジャパンプレミア
夫の強力なサポート
公式サイト http://www.theladymovie.jp
7月21日公開
監督: リュック・ベッソン
アウンサンスーチー(ミシェル・ヨー)は、留学先のイギリスで知り合ったマイケル・アリス(デヴィッド・シューリス)と結婚し、夫と二人の息子と共に、オックスフォードで幸せな生活を送っていた。1988年、母の看病するため、久しぶりに生まれ故郷のビルマに戻ると、軍部が独裁を敷いており、学生民主化運動を武力で制圧する凄惨な光景が広がっていた。ビルマ建国の父と、死後も民衆から敬愛されるアウンサン将軍の娘の帰国を知った民主主義運動家たちは、スーチーに選挙への出馬を懇願する。不安を抱きつつも民衆を眼前にして、立候補を決意するスーチー。それは、家族と引き裂かれた辛く厳しい軍事独裁政権との闘いの始まりだった。
主演のミシェル・ヨーとリュック・ベッソン監督の舞台挨拶付きの試写会でした。
会場に着くと、並んでいる人が少なかったです。
開場になって中へ入ると、思ったとおり関係者席が半分以上。
中央の通路から後ろは、全て関係者席だし、前方はスチールカメラマンたちの席だし、一般人の席は200前後だったのかしら。
会場入り口で、マスコミプレスをもらいました。うれしいな。
伊藤さとりさんの司会で、ミシェルと監督が登場。
生で見るミシェルはとてもきれいでした。
この映画のために、10キロ減量したそうです。
脚本を読んだミシェルが、友人である監督にプロデューサーを頼んだけど、監督は脚本を読んで泣いてしまい、監督が決まっていなかったら、自分が撮りたいと言ったそうです。
ベッソン監督は、「アデル」の舞台挨拶でお茶目なのがわかっていましたが、今回も、通訳さんがミシェルの話を訳し終わると、「そうですか。」と言ったり、これからフォトセッションだと言われると、カメラの方に背を向けたり、他にも笑わせてくれました。
映画は、スーチーさん一家の様子が、大きく描かれています。
ご主人が彼女をバックアップし、彼女の活動と心の支えになっていたんですね。
舞台挨拶で監督が、タイトルは「The Lady」ではなくて、「ジェントルマン」でもおかしくないと言っていたのも納得しました。
スーチーさんもすごいですが、
夫マイケルさんがスーチーさんのために、どれだけ必死に活動し、強い意志と惜しみない愛情で、妻を支えていたかわかりました。
スーチーさんと言うと、“自宅軟禁”。
民主化のため、長年の軟禁に耐え抜いた強い女性という認識です。
私が自宅軟禁以前の事を知らなかったのは、もともと彼女が政治家ではなかったからなのね。彼女について大した知識がなかったので、この映画でそうだったのかと思いました。
イギリスで生活していた時は、普通の妻で母。母の看病のためにビルマへ帰国した時、政府による武力弾圧を目の当たりにしました。
彼女の父アウンサン将軍は1949年に暗殺されましたが、死後40年経っても祖国の英雄。民主化を求める人達が団結する旗頭が必要と、選挙への立候補を懇願されます。
政治経験の全くない彼女でしたが、祖国のためにと引き受けます。
しかしその時から軍事政権に見張られ、激しい弾圧を受けることになるんですね。
ビルマは少数民族も多いそうで、そういう人達のところへも選挙活動に行きます。
選挙活動中に、お母さんが死去。
もともと母親の看病に来た彼女は、母親の死で、イギリスに帰ると軍事政権は思いましたが、彼女は帰りません。
彼女が所属するNLD(国民民主連盟)は1990年の選挙で大勝しましたが、政府は選挙結果を無効とし、NLDの主要メンバーは投獄されてしまいます。
彼女の身の安全のために、イギリスにいる夫のマイケルは、ノーベル平和賞への候補となるよう、資料を作ったり、関係者に働きかけます。
この他にも、とにかく亡くなる直前まで、妻のために奔走しました。
授賞式には、出席できないスーチーさんの代理で、夫と2人の息子が出席。
マイケルは、ずっと家族に会えず寂しがっている妻が喜ぶだろうと、受賞スピーチは息子がするようにといいます。
ビルマの家で、必死にラジオで受賞の中継を聞いているスーチーさんに涙。
自宅軟禁状態が解かれた時期もちょっとだけありましたが、英国大使館からイギリスに電話しても、話せるのはわずかな時間だけで、回線が切られてしまうんですよ。
スーチーさんは、イギリスに帰れなかったわけではなかったんですね。
軍事政権は、スーチーをなんとかイギリスに帰国させようとします。
しかし、一旦ビルマから出国すれば、二度と入国させるつもりがないのは明らか。そうなるとこれまでの活動が無駄になる。民主化は実現できない。
マイケルが癌で余命わずかとなっても、ビルマ政府は彼の入国を許可せず、スーチーをイギリスへ行かせようと、家族と祖国のどちらを取るのかと迫ります。
もちろんマイケルも妻に会いたいですが、これまでの活動が無駄になると、絶対にビルマを離れないようにと妻に言い聞かせます。
夫婦で辛い選択をしました。
夫の訃報を聞き、泣き崩れるスーチー。
彼女の心情を思うと、こちらも
ずっとスーチーさんに会えずにいた、イギリスの夫と息子達。
ビルマで1人のスーチーさん。
家族それぞれの寂しさ、悲しさがひしひしと伝わってきます。
2010年にスーチーさんは自宅軟禁から解放されましたが、まだまだ民主化への闘いは続いています。
(鑑賞日6月26日)
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これは必見です
【ストーリー】
ビルマ(現ミャンマー)建国の勇士として亡き後も国民から敬愛されている将軍を父に持つ、アウンサンスーチー(ミシェル・ヨー)。1988年、母の看病のためにイギリスから祖国のビルマへと戻った彼女は、軍事政権が若者たちの民主主義運動を弾圧するのを目の当たりにしてショックを受ける。そんな中、民主主義運動家たちが彼女の帰国を知って選挙への出馬を訴える。彼らの切実な思いを... [続きを読む]
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2011年作品、リュック・ベッソン監督、ミシェール・ヨー主演。
ビルマの独立運動は、第一次世界大戦期から始まった。 第2次大戦中は、日本軍の支配下にあったが、その歴史は1939年、 タキン・ソー が ビルマ共産党 (CPB)を結成。 1942年、 アウンサン が ビルマ独立義勇軍 を率い、 日本軍 と共に戦い イギリス軍 を駆逐し( ビルマ戦役 の始まり)、1943年に日本の後押しで バー・モウ を元首とする ビルマ国 が建国された。
しかしその後、日本軍が敗色濃厚となっ..... [続きを読む]
やはり、軟禁状態・・ということが強い印象で、なんでポッと急に出てきたんだろう・・と思っていたのですが、映画をみて納得しました。
とっても勉強になりましたわ。
まさか監督がリュック?という意外性もありましたが。
夫が素晴らしく良かったですねえ。
デビッド、やるじゃん!でした。
投稿: sakurai | 2012年11月13日 (火) 10:02
★sakuraiさん
わたしもとても勉強になりました。
とても良い映画だったので、もっと大きく公開して、多くの人に見てほしかったです。
投稿: 風子 | 2012年11月13日 (火) 11:03
これは本当に夫の健診さが、彼女との両輪での民主化の原動力でしたね。
いきなりの病院での虐殺がショッキングでした。聖域なんてない国家というのが本当に恐ろしい。
こちらからも出来ましたらTBお願いします。
投稿: atts1964 | 2016年4月28日 (木) 22:19
★atts1964さん
こういう映画こそ多くの人に見てもらって、
現状を知ってみんなで考えてほしいですね。
投稿: 風子 | 2016年4月29日 (金) 16:11