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2012年8月28日 (火)

THE GREY 凍える太陽

生きたい理由はありますか?

The_grey

公式サイト http://www.grey-kogoeru.com

原作: Ghost Walker (イーアン・マッケンジー・ジェファーズ)

製作総指揮: トニー・スコット
監督: ジョー・カーナハン  「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」 「特攻野郎Aチーム THE MOVIE」

ならず者たちが集まるアラスカの石油採掘現場。そこで働くオットウェイ(リーアム・ニーソン)は、作業員たちを野獣から守るために雇われた射撃の名手。最愛の妻が去った後、彼は流れるようにこの場所にたどり着いた。ある日、作業員たちと共にオットウェイが乗った飛行機が、大嵐にあってアラスカの山中に墜落し、7人の男が生き残った。しかしそこは、オオカミたちの縄張りだった。

先日自殺したトニー・スコットがエグゼクティブ・プロデューサーの1人で、お兄さんのリドリー・スコットも製作に名前を連ねています。

冒頭、オットウェイは生きる希望も気力も失っていて、自殺しようとします。しかし作業員たちのいるところに獣が来て、自分ではなく獣を射殺。
その後、休暇で家族の元へ帰る作業員達と一緒に乗った飛行機が墜落。
気がつくと、オットウェイは雪原の真っ只中にいました。
生き残った男達と食料を確保し、飛行機の残骸の中で暖をとってしました。
しかし、彼らの周りには狼たちがいました。
交代で見張りを立てましたが、その一人が襲われて無残な姿に。

オットウェイは望みの薄い救助隊を待つより、林へ移動したほうがいいと提案します。
極寒の地ですから、じっとしていても凍傷になりますよね。

The_grey3

しかしここから壮絶なサバイバルが始まります。
林へ移動する間も、林に入ってからも、容赦なく狼たちは襲ってきます。
ハンターであるオットウェイは狼の生態をよく知っていて、一行のリーダー的存在になります。でも当然<反抗的な態度の者もいます。

必死に狼たちからの攻撃から逃れようとする男達。
壮絶なアクションが続きます。
断崖から川を挟んだ向かいの木に飛ぶ、決死のダイブ。
寄せ集めの物で作られたローブを張り、それを頼りに絶壁から移動。

娘や息子、養っている兄弟のため、恋人のために生き残ろうとする人。
愛する人がいる、会いたい人がいるという事は、生きようとする活力になりますよね。

一方、たとえこの窮地を生き抜いても、昼は穴掘り、夜は泥酔の日々の繰り返し。それよりは美しい景色を独り占めしたまま死にたいという人。

孤独で、楽しいと思えることもなーんにもなければ、生きる気力は湧いてこないですよね。

しかし、生きたいと思っても生きられない人もいる。運命は過酷で容赦ない。
死んでも悔いのない日と思える時に死ねるわけでもありません。

事故の現場で、亡くなった人達の財布を集めるオットウェイ。財布には家族や恋人の写真が入っているので、財布を遺族に渡そうと考えたからです。

見ていて、浅野忠信のアメリカ人のおじいさんが、幼い頃の娘(忠信の母)の写真をずっと財布に入れていたというのを思い出し、じーんと来ました。

生き残った人達も、途中で次々亡くなり、そのたびに遺体から財布を取り出して中を見るシーンが胸に迫りましたわ。

CGではなく、マイナス20度の地での撮影なので、見ているだけでも凍りつくようです。
あんな場所での撮影に耐える俳優さんたちってすごいわ。

サバイバルアクションの映画と思いきや、それだけでなく、「生きるとは」と考えさせられた映画でした。

愛する娘との事を話す高所恐怖症のタルゲットに、ダーモット・マローニー
有名俳優を使うと展開が予想できてしまうので、他はあえて、知名度の低い俳優さんたちをキャスティングしたそうです。マローニーも髭とメガネで、すぐには彼だとわからないようにしたんだとか。

こんなラストかあと、ため息が出ましたが、エンドロールのあとにワンシーンありました。
解釈は人によって違うだろうけど、希望と思いたい。

(鑑賞日8月24日)

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コメント

頼りがいのある、リーアム・ニーソンがみんなを率いて生還させるという話かと思ったら、逆の話でしたね。
妻を亡くしているニーソンは事故以前から死に魅入られていて、意識せずに死に近づいていったのでしょうか。

★きささん
鑑賞前に想像していたストーリーとは全然違いました。
生と死について、哲学的な感じでした。

訪問&TBありがとうございます。
浅野忠信のエピソード、初めて知りました。
観ていて映画とは全然違うことを連想した仲間(?)ですね。
自分は、リーアム・ニーソンの妻のことを思い出しました。

★すぷーきーさん
アメリカ人て、財布の中に写真を入れている人が多いんですね。

ニーソンは突然奥さんを亡くし、大変だったと思います。

暑さ真っ盛りでの観賞でしたが、
映像を見ると、すっかり涼しく、いや寒くなる感じでした。

想像していたストーリーとは全然違ったけど、
ただ死んだのではなく、生きること念頭にしての死に、
主人公は、良かったかな?と思いました。

観賞後、リーアム・ニーソンの奥さんの死を知って、
こういう被る作品に出演された、彼の俳優としての
凄さを知りました。

★紫の上さん
見ているほうも、凍りつくように寒々しい感じでしたね。
ニーソンの奥さんの死は、本当に突然でしたからショックが大きかったと思います。それでこの内容の出演作ですから、すごい役者さんです。

浅野忠信さんのお話って、「ファミリー・ヒストリー」ですよね。
来週、再放送だった。
私は、ジョンって名前を名乗って、これはイエスを摸したのかななどと思ったんもんで、薄目の希望です。

★sakuraiさん
浅野忠信さんのファミリーヒストリーは泣きましたよ。

ラストの解釈は見た人しだいですよねえ。

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