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2012年9月27日 (木)

天地明察

日食で白黒つけるぜ

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公式サイト http://www.tenchi-meisatsu.jp

原作: 天地明察 (冲方丁著/角川文庫)
監督・脚本: 滝田洋二郎  「陰陽師」 「おくりびと」

将軍に囲碁を教える名家に生まれた安井算哲(岡田准一)は、対局よりも星と算術に夢中になり、時間を忘れてのめり込んでしまう事もしばしばだった。ある日、会津藩主の保科正之(松本幸四郎)から、日本全国で北極星の高度を測り、その土地の位置を割り出す北極出地を命じられる。一年半の任務を終えて暦のずれが判明すると、今度は新しい暦作りの総大将に任命される。天体観測と数理解析を重ねた結果、幕府は改暦を帝に請願するのだが…。

天文学って、ロマンを感じますよねえ。
今と違って、晴れている時でなければ、太陽も月も星も観測できない。
日本各地の北極星の角度を測る作業だけでも、大変なことです。

暦にずれが生じているのを知った算哲は、比較検討の結果、中国の元の時代の授時暦がいいとするのだけど、改暦に関しては、暦を担当する公家達の反対と妨害にあいます。

算哲は日食となる日の正解率で、授時暦の正当性を証明しようとしますが、緯度と経度が違えば、日食となる日も時間も違うのを考慮していなかった。

中国で日食でも、日本で日食になるとは限りません。
日本には日本の暦が必要なのよ。

そこに気づき、またもや地道な観測と計算を続け、新しい暦の作成を試みます。
強い信念がないと、続けられませんね。

算哲の後ろ盾となっていたのは、会津藩主保科正之(中村幸四郎)と水戸光圀(中井貴一)。
それでも算哲の作った新しい暦は、またもや公家達に妨害されます。

算哲は、女性に奥手な天文オタクってところでしょうか。
碁打ちの家の出身だけど、算術も得意な理数系男子。

妻となった村瀬えん(宮崎あおい)も、多分感覚的に理数系女子だったんじゃないかしら。
この時代の女性だからそういう教育を受けなかっただけで、男だったら、お兄さんのように算術の先生をしてたかも?
そうでなければ、算哲のような夫を支えて、観測も手伝ったりしなかったと思う。
きっと理数系の男子が好きで、相性もよかったのね。

Tenchi

今年の金環日食の時に、肉眼で見ないようにとしつこく報道されていたので、映画の中で、肉眼で日食を見る宮崎あおいに、おいおいと突っ込んじゃいました。(爆)

岸辺さんと笹野さんのお笑いキャラは、さすがにうまいですね。
市川染五郎も、嫌味な公家の雰囲気が充分。
他の出演者もなかなか豪華でうまい役者さんたちだけに、囲碁の天才、本因坊道策を演じた横山君の下手さが目立ったような。

ナレーションは、真田広之さんだったんですね。

(鑑賞日9月26日)

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【映画】た行」カテゴリの記事

コメント

楽しく見ましたが、原作を読んでいるので違いはちょっと気になりました。
確かにお客さんはあまり入っていなかったなあ、やはり題材が地味という事なのか。
とにかく長い原作なのでかなりお話は整理されています。
それでも映画は2時間20分ありますが。
俳優さんはみんな良かったです。主演の二人も良かったですが、特に笹野高史と岸部一徳のコンビが良かった。
あの二人とのからみは原作ももっと泣けます。
映画も良かったのですが、原作はとても面白いです。

★きささん
この映画に限らず、長い原作を映画にするのは難しいですね。
地味な題材だけど興味ある題材なので、見に行きました。

風子さんの冒頭コピー、いつも感心します。
うまいですよねえ。
こつこつ努力型の算哲と、天才肌の孝和と、いいバランスだったと思います。
やっぱ難点は、道策??

★sakuraiさん
算哲、孝和、道策と、この時代の優秀な頭脳の人たちですよね。
歴史を知ってもらう映画かな。

集団で、見てきました。
結構原作を読んでいる人もいたけど、好評でした。
その中の一人が、原作の算哲と、岡田君の算哲のイメージが
爽やかでピッタリと話していました。
江戸時代の、人たちの教養の高さ、文化の凄さを
知りました。
諦めないで、挫折しても、挑戦する算哲の姿は、
虚無感漂う、現在の人たちに、未来を信じる事を教えてくれたような気がしました。
映画で、埋もれていた凄い人を主人公にした功績は大だと思います。

★紫の上さん
戦乱の世から泰平になって、色々な文化が花開いてくるころだったんですね。
歴史に興味を持つきっかけなる映画ですね。

なかなか地味な作品の映画化でしたね。俳優さんたちの演技で持たせないとの作品でした。
ただあの時代の天文学をつかさどっていたのが、やはりお公家さんたちで、陰湿だったのがよくわかりました(^^)
こちらからもTBお願いします。

★atts1964さん
この分野に興味がない人は、
退屈する映画でしょうね。
今でも天文学は、毎日の地道な観測と分析で、
根気のいる作業を続けていますね。

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