天地明察
日食で白黒つけるぜ
公式サイト http://www.tenchi-meisatsu.jp
原作: 天地明察 (冲方丁著/角川文庫)
監督・脚本: 滝田洋二郎 「陰陽師」 「おくりびと」
将軍に囲碁を教える名家に生まれた安井算哲(岡田准一)は、対局よりも星と算術に夢中になり、時間を忘れてのめり込んでしまう事もしばしばだった。ある日、会津藩主の保科正之(松本幸四郎)から、日本全国で北極星の高度を測り、その土地の位置を割り出す北極出地を命じられる。一年半の任務を終えて暦のずれが判明すると、今度は新しい暦作りの総大将に任命される。天体観測と数理解析を重ねた結果、幕府は改暦を帝に請願するのだが…。
天文学って、ロマンを感じますよねえ。
今と違って、晴れている時でなければ、太陽も月も星も観測できない。
日本各地の北極星の角度を測る作業だけでも、大変なことです。
暦にずれが生じているのを知った算哲は、比較検討の結果、中国の元の時代の授時暦がいいとするのだけど、改暦に関しては、暦を担当する公家達の反対と妨害にあいます。
算哲は日食となる日の正解率で、授時暦の正当性を証明しようとしますが、緯度と経度が違えば、日食となる日も時間も違うのを考慮していなかった。
中国で日食でも、日本で日食になるとは限りません。
日本には日本の暦が必要なのよ。
そこに気づき、またもや地道な観測と計算を続け、新しい暦の作成を試みます。
強い信念がないと、続けられませんね。
算哲の後ろ盾となっていたのは、会津藩主保科正之(中村幸四郎)と水戸光圀(中井貴一)。
それでも算哲の作った新しい暦は、またもや公家達に妨害されます。
算哲は、女性に奥手な天文オタクってところでしょうか。
碁打ちの家の出身だけど、算術も得意な理数系男子。
妻となった村瀬えん(宮崎あおい)も、多分感覚的に理数系女子だったんじゃないかしら。
この時代の女性だからそういう教育を受けなかっただけで、男だったら、お兄さんのように算術の先生をしてたかも?
そうでなければ、算哲のような夫を支えて、観測も手伝ったりしなかったと思う。
きっと理数系の男子が好きで、相性もよかったのね。
今年の金環日食の時に、肉眼で見ないようにとしつこく報道されていたので、映画の中で、肉眼で日食を見る宮崎あおいに、おいおいと突っ込んじゃいました。(爆)
岸辺さんと笹野さんのお笑いキャラは、さすがにうまいですね。
市川染五郎も、嫌味な公家の雰囲気が充分。
他の出演者もなかなか豪華でうまい役者さんたちだけに、囲碁の天才、本因坊道策を演じた横山君の下手さが目立ったような。
ナレーションは、真田広之さんだったんですね。
(鑑賞日9月26日)
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【出演】
岡田 准一
宮崎 あおい
松本 幸四郎
中井 貴一
【ストーリー】
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» 映画「天地明察」ご明察!その言葉が胸に刺さる [soramove]
「天地明察」★★★★
岡田准一、宮崎あおい、佐藤隆太、市川亀治郎、
笹野高史、岸部一徳、渡辺大、白井晃、横山裕、
市川染五郎、中井貴一、松本幸四郎出演
滝田洋二郎監督、
141分、2012年9月15日(公開)
2011,日本,角川映画、松竹
(原題/原作:天地明察 )
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滝田洋二郎監督は大きな勝負に出てきたな。
『天地明察』を観て一番に感じたのはそこだった。
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天地明察 MOVIX川口
太平の世が続く江戸時代、算哲(岡田准一)は碁打ちとして徳川家に仕えていたが、
算術にもたけていた。
もともと星を眺めるのが何よりも好きだった彼は、ある日会津藩主の保科正之(...... [続きを読む]
» 『天地明察』(2012) [【徒然なるままに・・・】]
冲方丁の小説は何となく題名だけは知っていたのですが、どんな内容なのかは全く知りませんでした。ただ本屋大賞を受賞したりで人気があるんだろうなあ、ぐらいに考えていたのですが、映画化が決まって予告編を見た際に、ああ面白そうだなと思ったものの、そのままにしてしまってました。
物語は江戸時代、将軍家綱の治世に始まります。これまで採用されてきた暦が正確性に欠ける為、囲碁棋士の安井算哲という人物が正しい暦の作成を命じられ、多くの協力者を得、また数々の妨害を受け、失敗を繰り返しながらも遂に新しい暦を作り上げる... [続きを読む]
楽しく見ましたが、原作を読んでいるので違いはちょっと気になりました。
確かにお客さんはあまり入っていなかったなあ、やはり題材が地味という事なのか。
とにかく長い原作なのでかなりお話は整理されています。
それでも映画は2時間20分ありますが。
俳優さんはみんな良かったです。主演の二人も良かったですが、特に笹野高史と岸部一徳のコンビが良かった。
あの二人とのからみは原作ももっと泣けます。
映画も良かったのですが、原作はとても面白いです。
投稿: きさ | 2012年9月27日 (木) 22:56
★きささん
この映画に限らず、長い原作を映画にするのは難しいですね。
地味な題材だけど興味ある題材なので、見に行きました。
投稿: 風子 | 2012年9月28日 (金) 09:12
風子さんの冒頭コピー、いつも感心します。
うまいですよねえ。
こつこつ努力型の算哲と、天才肌の孝和と、いいバランスだったと思います。
やっぱ難点は、道策??
投稿: sakurai | 2012年9月30日 (日) 08:50
★sakuraiさん
算哲、孝和、道策と、この時代の優秀な頭脳の人たちですよね。
歴史を知ってもらう映画かな。
投稿: 風子 | 2012年9月30日 (日) 09:37
集団で、見てきました。
結構原作を読んでいる人もいたけど、好評でした。
その中の一人が、原作の算哲と、岡田君の算哲のイメージが
爽やかでピッタリと話していました。
江戸時代の、人たちの教養の高さ、文化の凄さを
知りました。
諦めないで、挫折しても、挑戦する算哲の姿は、
虚無感漂う、現在の人たちに、未来を信じる事を教えてくれたような気がしました。
映画で、埋もれていた凄い人を主人公にした功績は大だと思います。
投稿: 紫の上 | 2012年10月 3日 (水) 22:36
★紫の上さん
戦乱の世から泰平になって、色々な文化が花開いてくるころだったんですね。
歴史に興味を持つきっかけなる映画ですね。
投稿: 風子 | 2012年10月 4日 (木) 13:48
なかなか地味な作品の映画化でしたね。俳優さんたちの演技で持たせないとの作品でした。
ただあの時代の天文学をつかさどっていたのが、やはりお公家さんたちで、陰湿だったのがよくわかりました(^^)
こちらからもTBお願いします。
投稿: atts1964 | 2016年5月18日 (水) 09:53
★atts1964さん
この分野に興味がない人は、
退屈する映画でしょうね。
今でも天文学は、毎日の地道な観測と分析で、
根気のいる作業を続けていますね。
投稿: 風子 | 2016年5月18日 (水) 11:26