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2012年10月 3日 (水)

チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~ (第25回東京国際映画祭プレイベント上映会にて)

忘れられない人がいる

Chickinplums

公式サイト http://chicken.gaga.ne.jp 
11月10日公開

原作: 鶏のプラム煮 (マルジャン・サトラビ著/小学館集英社プロダクション)
監督: マルジャン・サトラビ

天才音楽家ナセル・アリ(マチュー・アルマリック)は人生に絶望していた。壊されたバイオリンと同じ音色を出せる楽器は見つからない。8日後にアリは亡くなるが、それまでに彼は自分の人生を回想する。
テクニックはあるが、音楽は空っぽだと師匠に言われた修行時代。
ひと目で恋に落ちたイラーヌ(ゴルシフテ・ファラハニ)との出会い。
本物の音色を見つけ世界各地を演奏旅行で飛び回った時代。
失敗した愛のない結婚生活。
大切な母の死。
そして叶わなかった恋と観客を魅了する彼の切ない音色の秘密。

キャストに惹かれて応募したのが当たって、見に行ってきました。
マチュー・アルマリックに、イングリット・バーグマンの娘イザベラ・ロッセリーニと、

Poulet_aux_prunes27

マルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーブの娘キアラ・マストロヤンニが出演しているっていうんだもの。

Poulet_aux_prunes3

上映前に、東京国際映画祭の特別招待作品と、コンペティション部門の作品の紹介がありました。
今作は去年の東京国際映画祭で上映されたそうです。

コミックが原作だというので、マンガチックだろうとは予想して見に行ったのですが、共感できない部分が多かったせいか、全く面白くなく、眠気に襲われました。

まず、バイオリンが壊されたので新しいバイオリンを購入するのですが、バイオリニストが音色も確かめずに買うなんて、ありえなーい!!!
買って帰ってから弾いてみて、だまされたっていうなんて絶対ない!
それも2度も!

ナセルは自分の母親(イザベラ・ロッセリーニ)に言われてしかたなく結婚したのですが、実はナセルの妻ファランギースは、10歳年上のナセルを幼い頃から好きでした。それなのに、本当に彼を愛しているなら、バイオリンを壊すなんてありえないでしょ!
バイオリンなしでは、ナセルの存在意義がないじゃない。

ナセルも妻に対して愛はなくても、まだ幼い子供達には責任があるでしょ。
あまりに身勝手。まあでも、芸術家って大体エゴイストだから、しかたないのか?

死ぬまでの8日間が紹介されますが、7日目にやっと注意をひく展開が待っていました。

このあと、ネタバレ感想。

ナセルはまだ貧乏な若者だった頃、恋をしました。彼女の名はイラーヌ。

Poulet_aux_prunes2

相思相愛の仲になりますが、彼女の父親に貧乏だからと反対され、別れを余儀なくされます。

Poulet_aux_prunes4

しかし失恋が、ナセルの音色に変化をもたらします。
ついに師匠に認められ、師匠のバイオリンを譲り受けます。それが壊されたバイオリンでした。

その後のナセルとイラーヌの人生が、並行して映し出されます。
イラーヌは別の人と結婚し、子供や孫を授かります。

ナセルは20年も世界各地へ演奏旅行をして帰国すると、母親からしっかり者で教師のファランギースと結婚するように言われます。
母親に押し切られ、仕方なく結婚。

Poulet_aux_prunes26

バイオリンを壊されたナセルが、新しいバイオリンを探している時、偶然イラーヌとすれ違います。
ナセルは彼女に声をかけますが、彼女は彼を全く覚えていないと言います。
実はこれがナセルの自殺の理由でしょう。
かつて愛してずっと忘れられなかった人に名乗っても、知らない、覚えていないと言われたら、人生に絶望するのも無理はない。

それでもナセルは、身勝手な男としか思えなかったけど。

しかしナセルは、イラーヌの本心を知らないまま死んでしまった。
実は、「彼女はナセルの事を忘れてなどいなかった。彼女の心の中にもずっと彼はいた。

7日目で切ないふたりのラブストーリーとなるのですが、この部分だけの物語にしてしまうと、あまりに陳腐なラブストーリーすぎるかしらね。

(鑑賞日9月29日)

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コメント

なんとも不思議な作品でしたね。
わがまま勝手な人ばっかりで、とてもじゃないが、共感とか、普通の物語じゃ考えられない。
ですが、画面はなかなか目を見張りました。

★sakuraiさん
切ないラブストーリーだけど、
共感できない部分が多すぎてだめでしたわ。
映像は面白かったです。

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