声をかくす人 (試写会)
不当な裁判
公式サイト http://www.koe-movie.com
10月27日公開
実話に基づく映画
製作・監督: ロバート・レッドフォード
南北戦争終結から間もない1865年のワシントンで、リンカーン大統領が暗殺された。有名な俳優だった主犯のジョン・ウィルクス・ブースは逃亡中に射殺され、共犯者達も次々と逮捕される。その中の1人に、南部出身で、夫を亡くした後二人の子どもを育てるために、下宿屋を営んでいたメアリー・サラット(ロビン・ライト)もいた。フレデリック・エイキン(ジェームズ・マカヴォイ)は、元司法長官のジョンソン上院議員(トム・ウィルキンソン)から、彼女の弁護を頼まれる。元北軍大尉で英雄と称えられるフレデリックは、大多数の北部の人々と同じく、犯人に怒りと憎しみを抱いていたが、「彼女には弁護を受ける権利がある」と主張するジョンソン議員に強引に押し切られ、渋々弁護を引き受ける。
ロバート・レッドフォードの実力と人徳なのか、ベテランから若手まで、見たことある俳優さんが何人も。
陸軍長官 ケヴィン・クライン
メアリーの娘 エヴァン・レイチェル・ウッド
検事 ダニー・ヒューストン
フレデリックの恋人 アレクシス・ブレデル
フレデリックの親友 ジャスティン・ロング
暗殺犯のひとりに、ノーマン・リーダスもいました。
リンカーンが暗殺された夜、実は他にも政府の高官たちが襲撃されていたんですねえ。
犯人たちはすぐさま追跡され、逮捕されました。
彼らは民間人なのに、法廷裁判ではなく軍法会議にかけられました。
裁判官や判事たちは、故リンカーン大統領と親しかった者や側近たち。
被告たちに有罪判決が下るのは、始まる前から決まっているも同然。
渋々メアリーの弁護を始めたエイキンですが、証拠を検証していくとメアリーの罪状に疑問を持ち始めます。審議が進んでいくと、検察側は被告に有利な証拠を強引に潰していきます。
実は、主犯のブースらと親しくしていてたメアリーの息子ジョンが、どこかに匿われていて、まだつかまっていないのです。
陸軍長官にとっては、ジョンでもサラでも、どちらかが処刑されればいいのです。
陸軍長官は、とにかくリンカーン暗殺事件に早く決着をつけたい。
不当な裁判であることは承知の上なのです。
犯人達の刑が早く確定して執行されないと、いつまでも北部人が南部に復讐心を抱くし、南軍の残党も、さらなる行動を起こすかもしれないからです。
サラの息子が逮捕されていれば、サラは逮捕される事もなかったのかもしれません。
エイキンは他の北部人と同じく、暗殺犯たちを憎んでいますが、同時に、公正な裁判で彼らが裁かれないことに、憤りを感じていきます。
しかしメアリーの弁護をすることで、エイキンはかつての仲間達から反感を買います。
不当な裁判と言うと、「サルバドールの朝」を思い出します。
もしかしたら公正な裁判を受けても、彼は有罪だったかも知れないけれど、不当な裁判で下された判決には納得いきませんよね。
エイキンも、有罪でも無罪でも、とにかく正当な裁判で裁かれるべきであると強く思うのです。どんどん彼に感情移入していく展開でした。
敬虔なカトリック信者で、凛としたメアリーを演じたロビン・ライトもよかったですが、マカヴォイさんがすごくよかったです。
この人の演技って、なんかひきつけられちゃうの。
(鑑賞日10月19日)
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【出演】
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ロビン・ライト
ケヴィン・クライン
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本当にマカちゃんの演技には、ひきつけられますよね。
見入ってしまう。納得の一本でした。
>不当な裁判であることは承知の上なのです。
みんなわかってるはずなんですよね。
でも正義を貫けない勇気のなさが悲しい。
投稿: sakurai | 2013年2月19日 (火) 14:22
★sakuraiさん
裁判て、正義ってなんだろうと考えてしまいますぅ。
投稿: 風子 | 2013年2月19日 (火) 16:29