ペイド・バック
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イスラエル映画「Ha-Hov」のハリウッドリメイクで、監督は「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン。
オリジナルは「ザ・デット ~ナチスと女暗殺者~」というタイトルで、12月5日DVD発売予定です。
本作は「キリング・フィールズ 失踪地帯」より前に撮られた作品みたい。
こっちを日本で公開してほしかったわ。
おすすめの作品です。
現在と過去の両方にスリリングなサスペンスがあるし、複雑で切ないラブストーリーも織り込まれてた。
ジェシカ・チャステインは、今まで見た中で、一番演技力を感じる作品だった。
どの場面でも、本当に良かったです。
ベテランのオスカー女優、ヘレン・ミレンはもちろんだけど、サム・ワーシントンもいいのよ。
サムは「ターミネーター4」と「アバター」でメジャーになったから、アクション物の出演が多いけど、繊細な心情を表現できる俳優だと思っているの。だから、こういうシャイで不器用な青年役がすごくいい。
物語は1965年と1997年。
現在のレイチェル ヘレン・ミレン
過去 ジェシカ・チャステイン
現在のデイヴィッド キアラン・ハインズ
過去 サム・ワーシントン
現在のステファン トム・ウィルキンソン
過去 マートン・ソーカス
レイチェルの娘サラが、本を出版した。
その内容は、彼女の母レイチェル、父ステファン、そしてデイヴィッドの3人が1965年に果たした任務。
モサドの工作員だった3人は、第二次大戦中、収容所でユダヤ人に残忍な人体実験を行なった外科医で、今は偽名を使って産婦人科医として東ベルリンにいるナチスのヴォーゲルを裁判にかけるため、彼を誘拐し、イスラエルへ連れてくる任務を命じられた。
しかし3人が捕らえたヴォーゲルは、逃亡を試みてレイチェルに射殺された。ヴォーゲルを連れ帰ることには失敗したものの、悪魔に正義の鉄槌を下した3人、特に顔に大きな傷を残すことになったレイチェルは英雄となった。
でも実は、3人は大きな秘密を抱えていた。
それが、デイヴィッドの自殺とかかわってきます。
東ベルリンでは、デイヴィッドとレイチェルは夫婦を装い、レイチェルはヴォーゲルの診察を受けます。
憎んであまりある相手に、婦人科の診察を受ける彼女の心情を、チャステインがとても良く表現しています。診察台にいる彼女の仕草や表情が見事。
そして、東ベルリンで同居しているモサドの3人の恋愛感情。
デイヴィッドはレイチェルに惹かれていますが、任務中に恋愛関係になるのを避けます。
レイチェルもデイヴィッドを好きだけど、ステファンと関係を持ち、そして妊娠してしまいます。
レイチェルにキスしようとしてやめてしまう時と、監禁しているヴォーゲルからレイチェルの妊娠を知らされた時の、サムの演技がいいですね~~。
レイチェルとデイヴィッドは怒りを抑えながら、ユダヤ人を物扱いしたナチスと違い、ヴォーゲルを物扱いしないように努めますが、それでもヴォーゲルの言葉に怒りを爆発させてしまう時のサムもいいですぅ。
レイチェルは戦争で母を失ったけど、家族が誰もいないというデイヴィッドも、戦争で家族を全て失ったのではないかと思われますね。
拉致監禁したヴォーゲルを連れて、列車で東ベルリンから西側へ脱出する予定でしたが、運悪く失敗してしまいます。仕方なくアパートで再び脱出の時期を待ちますが、レイチェルがヴォーグの見張り番をしている時に、ヴォーゲルが逃亡をはかります。この時、逃亡を阻止しようとレイチェルは彼と格闘になりましたが、逃げられてしまい、顔には大きな傷が残りました。
野心家のステファンは、ヴォーグに逃げられた事実を隠蔽しよう言い出します。
そして3人は、その秘密を30年間抱えることになりました。
子供ができたレイチェルはステファンと結婚しますが、彼との結婚生活がうまく行くはずもなく、離婚にいたります。
ステファンは車に仕掛けられた爆弾で、車椅子生活になりましたが、現在はモサドの長官。
東ベルリンで逃げたヴォーゲルが、現在キエフの病院にいて、新聞記者が彼の話を記事にしようとしているという情報を得たステファンは、レイチェルに彼の始末を命じます。
娘一家のために、ベルリンでの事実を明らかにしたくないレイチェルは、仕方なくキエフへ向います。
現在のレイチェルもスリリングでハラハラし、読めない展開でした。
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風子さん、はじめまして。
いつもTBありがとうございます。
風子さんのブログ、楽しく拝見していますが
コメントさせていただくのは初めてです。
この作品も、風子さんのこちらの記事で知って
見てみたい!と借りてみました。
上質のサスペンスで、私はとっても気に入りました。
これからもお勧めの作品、いろいろご紹介くださいね☆
投稿: セレンディピティ | 2012年11月14日 (水) 12:17
★セレンディピティさん
このブログがきっかけで鑑賞いただいたとは、
大変うれしいです。^^
ラストのヘレン・ミレンの場面も、
サスペンスとしてとてもうまく構成されていると思いました。
投稿: 風子 | 2012年11月14日 (水) 15:32