« 今年はブルース・ウィリス祭りか? | トップページ | マリーゴールド・ホテルで会いましょう »

2013年2月 3日 (日)

人生、ブラボー!

命を与えてくれた人

Starbuck

公式サイト http://jinseibravo.com

父親の精肉店で運送係をしている42歳の独身男ダヴィッドは、気ままでだらしない生活を送り、多額の借金の取り立てに追われ、妊娠した恋人のヴァレリーにも、自分ひとりで子供を育てると宣言される始末。そんな彼の元に弁護士が現れ、過去に行なった693回の精子提供で、533人の子供が誕生し、その内の142人が、精子提供者の身元開示を求める訴訟を起こす予定だと告げられる。最初は匿名を守るため、友人の弁護士と裁判の準備を始めるが、その子供の中に、自分が応援するプロサッカーチームのスター選手がいた。それをきっかけに、ダヴィッドは遺伝子上の子供たちに興味を持ち始め、身元を隠して彼らを逆訪問する。

とってもハートフルなコメディー。
すごく暖かい愛情が感じられました。
笑って泣けて、楽しくてほんわかできました。
子供たちがいいのよ~~。

ドリームワークスがリメイク権を獲得し、本作の監督ケン・スコットが、ハリウッド版の監督と脚本も担当するそうです。

原題の“STARBUCK”は、世界中に20万頭の子供がいるカナダの超優良種牛の名前に由来。

「テッド」と同じく、主人公はダメ中年男。
とりえは心根が優しい事だけ。
家族経営の精肉店でも、配達係しかさせられないダメな奴という扱い。
こういうダメ男に、なぜまともな恋人がいるのかは疑問だけどね。

主人公の恋人は婦警なのよ。
妊娠を告げたときのダヴィッドの反応から、やっぱりこいつは父親として必要ないとヴァレリーは即決。ま、これは当然ね。

精子提供でできた子供たちから、身元開示の裁判を起こされたダヴィッドは、友人の弁護士に相談。

Starbuck6

訴えを起こした子供のプロフィールを1枚見たら、なんと有名プロサッカー選手。
気をよくしたダヴィッドは、他の子供たちの資料も見て、彼らをこっそり訪ねます。

俳優志望のコーヒーショップ店員、同性愛の男の子、路上ミュージシャン、プールの監視員、ヤク中の女の子、障害児と様々。
でもダヴィッドは、彼らの人生を応援しようとします。
その様子が笑えるし、ダヴィッドの優しさがわかります。
そしてダヴィッド自身も、しっかり生きようと変わっていきます。

彼らと接するうち、名乗り出ようかと考えますが、その矢先、裁判の事がマスコミのネタに。
世間は「スターバック」という仮名の精子提供者を変態扱いします。

それと、名誉毀損で病院を逆告訴すれば、多額の慰謝料を請求できると弁護士から言われると、多額の借金返済を抱えるダヴィッドは迷います。

ヴァレリーを家族の食事会に呼んだ席の父親の話で、なぜダヴィッドがそんなに精子提供をしたのか、精子提供で得たお金を何に使ったのか、観客にだけわかります。
その事から、ダヴィッドの唯一のとりえである優しい心根がよくわかるのです。

遺伝子上、訴えを起こした子供たちは異母兄弟姉妹ですよね。
彼らは裁判を通じて、次第に仲良くなります。
その様子も元気いっぱいでよかったです。

Starbuck3

↑病院でのこの場面がよかったなあ。
ヴァレリーとの子供を見る様子も、ほほえましかった。

訴えを起こした子供たちは、世間のように彼を変態だなんて思っていない。

Starbuck5
↑俳優志望の男の子がイケメンでしたわ。

(鑑賞日2月1日)

« 今年はブルース・ウィリス祭りか? | トップページ | マリーゴールド・ホテルで会いましょう »

【映画】さ行」カテゴリの記事

コメント

訪問&TBありがとうございます。
冒頭のシーンで引いてしまいましたが、その後はぐいぐい引き込まれました。
みんないい人でしたね~。
役名がない人(弁護士、スターバック・チルドレン代表)もいい味でした。
なぜダヴィッドのようなダメ人間に、ヴァレリーのような美人でまともな恋人ができるのか謎ですね。(笑)

★すぷーきーさん
子供たちは、ダヴィッドの優しさを受け継いでいるのかも。

これ面白いのに観てる人が少ないです・・・
気持ちよく泣けて笑える良質の娯楽映画なんですけどね。
しかしハリウッドでリメイクする様な話でも無い様な(゚_。)?

★ノラネコさん
上映館が少ないんですよね。
いい気分で映画館を出られる映画でした。
興行収入の取れそうな娯楽作は、ハリウッドが手を出すんですよね。
これはカナダ映画でもセリフが英語ではないので、リメイクしちゃおうってかな。

「命を与えてくれた人」

いい言葉ですね。
そう、彼らにとっては
たとえ、そのきかっけがどうであろうと、
この「命を与えてくれた人」なんですよね。
こういう「人間っていいな」が大元にある映画は大好きです。

★えいさん
大勢の子供たちにこんな風に思ってもらえるダヴィッドは、とても幸せですね。

反応遅くなりました。
さすがに忙しいGWです。
24,5っていうと、ちょうどウチの娘くらいかなあ~。
このたび、結婚が決まったもんで、親父じゃなくて、母の感慨です。
母の不在がちょっとだけ気になりましたが、あったい気持ちになる、いい映画でした。
そっか、牛の名前だったのか!なるほどです。

★sakuraiさん
お嬢さんのご婚約、おめでとうございます。

気分よく映画館を出られる映画でした。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人生、ブラボー!:

» 『人生、ブラボー!』。 ※ネタバレ有 [〜青いそよ風が吹く街角〜]
2011年:カナダ映画、ケン・スコット監督&脚本、マーティン・プティ脚本、パトリック・ユアール、アントワーヌ・ベルトラン、 ジュリー・ルブレトン、サラ=ジャンヌ・ラブロッセ、パトリック・ラブ、マーティン・プティ出演。... [続きを読む]

» 人生、ブラボー! [すぷのたわごと。]
『人生、ブラボー!』を観に行ってきました。 フランス語で喋るカナダ映画。 原題の『STARBUCK』は、世界中に20万頭以上の子供がいるカナダの超優良種牛の名前に由来するらしい。 某コーヒーチェーン店は関係ないらしい。(笑) 1988年、小さな部屋、エロ本、プラスチック容器…。 2011年、42歳のダヴィッド・ウォズニアック(パトリック・ユアール)は、父親の経営する精肉店で配達を担当していた。 遅刻や店のトラックを私用で使ったり、8万ドルの借金を抱え返済のために自宅で大麻を栽培し..... [続きを読む]

» 『人生、ブラボー!』 [ラムの大通り]
(原題:Starbuck) ---- あれれ、いつの間にか 『ホビット 思いがけない冒険』始まっちゃったね。 でも、この映画を喋るの? 「そう。 このごろ忙しくて、 なかなかブログにまで手が回らなくて…。 あまり自分が乗り気じゃない映画はどうしてもね。 『ホビット』に関...... [続きを読む]

» 人生、ブラボー!・・・・・評価額1600円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
ダメ男、世界一のパパになる。 若き日に精子ドナーとなった事で、ある日突然自分に533人の子供がいる事を宣告された男の、ちょい普通でない日々を描いたフレンチ・カナダ発のユーモラスなヒューマンドラマ...... [続きを読む]

» 人生、ブラボー! [シネマ日記]
予告編を見て面白そうだったので行きました。42歳のダヴィッドパトリックユアールは若いときに小遣い稼ぎのため、693回の精子提供を行いその結果533人の子の父親になっていた。彼がそれを知ったのはそのうち142人の子どもたち(年齢的にちょうど青年期の子たちばかり)が...... [続きを読む]

» 人生、ブラボー! [ダイターンクラッシュ!!]
2013年2月1日(金) 19:30~ チネ10 料金:1000円(映画サービスデー) パンフレット:未確認 愛すべき駄目男、第二弾 『人生、ブラボー!』公式サイト フランス語を喋るのに、通貨がドルだ。 何なんだよ?と思っていたら、舞台はカナダのケベックだった。 若い頃金稼ぎのため、600回超も精子提供をした、修士ベーションことダヴィッド。 ある日、遺伝子上の息子娘500超のうち150人くらいから集団訴訟を起こされる。 すべての人間と仲良くできるのでないかと思わせるハートウォーミングな作... [続きを読む]

» 『人生、ブラボー!』子だくさんで、いいじゃない!? [Healing]
人生、ブラボー! ★★★★4.5 このいのちを分け合ったとき ブラボー!と思えるに違いない あったかな気持ちになる、とても心地よい映画です。 スピルバーグのドリームワークスでハリウッドリメイクも決まっているそうですが、それはどうでもいい、というか、 要は、それほど面白いということで。 トロント国際映画祭2011をはじめ、各国の映画祭で “観客賞”を獲得してい... [続きを読む]

» 人生、ブラボー! [とりあえず、コメントです]
生物学上533人の子供の父親になっていたと知った男が主人公のハートフルなコメディです。 これは大らかなコメディだなあ予告編を観た時から楽しみにしていました。 カナダのケベックを舞台にした物語は、やっぱり大らかな展開が可笑しい物語でした。 ... [続きを読む]

» 人生、ブラボー [だらだら無気力ブログ!]
暖かい気持ちになれる一本。 [続きを読む]

» 痛快ビックリダディ ケン・スコット 『人生、ブラボー!』 [SGA屋物語紹介所]
ひところ「幸せ」とつく邦題の映画が多かったですが、最近「人生」とつく映画もまた多 [続きを読む]

» 人生、ブラボー! ★★.5 [パピとママ映画のblog]
過去に行った693回の精子提供を通して、ある日突然、533人の子どもの父親であることが発覚した男が巻き込まれる事態を、笑いと涙を交えて描くハートフルドラマ。 過去に「スターバック」という仮名で693回の精子提供を行い、その結果として生まれた533人の父親であること...... [続きを読む]

» 人生、ブラボー! [迷宮映画館]
スターーーバアアアック!! [続きを読む]

» 人生、ブラボー! STARBUCK [映画の話でコーヒーブレイク]
このタイトル、ちょっと前に見たイタリア映画「人生、ここにあり!」と似ていた為か、イタリア映画だと 思い込んで見始めところ…あれ、フランス語?ってことはフランス映画? でも、雰囲気がフランスっぽくないな〜…。 途中で、やっとカナダ映画であることに気が付き、納...... [続きを読む]

» 「人生ブラボー」、精子提供した子供に訴えられて [ひろの映画日誌]
おススメ度 ☆☆      コメディ好き ☆☆☆ カナダ・ケベック州作品。まあ、二日続けてケベック映画とは、これ偶然。 冒頭、若かりし主人公が、精子提供するシーンが、じつはこれでもうひいてしまった。 その後は、精子提供して生まれた子供から、提供者の身元を明か...... [続きを読む]

» 人生、ブラボー! [いやいやえん]
693回の精子提供ってやりすぎじゃないかと思うんだけれど、その理由は病気の母親に夢のイタリア旅行をプレゼントするためによるもの。 典型的なダメ男が、自分の精子から生まれた遺伝子上の子供たちと触れ合う事によって父性を取り戻し人生が前に進んでいくという作品。 これはなかなか良かった〜。有名サッカー選手が子供の一人だったことから、一人ずつ、密かに見守っていくのですよね(全員は無理です)。 スターバックという偽名を使っていたのですが、その訴訟集会に知らず乗り込んでの「愛してる、君たちは兄弟だ、... [続きを読む]

« 今年はブルース・ウィリス祭りか? | トップページ | マリーゴールド・ホテルで会いましょう »

2024年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ