ジャンゴ 繋がれざる者

奴隷制度を描いたマカロニウエスタン



公式サイト　http://www.django-movie.jp

監督：　クエンティン・タランティーノ

１８５８年、賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)は、お尋ね者のブリトル三兄弟の顔を知る黒人奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)を見つけると、彼の鎖を解き放ち、三兄弟の追跡に繰り出す。その後ジャンゴの腕を見込んだシュルツは、彼を賞金稼ぎの相棒にして、次々とお尋ね者たちの始末に成功する。そして奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を捜す目的のあったジャンゴは、農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところに妻がいることを突き止める。

※エンドクレジットのあとにワンシーンあり

タランティーの監督が「イングロリアス・バスターズ」のプロモーションで来日中、日本で買ったマカロニウエスタンのサントラを聞いていた時に、ストーリーを思いついたという本作。

オープニングの曲は、いかにも昔の西部劇風だなあと思いました。
それもそのはず、マカロニウエスタン「続・荒野の用心棒」の主題歌なんですってね。



しかもその映画の主人公の名前がジャンゴ。そしてその主演のフランコ・ネロが、本作にも出演している。



バネッサ・レッドグレイブのだんな様って、マカロニウエスタンに出てたのかあ。

本作には、昔のマカロニウエスタンや「マンディンゴ」と言う映画など、色々と取り入れられているらしい。

激しい暴力描写があるので、Ｒ１５ですね。
見ているのがきついシーンも多々ありました。
タランティーノ監督らしい、復讐と愛の物語。

綿花が血しぶきに染まる絵は、なかなかいいですね。

マカロニウエスタンのスタイルだけど、舞台となるのはアメリカ西部ではなく南部のミシシッピー。
でもって、主役は今までの西部劇では考えられない黒人。
そしてアメリカが描きたがらない、奴隷制度の様子がバンバン出てくる。

黒人奴隷がひどい扱いを受けていたのはこれまで見た映画にもありましたが、奴隷同士に殺し合いの試合もさせていたのは知りませんでした。古代ローマのような事が、１９世紀にも行なわれていたなんて。
慰安奴隷なんていうのもあったのね。

ブルームヒルダはドイツ人農園主の奴隷で、女主人からドイツ語を習ったという設定。彼女の名前は、ドイツに伝わる有名な伝説のヒロインの名前。勇者ジークフリートに救出される王女なんだとシュルツはいう。
ま、この話で、ジャンゴはその勇者と同じく、妻を救出するのは確定的。いつどういう方法なのかに興味がいきます。

奴隷制度を嫌悪するドイツ人のシュルツは、黒人のジャンゴを差別扱いしない。しかし南部の人間たちは、馬に乗るジャンゴを見ただけでびっくり仰天。

レオが演じる農園主キャンデイはフランスかぶれで、自分の事をムッシュ・キャンディと呼ばせているくせに、フランス語はできない。
非道で残虐な暴君で、「仮面の男」のルイ１４世と似たようなキャラね。



撮影中、割れたグラスで手を切ってしまい、血だらけになるハプニングあったけど、そのまま演技を続けたというレオ。さすがだわあ。
映画にはそのまま使われているの。

サミュエル・Ｌ・ジャクソンは、キャンディの農園の奴隷頭。
自分を黒人と思っていなくて、キャンディを操ってもいて、実質農園の支配者ね。
すっごく嫌なじじいを好演。

監督自身も、出演していました。

エンドクレジットの後のセリフに同感。
私が彼らだったら、同じ事を思うわよ。

ところで、ジェィミー・フォックスはレオと服のサイズが同じだったの？(爆)

(鑑賞日３月１日)