リンカーン
憲法修正案を可決せよ
公式サイト http://www.foxmovies.jp/lincoln-movie
原作: Team of Rivals:The Political Genius of Abraham Lincoln (ドリス・カーンズ・グッドウィン)
監督: スティーブン・スピルバーグ
1865年、南北戦争は4年目に突入していた。大統領に再選されたエイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)は、奴隷制度の撤廃を定めた合衆国憲法修正第13条の成立に向け、国務長官ウィリアム・スワード(デヴィッド・ストラザーン)らと共に、必要な票を獲得するための議会工作に乗り出す。
一方家庭では、子どもの死などで心に傷を抱える妻メアリー(サリー・フィールド)との口論は絶えず、長男ロバート(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、親の反対を押し切って北軍に志願する。
リンカーンの生涯の中で、議会での法案可決に焦点を絞った本作。
重厚なドラマで、政治の駆け引きの様子がよくわかりました。
オスカーを受賞したダニエル・デイ=ルイスは言うまでもなく、ベテラン勢の演技力はさすがですが、映画として面白いという感じではなかったわ。
アメリカでは州によって法律が違うので、奴隷制度の廃止をなんとしても憲法に定めたいリンカーン大統領。
まずは共和党議員全員に賛成票を投じてもらわないといけない。しかし共和党議員全員の賛成が得られても下院では可決できないので、民主党議員に賛成票を投じさせるべく、裏工作に取り掛かります。
南北戦争は早く終わらせたいが、終わってしまうと修正案の可決は無理。
なんとしても、終戦より先に法案を可決したいリンカーン。
ジレンマですねえ。
大勢が死んでいる南北戦争だけど、自分の息子は死なせたくない。
幼い息子を病気で亡くしているリンカーンは夫妻は、長男の入隊には反対。それでも長男が入隊してしまうと、グラント将軍付きとして配属。前線の兵士じゃすぐに戦死しちゃうものね。
ルーカス・ハースも、北軍の兵士で出演していました。
本作では、家庭でのリンカーンの様子も描かれているけど、心休まる場ではなかったようで気の毒ね。
息子を亡くした夫人も、精神的にそばで支えてくれる人がいなかったのは不幸ね。夫は大統領だもの。国の情勢からして、家庭に重点を置けないわよ。
奴隷制度の廃止だけでなく、人種は平等と考えている、共和党の急進派スティーブンス議員(トミー・リー・ジョーンズ)。
いきなり10歩前進は無理なので、とにかく最初の一歩をと、苦渋の決断をしたんですねえ。
リー・ペイスは、奴隷制度賛成派の民主党議員で出演していました。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットは早い順番で大きな文字で名前が出て、ん~~、出世したわ~なんて思って見ていたら、ジェームズ・スペイダーの名前も。
え~~~っ、どこに出てた?!と、エンドクレジットのキャストを見たら、ビルボ役!
映画で見たのはかなり久しぶりだと思うけど、いつの間にこんなになったの?
彼が主役の「スターゲイト」は大好きな映画。
顔は私好みじゃないけど、ハンサムだったはず...
調べたら、もう50代なのね。
それにしても、唖然。
映画の内容よりも、彼の容貌の変化に一番衝撃を受けました。(爆)
(鑑賞日4月19日)
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リンカーンて家庭では結構大変だったんですよね。
おじいちゃんはインディアン戦争で殺されちゃうし、両親はそのおかげで貧しくて、映画に出てきた小さな男の子もお父さん暗殺された後に死んじゃうし。
でもそんな環境だったからこそ、優しくて、芯の部分でぶれない人格が形成されたのかもしれないですね。
秀作でした。
投稿: ノラネコ | 2013年4月22日 (月) 22:21
★ノラネコさん
信念を貫こうとする、確固たる強さを感じました。
投稿: 風子 | 2013年4月23日 (火) 09:40
こんにちは♪
ダニエル・デイ=ルイスの演技は本当に素晴らしかったですね。
映画としての面白さというより観ておくべき映画という感じでした。
投稿: yukarin | 2013年4月23日 (火) 12:57
★yukarinさん
ダニエル・デイ=ルイスのなりきり度はすごいですよねえ。
リンカーンの苦悩がよくわかり、歴史の勉強になりました。
投稿: 風子 | 2013年4月23日 (火) 14:41
いつも ありがとー♫
早くdvd出ないかな...早く観たいな^^
トミー・リー・ジョーンズの
カツラ姿...笑えない?
投稿: ジンクル | 2013年4月24日 (水) 21:02
★ジンクルさん
見たいのはトミー・リー・ジョーンズのカツラ姿なんですか?(笑)
投稿: 風子 | 2013年4月24日 (水) 23:36
実は私も、この映画の一番の衝撃はスペイダー!
ビルボを見てて、この人見たことあるけど誰だっけ?ってずっと思いながら・・・。
結局わからず、エンド見て、おおおおお!!!!!って思った。
びっくりでした。
何と言っても「セクレタリー」がお気にいりだったんですがねえ~。
と、映画とはさっぱり違う感想ですいません。
スピルバーグのマジメバージョンの作品、勉強になります。
決して、面白くはないですがね。
投稿: sakurai | 2013年5月 4日 (土) 22:28
★sakuraiさん
やはり、スペイダーは衝撃でしたか。
歴史の教科書になる映画でした。
投稿: 風子 | 2013年5月 4日 (土) 23:58
こんばんは~。
まだ「リンカーン」アップしていないのですが、風子さんの記事を読ませていただき思わずコメントさせていただきます。
というのも…ジェームズ・スペイダー。
私も彼が出演していたって全くわかりませんでした。
TVドラマでかなり横に貫禄が付いたのは知っていましたが、気付けなかったことにショック!です。
そして、私も「スターゲイト」のファンです。面白かったですよね。
当時の彼は「スターゲイト」以外は嫌な奴という役が多かったのでイメージがいま一つでした。なんだかすっかり丸くなって・・・アルバート・フィニーの変貌ぶりと似ています。
私も映画と関係のないコメントになってしまいました。
投稿: ryoko | 2013年5月16日 (木) 01:12
★ryokoさん
スベイダーをしばらく見ていなかったので、こんなになっているとは全く知りませんでした。
いつ頃からこんな風に変貌していたのでしょうか。
投稿: 風子 | 2013年5月17日 (金) 21:54