ヒッチコック
夫の才能を信じて支え続けた賢妻に感謝を
公式サイト http://www.foxmovies.jp/hitchcock
1959年、新作「北北西に進路を取れ」が評判となる中、さっそく次回作へ向け誰もが驚く映画の企画探しを開始したアルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス)。やがて、実在の殺人鬼エド・ゲインをモデルにした小説「サイコ」に心を奪われ、映画化を決意する。しかし、その陰惨な内容に映画会社は二の足を踏み、出資を拒否する。それでも諦めないヒッチコックは、ついに自宅を担保に自己資金での製作に乗り出す。
ヒッチコックの映画は結構見ているけど、製作された順番や監督の私生活については知りませんでした。
「サイコ」製作の裏側を描いた本作は、テレビのヒッチコック劇場風に始まって終わりました。
超サイコな猟奇殺人鬼レクター博士を演じたアンソニー・ホプキンスが、特殊メイクでヒッチコックを演じるとは。
「サイコ」は、ヒッチコックがすでに名声を得ていた時で、60才になっていたんですね。
映画会社が製作費を出してくれないので、プール付きの豪邸を売って製作したなんて。
「めまい」も、当時は評価が低かったんですねえ。
「シャッターアイランド」のプロモーションで来日したレオが、おすすめのサスペンス映画はと聞かれて、「めまい」と答えていたわよ。
奥さんが優秀な脚本家で編集者でもある事も、知りませんでした。
それにしても、男ってなんて身勝手なんでしょ。
芸術家は特にかしら。
妻に要求するばかりで、妻に何かしてやろうなんて考えないのね。
ヒッチコックが、大きな駄々っ子みたいでした。。┐( ̄ヘ ̄)┌
自分は若い美人女優達にご執心なくせに、妻がちょっと他の男といると、つまらない嫉妬をする。それなら、妻をもっと大事にしろ!
ヘレン・ミレンが、妻の気持ちを見事に演じていましたわ。
夫がお気に入りの若い女優にデレデレしているのを見る様子、真っ赤な水着を迷いに迷った末に買っていったり、共同執筆を頼まれたウィット(ダニー・ヒューストン)に対する態度とか。
まあ、夫が60になってやっと妻への感謝の気持ちに目覚めてくれたのは、よかったけどね。
やっと気づいてくれたのかって感じよねえ。
映画会社との攻防に次いで、映倫との攻防。
ハワード・ヒューズも女優の胸元が開きすぎていると指摘され、映倫を納得させるのに、おかしな説明をしてたのを思い出しました。(≧m≦)
「サイコ」と言えばシャワーシーン。
体にナイフが突き刺さっているカットはないのに、陰惨に感じる見事な編集。
女優ジャネット・リーを演じるのは、グラマラスなボディーのスカーレット・ヨハンソン。
ずっと以前、ジャネット・リーが娘のジェイミー・リー・カーティスと一緒にインタビューに答えているのを見たことあるけど、サイコの撮影以来、おばあちゃんになった今でもシャワーカーテンを閉めてシャワーを浴びられないと言っていました。シャワーの時は、いつもカーテンを開けているって。
このシーンの撮影は強烈な経験だったのね。
40才まで童貞だったというアンソニー・ホプキンスを演じるのは、「クラウド アトラス」でシックススミスを演じていたジェームズ・ダーシー。
なかなかよく似せていたわ。
映画会社は、試写会はせず、たった2館で上映を開始。
契約上、仕方なく公開したってとこよね。
それに対してヒッチコックが、巧妙な宣伝方法を考えたんですね。
さすが天才。
(鑑賞日4月8日)
« プレミアム・ラッシュ | トップページ | ザ・ワーズ 盗まれた人生 »
「【映画】は行」カテゴリの記事
- バビロン(2023.02.28)
- ブレット・トレイン(2022.09.18)
- ハウ(2022.08.28)
- ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(2022.04.21)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: ヒッチコック:
» 映画『ヒッチコック』★ヒッチコック夫妻の描写が素晴らしい☆ [**☆(yutake☆イヴのモノローグ)☆**]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/161173/
↑ あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
アンソニー・ホプキンス が、ヒッチコック役ということで鑑賞しました。
アンソニーの作品は、必ず観ておきたいです。
(顔はヒッチコックとは別人?のようですが、体型で赦す ^^; )
まずは、テレビの「ヒッチコック劇場」の..... [続きを読む]
» ヒッチコック/Hitchcock [我想一個人映画美的女人blog]
ランキングクリックしてね larr;please click
サスペンスの帝王アルフレッド・ヒッチコックと、
その妻で裏で支えた編集者・脚本家のアルマ・レビル。
神と、その神を創った妻による、
傑作「サイコ」(1960)の成功に至るまでの道のりとふたりの天才の知...... [続きを読む]
» 映画:「ヒッチコック」♪。 [☆みぃみの日々徒然日記☆]
平成25年4月6日(土)。 映画:「ヒッチコック」。 監 督: サーシャ・ガヴァシ 脚 本: ジョン・J・マクロクリン 原 作: スティーヴン・レベロ キ ャ ス ト: アルフレッド・ヒッチコック(アンソニー・ホプキンス) アルマ・レビル(ヘレン・ミ…... [続きを読む]
» 映画「ヒッチコック」 感想と採点 [ディレクターの目線blog@FC2]
映画『ヒッチコック』(公式)を昨日、劇場鑑賞。
採点は、★★★☆☆(5点満点で3点)。100点満点なら70点にします。
ざっくりストーリー
1959年、映画『北北西に進路を取れ』が大ヒットし...... [続きを読む]
» ヒッチコック ★★★ [パピとママ映画のblog]
「レベッカ」「白い恐怖」などサスペンス映画の神と言われる監督アルフレッド・ヒッチコック。
代表作のひとつ「サイコ」製作に挑むヒッチコックと、彼を支えた妻のアルマ・レヴィルの姿を描いた人間ドラマ。監督は「アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち」のサーシャ・...... [続きを読む]
» ヒッチコック / Hitchcock [勝手に映画評]
サスペンスの神様アルフレッド・ヒッチコック。そのヒッチコック最高の傑作『サイコ』の制作の舞台裏を描いた作品。
ヒッチコックを描いた映画ということで、ヒッチコックの作品を意識した映像・演出になっています。特に、冒頭にヒッチコックその人が出てきて解説する辺...... [続きを読む]
» 映画:ヒッチコック Hitchcock キャリアのピークを迎えた時代の「サスペンスの神様」の実態とは?! [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
ヒッチコキアンには堪らない今作。
TV ヒッチコック劇場のオープニングでキックオフしただけで、もうハイ状態に(笑)
まず、彼のどの時期が取り上げられているかを整理。
1956 知りすぎていた男The Man Who Knew Too Much
間違えられた男 The Wrong M...... [続きを読む]
» 「ヒッチコック」☆愛あればこそ [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックの、あまりにも有名な最大のヒット作「サイコ」ができるまでを追った物語。
「サイコ」の血なまぐさい事件と、一度見たら忘れられないほどの恐ろしさとは無縁の、夫婦愛に満ち満ちたラストは、思わず涙が溢れ出す。... [続きを読む]
» [映画『ヒッチコック』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆いまいち、その製作意図が不明瞭なのだが、ヒッチコック作品は大好きなので、そのバックボーンを知りたい気持ちもあり、観に行った(なんか、クリスティの「アガサ 愛の失踪」を思い出す)。
今、ちょいと部屋の中で振り向いただけで、こんなんが容易に見つかるほど、...... [続きを読む]
» ヒッチコック・・・・・評価額1600円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
メイキング・オブ・ヒッチコック。
サスペンス映画の神と呼ばれ、映画史に燦然と輝く数多くの傑作を残しながら、華やかな映画賞とは無縁だった無冠の天才、アルフレッド・ヒッチコック。
彼の傍らには常に...... [続きを読む]
» ★ヒッチコック(2012)★ [Cinema Collection 2]
HITCHCOCK
神と呼ばれた男、神を創った女。
上映時間 99分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(FOX)
初公開年月 2013/04/05
ジャンル ドラマ/伝記
映倫 G
【解説】
巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督によるスリラー映画の金字塔
「サイコ」の波乱に富ん...... [続きを読む]
» サスペンスの巨匠/メイキング・オブ・サイコ~『ヒッチコック』 [真紅のthinkingdays]
HITCHCOCK
1959年。『北北西に進路を取れ』 の大ヒットを受け、ヒッチコック(アンソ
ニー・ホプキンス)は新作のアイデアを練っていた。実在のシリアル・キラーが
主人公の小説 『サ...... [続きを読む]
» あらためて ヒッチコックを! [笑う社会人の生活]
8日のことですが、映画「ヒッチコック」を鑑賞しました。
1959年、アルフレッド・ヒッチコックは「サイコ」の製作に着手したが資金繰りは難航し数々の困難に見舞われ
さらに最大の理解者である妻アルマとの関係までほころびが生じてきて・・・
名作「サイコ」制作過程...... [続きを読む]
» ヒッチコック : 巨匠のお茶目っぷりがGood! [こんな映画観たよ!-あらすじと感想-]
今日も朝から、何だかんだでバタバタしています。こんな時には、以外に落ち着いて観れるこちらの作品は良かったですよ。
【題名】
ヒッチコック
【製作年】
2012年
【製作 [続きを読む]
» 『ヒッチコック』熟年離婚の危機を乗り越えるサスペンス!? [Healing]
ヒッチコック HITCHCOCK ★★★★4.5 天才と呼ばれた“ヒッチコック”は その妻アルマと2人で完成形 『レベッカ』『裏窓』『めまい』『鳥』・・・ 代表作をあげればキリがない “サスペンスの神”といわれたヒッチコック監督を 30年以上も支えた妻・アルマとの知られざる関係をベースに、 ヒッチコック最大のヒット作『サイコ』が どのようにして生まれたかを描... [続きを読む]
いわゆるクラシック映画の監督ではビリー・ワイルダー監督と並んで最も好きな監督なので楽しく見ました。
アンソニー・ホプキンスがメイクでヒッチコックに扮していますが、自作の映画や予告編によく登場したヒッチ監督なのでそれほど似てはいない印象でした。
奥さんのアルマ役のヘレン・ミレン、アンソニー・パーキンス役のジェームズ・ダーシーの方が似ています。
スカーレット・ヨハンソンとジェシカ・ビールは特に似てはいませんが、どちらもきれいでした。
ちょっと驚くのは「サイコ」のモデルになった実在の殺人者エド・ゲインが登場する事。
面白く見ましたが、劇場映画デビュー作のせいもあって演出はいまいちだったかな。
私はヒッチコック作品では「裏窓」とイギリス時代の「バルカン超特急」が好きですね。
投稿: きさ | 2013年4月11日 (木) 06:09
★きささん
サイコが、こんなに苦労して製作された作品だとは知りませんでした。
投稿: 風子 | 2013年4月11日 (木) 11:00
こんばんは☆彡
特殊メイクのホプキンスも良かったですが、ヘレン・ミレンが
素晴らしかったですよね~
全世界の?(笑)妻の気持ちを代弁してくれましたよね^^
レオが「めまい」をお薦めしてたんですか!
「めまい」は未見なので、鑑賞しなくては(笑)
投稿: ひろちゃん | 2013年4月16日 (火) 00:20
★ひろちゃんさん
>全世界の?(笑)妻の気持ちを代弁してくれましたよね^^
女性はうなずいて拍手ですね。(笑)
>レオが「めまい」をお薦めしてたんですか!
テレビ番組のインタビューで、「めまい」が好きだって言ってましたよ。
投稿: 風子 | 2013年4月16日 (火) 10:12
訪問&TBありがとうございます。
いろんな裏話が興味深かったです。
60歳で引退なんて、今なら早すぎですよねぇ。
投稿: すぷーきー | 2013年4月20日 (土) 20:22
★すぷーきーさん
今は60歳以上の監督さんも多いですよね。
当時は珍しかったんでしょうか。
投稿: 風子 | 2013年4月20日 (土) 23:57
いたずら小僧がそのまま大きくなったみたいな人だったんでしょうかね。
妻があってこそ!!ってのに、チャンと気づいてくれてよかったです。
どっちかというと、「サイコ」の前の作品の方が好きかもです。
投稿: sakurai | 2013年4月21日 (日) 10:34
★sakuraiさん
妻の苦労も報われたのがよかったです。
投稿: 風子 | 2013年4月21日 (日) 11:18