孤独な天使たち
青春の1ページ
地下室の1週間
公式サイト http://kodoku-tenshi.com
原作: 孤独な天使たち (ニッコロ・アンマニーティ著/河出書房新社)
監督: ベルナルド・ベルトルッチ
周囲に馴染めず、独りが好きな少し変わり者の14歳、ロレンツォ(ヤコポ・オルモ・アンティノーリ)。学校行事のスキー旅行に行くと両親を騙して向かった先は、自分の住むアパートの地下室。彼はそこに食料を持ち込み、寝床や暖房も確保したその秘密の部屋で、好きな本と音楽に浸って一週間を過ごす計画だったのだ。ところがそこに、異母姉のオリヴィア(ソニア・ベルガマスコ)が転がり込んで来た事で、全てが一変する。
車椅子生活となったベルトルッチの、監督復帰作。
いかにも思春期真っ只中の少年らしい話だわ。
ロレンツォが精神科医のカウンセリングを受けているけど、いつからどういう理由でなのかは説明されない。
入院中の父方の祖母を見舞う、優しい子でもある。
ロレンツォが1週間過ごそうとするアパート地下室は、一家の物置代わりに使用されている場所。自由気ままに過ごすはずが、異母姉オリヴィアの出現で彼の計画は一変。
彼女と過ごすうちに、彼女の抱える問題や、心情を知ることになる。
姉はヤク中だけど、好きな男と一緒に暮らすためにやめようとしていた。
田舎に母親と住んでいた姉は、アメリカのLAで写真家として成功したけれど、その後薬物中毒なってしまっていた。
父親がロレンツォの母親と一緒になったのは彼女には辛い事で、ロレンツォの母親に憎しみをい抱いている事も、初めて知るロレンツォ。
異母姉弟の2人はどちらも孤独だけど、姉弟の絆も感じます。
それぞれ、互いを気づかうところもあるのよね。
地下室は、外の世界を遮断するロレンツォにぴったりの場所で、彼の心情を形にしたような物。
自分ひとりの世界にいるのが好きなロレンツォだったけど、いつもしていたイヤホンをはずして歩く表情がいいですねえ。
姉が薬物中毒から脱却できるかどうかは微妙~。
この映画ですごい!と思ったのは、主演の少年。
エミール・ハーシュに雰囲気が似ているヤコポ・オルモ・アンティノーリは、映画初出演で初主演。
撮影当時14,5歳らしいけど、そうは思えない演技力と気迫がある。
にきび面で美形って顔じゃないけど、引きつけられるのよ。
注目の新人かも。
ソニア・ベルガマスコは実際に賞を取っている写真家で、女優でもあるそう。
(鑑賞日5月24日)
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» 孤独な天使たち ★★★ [パピとママ映画のblog]
『ラストエンペラー』『魅せられて』などのイタリアが誇る巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督の、初メガホン作から50周年の青春作。ニコロ・アンマニーティの小説を基に、扱いにくい少年と腹違いの姉の地下室での短い共同生活がもたらす魂のぶつかり合いを映し出す。主演の...... [続きを読む]
役者たちがお見事でしたね。
へーー、初出演だったのですか。
いい具合の素人さと、したたかさが出てたと思います。
いい感性でした。
投稿: sakurai | 2013年6月16日 (日) 18:06
★sakuraiさん
ヤコポ・オルモ・アンティノーリくんは、舞台経験はいくつかあるようですが、映画は初めてだそうです。
ベルトルッチの目にとまったのだから、人をひきつけるものがあるのでしょうね。
投稿: 風子 | 2013年6月17日 (月) 09:01