風立ちぬ (試写会)
ジブリは後継者がいないのね
公式サイト http://www.kazetachinu.jp
7月20日公開
宮崎駿が月刊模型雑誌「モデルグラフィックス」に連載していた漫画を基に、零式艦上戦闘機の設計者として知られる堀越二郎の半生を軸に、堀辰雄の小説「風立ちぬ」のエピソードを盛り込みながら描いた。
監督: 宮崎駿
音楽: 久石譲
主題歌: 荒井由美 「ひこうき雲」
大正から昭和にかけての日本。戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。航空機の設計者である堀越二郎は、イタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。二人は恋に落ちるが、菜穂子は結核にかかっていた。
試写会でなければ見に行かなかったと思う。
ジブリは後継者と決めていた人が早死にしてしまい、変わる後継者がいないのね。
だから、宮崎駿監督に昔のような作品はもう無理なのに、大勢のアニメーターを養うためには、駿さんがでて来ざるを得ないのかしら。
ジブリのネームバリューで興行成績はあるけど、最近は作品の内容としては...という感じだものね。
誰が見てもわかりやすく、主人公に感情移入しやすくて、笑って泣ける作品がないでしょ。
今作は、子供には向かないわ。子連れのお客さんも多かったけど、子供にはわからないからあきちゃう。子供が面白がる映像もなかったから、子供の笑い声はなかった。
第二次世界大戦中の日本について、少しは知識がないとね。
とにかく前半は淡々としていて、退屈で眠気を催すほどだったわ。
二郎の夢と現実が入り混じっているんだけど、これもちょっとわかりにくい。
映像はきれいだけど、とにかく感情移入しにくいし、わかりにくい作品。
「生きねば」というメッセージも、胸に迫ってこない。
そして一番のネックは、二郎の声を担当しているアニメーターで映画監督の庵野秀明さんが下手。
駿監督のご指名だって言うけど、声優さんや俳優さんでなくて、なぜ庵野さんを起用したのかわかりませーん。
ジブリとしては久しぶりに飛行シーン満載の映画だけど、二郎は近眼で設計だけなので、操縦して空を飛ぶのは夢の中だけ。それも少しだけで、飛行機を見上げる場面が多いので、高揚感はない。
まあ、暗い戦争中の話だからね。
関東大震災の時に、乗っていた列車で出会った菜穂子。数年後彼女と再会した二郎。
付き合い始めてプロポーズしますが、彼女は、結婚は結核を治してからと言います。
ラブロマンスの話になってから、わかりやすい話になりました。
このパートは、二郎や菜穂子の気持ちに寄り添いやすかった。
性能がよく、美しいと評されたゼロ戦。
終戦後7年ほど、米軍により一切の航空機産業の活動が一切禁止された時、堀越二郎はどう思ったのかしら。
日本の航空機開発が遅れた一因よね。
(鑑賞日7月7日)
« スタンリーのお弁当箱 | トップページ | ワイルド・スピード EURO MISSION »
「【映画】か行」カテゴリの記事
- ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024.06.15)
- ゴジラ-1.0(2023.11.19)
- キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023.10.28)
- グランツーリスモ(2023.09.24)
- ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023.05.19)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 風立ちぬ (試写会):
» 風立ちぬ : 完全大人仕様のジブリ作品 [こんな映画観たよ!-あらすじと感想-]
暑い、暑い、暑い、ですねぇ。こんな日は海水浴にでも行くか、エアコンの効いた映画館に行くのがよいのではないでしょうか。では、本日紹介する作品はこちらになります。
【題 [続きを読む]
» 『風立ちぬ』 宮崎駿と堀越二郎を繋ぐのは誰だ? [映画のブログ]
宮崎駿監督の育った家は、戦争中とても景気のいい家だった。
自動車の個人所有が一般的ではなく、しかも原油不足から民間では木炭自動車が使われていた当時にあって、彼の父はガソリンの自家用車に乗って...... [続きを読む]
» [映画『風立ちぬ』を観た(前篇)] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆・・・いやぁ、風が立ちまくっていました!!!
たいがい 宮崎駿監督の独りよがりの作品に思え、批判する準備をしていたのだが、あまりの傑作に驚いた。
取り急ぎ、幾つかのことについて言及しておく。
なんか、マッチョ好きのホモの映画評論家気取りが、この作...... [続きを読む]
» 貧困国の裕福物語。『風立ちぬ』 [水曜日のシネマ日記]
1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の物語です。 [続きを読む]
» [映画][☆☆☆★★]「風立ちぬ」感想 [流浪の狂人ブログ〜旅路より〜]
「崖の上のポニョ」以来、5年ぶりとなる宮崎駿監督最新作。「モデルグラフィックス」で連載された、零式艦上戦闘機(通称:零戦)の設計者として知られる実在の人物・堀越二郎の半生を描いた同監督のコミックを映画化。 誤解を恐れず言えば、これは良くも悪くも宮崎駿と... [続きを読む]
» 映画『風立ちぬ』★すきま風にゴメンネ…withシベリア^^; [**☆(yutake☆イヴのモノローグ)☆**]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/161566/
↑ あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
宮崎駿さんのアニメ作品は、ほとんど見ていないのですが ^^;
ユーミンの「ひこうき雲」付きの予告編で、胸が熱くなっていたので
楽しみに思って、観てみました。
零戦の開発者・..... [続きを読む]
» 『風立ちぬ』 (2013) / 日本 [Nice One!! @goo]
監督・脚本・原作: 宮崎駿
声の出演: 庵野秀明 、瀧本美織 、西島秀俊 、西村雅彦 、スティーブン・アルパート 、風間杜夫 、竹下景子 、志田未来 、國村隼 、大竹しのぶ 、野村萬斎
試写会場: よみうりホール
映画『風立ちぬ』 公式サイトはこちら (2...... [続きを読む]
» 風立ちぬ ★★★★★ [パピとママ映画のblog]
宮崎駿監督がゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描くアニメ。美しい飛行機を製作したいという夢を抱く青年が成し遂げたゼロ戦の誕生、そして青年と少女との出会いと別れをつづる。主人公の声には『エ...... [続きを読む]
» 映画:風立ちぬ#160; ストーリー云々は抜きで、2時間にわたる映像詩として、純粋に堪能! [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
オープニングから既に美しい映像。
早朝〜大地に降り注ぐ、太陽の日。
これだけで思う、
究極に美しいアニメーションだな これは!
その後も1カット、1カットにいちいち映像へのこだわりが。
現実とファンタジーが混在しつつ、それが次々と積み重なってくる。
と、...... [続きを読む]
» 風立ちぬ・・・・・評価額1800円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
風立ちぬ、いざ生きめやも。
改めて、宮崎駿の凄さを思い知らされた。
零戦の設計者として知られる航空機技師・堀越二郎の半生をベースに、同時代の作家・堀辰雄の代表作で、山口百恵主演の同名映画でも有...... [続きを読む]
» 天上大風~『風立ちぬ』 [真紅のthinkingdays]
1920年代の日本。少年・堀越二郎は空に憧れ、「美しい飛行機を造る」 こと
を夢見る。帝大に進学した彼は大震災の日、美しく利発な少女・菜穂子と出逢う。
宮崎駿監督5年ぶりの新作映画、スタジオ...... [続きを読む]
» 映画『風立ちぬ』観てきた [よくばりアンテナ]
久しぶりの宮崎駿作品。観なくっちゃね。
シネコンの多いこの地域で、公開後1週間で上映回数も他の映画よりも多い。
ああ、人気なんだなぁ、それに夏休みだ。
そして、週末だろうとサービスデーだろう...... [続きを読む]
» 「風立ちぬ」 テクノロジーの両側面 [はらやんの映画徒然草]
「崖の上のポニョ」から5年ぶりの宮崎駿監督の新作です。 本作は宮崎監督としては珍 [続きを読む]
» 映画 『風立ちぬ』感想 [早乙女乱子とSPIRITのありふれた日常]
ジブリ映画『風立ちぬ』の感想。
元々『紅の豚』に雰囲気が似ているというイメージがあって(どちらも作者宮崎駿が模型雑誌に連載していた)、空をテーマにしたファンタジー系統と言う感じがしていた。
宮崎...... [続きを読む]
» 風立ちぬ いざ生きめやも [No War,No Nukes,Love Peace,Love Surfin',Love Beer.]
【48 うち今年の試写会5】 宮崎駿さんがはこの作品を最後に今度こそほんとに長編アニメ製作からの引退するって発表した・・・そんなん言われたら観に行っとかなあかんやんか~。
大正から昭和にかけての日...... [続きを読む]
» 『風立ちぬ』 美に傾いて [Days of Books, Films]
Kaze Tachinu(film review) お盆休みの一日、満員のシネコ [続きを読む]
» 「風立ちぬ」 &シベリア風ケーキ [セレンディピティ ダイアリー]
先月、ジブリの「風立ちぬ」がTV初放映されてたので、録画して見ました。 久しぶり [続きを読む]
私、生徒にいつも、「ゼロ戦は美しいけど、乗り手の命を守ろうとしてなかった」と教えてきたんですよ。
軽さと速さを求めて、操縦士の安全は後回しだったと。
時代の趨勢でしようがなかったのでしょうが、ロマンと言われてもねえ~です。
話は悪くなかったですが、あの声が全体のバランスを壊してたような気がしました。
投稿: sakurai | 2013年7月31日 (水) 19:55
★sakuraiさん
>軽さと速さを求めて、操縦士の安全は後回しだったと
兵器ですからねえ。
>あの声が全体のバランスを壊してたような気がしました。
やっぱりまわりがベテラン俳優さんたちの声なので、違いが目立ちますね。
投稿: 風子 | 2013年7月31日 (水) 23:27