少年H (試写会)
少年が見た戦中戦後
公式サイト http://www.shonen-h.com
8月10日公開
原作: 少年H (妹尾河童著/講談社文庫)
監督: 降旗康男
1941年の神戸。胸に名前の頭文字“H”が大きく刺繍されたセーターを着ていることから、エッチとあだ名がついている妹尾肇(吉岡竜輝)は、洋服の仕立屋を営む父・盛夫(水谷豊)とクリスチャンの母・敏子(伊藤蘭)、妹・好子の家族4人で楽しく元気いっぱいの毎日を送っていた。仕事柄、外国人との付き合いもある盛夫は、、自分の目で見て考えることの大切さをHに教えていく。そんな中、時代は急速に軍国化の道を突き進み、次第にHの家族や周囲の人々にもその影響が及び始める。
原作は未読。
テレビドラマは見たと思うけど、あまり覚えていないのよねえ。
小学生から中学にかけての子供の4,5年て、体が大きく成長する時期なのに、本作はずっと同じ子役が演じているので、その点の違和感が大きかったな。でも、違う子役を使うのもなかなか難しいし、悩むところでしょう。
Hは絵を描くことが大好きで、好奇心旺盛でやんちゃな男の子。
父は、外国人居留地にも顧客がいる洋服屋。
Hは、父について居留地へ行くのが好きだった。
しかし社会状況から、居留地に住む外国人は、次々と故国へ帰って行く。
父の商売も、なかなか難しくなる。
キリスト教徒であり、仕事柄外国人との付き合いも多かった妹尾家は、周囲や警察から、あらぬ疑いをかけられたりする。
子供のHにとって、周囲状況や大人の世界は、わからない事や納得がいかない事ばかり。
戦時中、父はいつもHや家族に適切な助言をしてくれていました。
ある日、Hの机に“スバイ”と書かれていた。知人のアメリカ人が送ってくれた絵葉書を、友人に見せた事が原因ではとHは考えます。Hがそれを見せたのはひとりだけ。その子をとっちめようとしますが、父に諌められます。
この時の父の教えと、母が、キリスト教以外を邪教と言った時の父の言葉がとてもいいです。
空襲で神戸は焼け野原となり、家も仕事も失った妹尾家。
軍国主義だったのに、戦後ころっと主義を変える人達を目の当たりにするH。
いったいあの戦争はなんだったのか。
誰もが、Hに共感するでしょう。
戦争では、誰も幸せにはならない。
戦後、全くやる気を失くしてしまった父。
そんな父にも、他人に食べ物をあげてしまう母にも、怒りをぶつけるH。
そして、父もやっと前に進み始める。
ラストのフェニックスで、浜田省吾の歌の歌詞を思い出しました。
♪焼け跡の灰の中から
強く高く飛び立った♪
♪1945年 焼け跡から
高く飛び立った 今♪
(鑑賞日8月6日)
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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/159647/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
映画レビュー(ネタバレ表示)です。
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水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝 、花田優里音、
小栗旬、原田泰造、佐々木蔵之介出演
降旗康男監督、
122分、2013年8月10日より全国順次公開
2012,日本,東宝
(原題/原作:少年H/ 妹尾河童)
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すなわち、取り上げたい作品であったにもかかわらず、ブログ記事をまとめるには至らなかったことを、...... [続きを読む]
丁寧で、とっても共感できる作品でした。
やっぱ河童さんがいつまでも成長しなかったのは、ちょっと違和感ありましたね。
卑劣な役させると、泰造は、ほんとに似合いますわ。
投稿: sakurai | 2013年9月 3日 (火) 13:19
★sakuraiさん
ずっと同じ子役だったのは、やっぱり違和感ありますよねえ。
投稿: 風子 | 2013年9月 3日 (火) 15:22