小さいおうち 完成披露試写会
タキの選択
公式サイト http://www.chiisai-ouchi.jp
2014年1月25日公開
原作: 小さいおうち (中島京子/文春文庫)
監督: 山田洋次
健史(妻夫木聡)の大伯母タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。大学生の健史は、一人暮らしのタキの身の回りの世話に来るたびに、執筆途中の原稿を読むことを楽しみにしていた。昭和11年、山形から東京へ出てきた若き日のタキ(黒木華)は、小説家の屋敷に1年ほど仕えた後、東京郊外の赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家で女中として働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、まだ幼い一人息子の恭一が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。
本作最初の試写会に、舞台挨拶目当てで見に行ってきました。
ハートフルな家族ドラマが多い山田監督には、珍しい作品ですね。監督が原作にほれ込んで、映画化権が欲しいと、原作者に直接手紙を出したそうです。
舞台挨拶には、山田監督、松たか子さん、黒木華さん、吉岡秀隆さん、木村文乃さん、妻夫木聡さん、倍賞千恵子さんが登場しました。
私の目当ては松さんと妻夫木くんでーす。
松さんは、監督が現場で地団太を踏んだ音だけ聞いたそうです。人が地団太を踏んだのを初めて聞いたと言ってました。
妻夫木くんは東京家族の撮影中に、次の作品も出て欲しいと監督に言われて、うれしくて親に「今撮影中なのに、次の映画のオファーももらったよ。」と電話したんですって。
妻夫木くんは相変わらず陽気で、ニコニコしてましたね。
ナレーションを録っている時に、事前に倍賞さんが録っていたナレーションを聞かされて、山田監督に「どうだ、かなわないだろ?」って言われ、「はい、かないません。」と答えたって。
32才の妻夫木くんが大学生役で、本人はいっぱいいっぱいだと思うと言っていましたが、40過ぎてる吉岡秀隆が30前の役なのよ。こっちの方が違和感あったわよ。童顔だけど、さすがに肌のつやが違うわよ。
映画は、タキの葬儀の場面から始まります。
遺品の整理で、健史宛てに残されたタキの大学ノート。
タキの自叙伝が書かれているけど、健史がそれにまつわるタキとの思い出を回想するとともに、女中時代のタキの話が展開し、戦争へと突入していく社会背景も同時に語られます。
女中として小説家の家にいた後、その家の姪である時子の家の女中になります。
若くてきれいで、気さくでやさしい時子は、タキの憧れ。
黒木華はりんごほっぺで、田舎での素朴な感じのルックスになっています。
監督曰く、日本一割烹着が似合う女優。
タキが、自叙伝にも書かなかった彼女自身の秘密。
原作は未読ですが、見ていてわかってしまったわ。
予想通り。
時子奥様の秘密を知ってしまったトキは、誰にも話せずとても悩む。
奥様の事が大好きだから、余計に悩む。
どうするのが平井家のためなのか。
彼女の心の中で2人のトキが葛藤し、そして選んだ行動は...。
米倉斉兼加年さんの場面で、うるっときちゃいました。
何十年も罪悪感を持たなくてよかったのにね。
トキと老いた恭一に同情するわ。
で、わたしには板倉が魅力的には見えなかっので、時子には感情移入できませんでした。(笑)
まあね、時代からいって親が決めた見合い結婚だろうから、初めての恋にうきうきしたのかな。相手は夫と違って、若くて純情だし。
ウィキペディアを見たら、原作の登場人物たちはもっと若いのね。
タキは14才で平井家に奉公し、時子は22才。
この年齢での出来事なら、納得かな。
女性達の言動が、同じ女として見ていて面白かった。
時子の姉 室井滋
時子の友人 中嶋朋子
健史の姉 夏川結衣
(鑑賞日11月28日)
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新しくなった歌舞伎座で映画上映は初めてとのことでした。
登壇者は豪華絢爛大勢でした。
松たか子、黒木華、吉岡秀隆、倍賞千恵子、橋爪功、吉行和子、室井滋、
ラサール石井、小林稔侍、夏川結衣、中嶋朋子、子役2名、山田洋次監督と総勢14名という多さ。
妻夫木聡が居ないのは残念だった。(彼が居たらいじられるのに)
【ストーリー】
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彼女が、本当に隠していた事。
ある老女の心の内に70年間秘められていた秘密を巡る、ミステリアスな心理ドラマだ。
山田洋次にとっては、挑戦的な新境地と言っても良いと思う。
舞台は昭和10年代、東京山の手の住宅地に建つ赤い屋根の小さな洋館。
山形の寒村から上京した少女・タキは、この家で女中として働きはじめる。
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がかわいい山の手の 「小さいおうち」 に雇われる。そこには、まだ若く美しい
時子奥様(松たか子)がいた。
山田洋次監督の映画を初めて観た。感動しました。
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【ネタバレ注意】
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京都シネマにて鑑賞。もう上映終了してしまいましたが、、、。リバイバルでベストヒットしたものを上映しています。そうそうこの作品でタキ役の黒木華さんはベルリン映画祭で銀熊賞をゲットしたんですね。凄い快挙です。
その時の写真。監督の山田洋次と・・・。
お話は小さな家でお手伝いとして働くタキさんがその家族の姿を見つめた作品。
奥さん平井時子には松たか子さん。相変わらず演技は素晴らしい!小さな可愛いおうちの奥さんなんだけど、ある日主人の部下である板倉正治に一目ぼ... [続きを読む]
こんにちは。
私は以前原作を読んだのですが、その時の脳内キャスティング?では
時子奥様は、壇れいさんだったんです。(笑)
どちらかというと、古風でふわふわ~としてかわいらしいイメージだったので。
松たかこさんは好きな俳優さんですが、しっかりしすぎている気がして…
全体的に年齢層が高めだったんですね。^^
投稿: セレンディピティ | 2013年12月 6日 (金) 16:40
★セレンディピティさん
原作をお読みになっているんですね。
小説の年齢のままでは、この内容の演技は無理だと思ったのでしょうか。
投稿: 風子 | 2013年12月 6日 (金) 18:33
タキの脳内で美化されちゃってる、当時の中流家庭の幸せぶり。
召集されていく兵たちを門前で日の丸の小旗を振るタキの表情も印象的でした。。。
現実として受け止めていなかったのですよね、、、
ある意味では、今の政治に無関心な若者とも変わらないタキだったのでしょうねぇ。
投稿: kira | 2014年2月 1日 (土) 11:40
★kiraさん
貧しい家のタキは小学校しか出ていなかったでしょうから、無知と言うより無学だったせいもあると思いますよ。
投稿: 風子 | 2014年2月 1日 (土) 20:34
山形・・・というシーンで、場内苦笑でした。
なんか田舎から・・・と言うと、山形が定番になりつつありそうです。
山田監督にしては・・らしくなかったのが、よかったかもですね。
いつもの山田組なんですが、やっぱ松ちゃんのうまさが際立ってました。お見事!
でも、吉岡君には、惚れないですよね・・・・。
ブッキーも、いつの間にか30過ぎかあ。
監督から見たら、いつまでも学生に見えるんでしょうね。
投稿: sakurai | 2014年2月 7日 (金) 17:29
★sakuraiん
賠償さんと松さんは、うまいなあと思いました。
投稿: 風子 | 2014年2月 7日 (金) 20:47
私も、相手役に吉岡さんはないでしょう〜!

と思いました
原作の設定がそれほどに若かったのなら、全然違うキャスティングもありでしたね〜
投稿: Erika A | 2015年9月14日 (月) 22:38
★Erika Aさん
原作通りの年齢のキャスティングなら、
また違う印象になっていたでしょうね。
投稿: 風子 | 2015年9月15日 (火) 09:40