永遠の0 (試写会)
臆病者の戦闘機乗り
公式サイト http://www.eienno-zero.jp
12月21日公開
原作: 永遠の0 (百田尚樹著/講談社文庫)
監督: 山崎貴 「リターナー」 「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ
祖母の葬儀の席で、今の祖父大石(夏八木勲)とは血のつながりがなく、実の祖父は宮部久蔵(岡田准一)という人であるのを知った佐伯健太郎(三浦春馬)と慶子(吹石一恵)。宮部は太平洋戦争中に零戦パイロットとして戦い、終戦直前に特攻隊員として出撃して戦死したという。健太郎は編集者の姉慶子に付き合って宮部について調べ始め、かつての戦友たちを訪ねる。するとみな口を揃えて、宮部を臆病者と非難した。天才的な操縦技術を持ちながら、生還することに執着した腰抜けだと言う。それなら、なぜ宮部は特攻に志願したのか。やがて宮部の最期を知る人物に辿り着いた健太郎は、衝撃の真実を知る。
戦争を体験した人たちが、段々少なくなってきた現在。
いずれ皆いなくなってしまいますが、語り継いで行かなければならないと思います。
今の平和な日本は、多くの犠牲者の上にあると知らなければなりません。
戦争は悲しみと苦しみしかもたらさない事を知るため、平和を維持するため、忘れてはならないのです。
祖母の葬儀の席で、祖母が今の祖父とは再婚で、母清子(風吹ジュン)の実の父は宮部久蔵という人で、戦死したと初めて知った慶子と健太郎。
今の祖父は弁護士で、そんな祖父を目標に司法試験を受けるも、何度も落ちている健太郎。
宮部が戦死したのは、今の健太郎と同じ26歳。
バイト代につられて、姉と一緒に宮部久蔵について調べ始めます。
祖父を知っているという人達をたずねてまわりますが、臆病者、卑怯者、腰抜けと、すこぶる評判がよくない。
悪く言う人ばかりで、姉に付き合って調べるのはやめようと思っていた健太郎は、違う意見を聞いて驚きます。
健太郎の友人が、「特攻って、自爆テロと同じだろ。」と言いますが、健太郎は激しく反論します。こういう事も、知って欲しいですねえ。
映画は、現在と過去が交互に映し出されます。
現在のパートで宮部を知っている人達は、
平幹二朗、田中泯、橋爪功、山本學と、ベテラン勢が演じています。
戦時中、軍隊で宮部とかかわりがあった人達は、
濱田岳、新井浩文、染谷将太、三浦貴大、上田竜也など若手俳優さん達です。
現在のパートでも過去のパートでも、ハンカチでずっと涙を拭きながらの鑑賞でした。
それぞれの気持ちを思うと、胸がいっぱいになります。
お国のために命を捧げるのが当たり前で、命を惜しむなんて公言するなど、とんでもない時代に、宮部はなんとしても、妻子のもとの帰りたいと言っていた。実はとても勇気がいる発言なのよ。
自分が死んで悲しむ者がいるなら、なんとしても生き残る努力をしろと、濱田岳に言います。
ゼロ戦の操縦に自信があった新井浩文は、宮部を嫌っていましたが、宮部の操縦技術のすごさを体感し、宮部に対する自分の認識が、間違っていたのに気づかされます。
戦況が悪化した戦争末期には、兵役を免除されていた学生達も動員されました。
宮部は戦闘機の操縦を教える教官でもありましたが、戦争末期になると、特攻としての技術だけを新兵達に教えします。もちろん軍の命令ですけど。
学生達は訓練の終了後に、その事を知りますが、それでもほとんどが特攻に志願。しかし結局戦艦に近づけないまま無駄死にして行くのを見続ける宮部は、すっかり様子が変わってしまっていました。
優秀で、戦争後の日本を担っていくべき若者達が、次々と無駄死にしていく。
特攻の名簿に宮部の名前があって、愕然とする新井浩文と染谷将太。
最初から今の祖父大石が、宮部とかかわりがあった人物なのは推測できますね。そして宮部が搭乗する機を替わったのは、偶然ではなくわざとだったのも予想通り。
絶対に妻子のもとに帰る。死んでも妻子を守るという決意の宮部に涙。
妻子とのシーンも泣けます。
そして宮部に惚れた男たちが、妻子を助けてくれた。
VFXが得意な山崎貴監督。
空中戦の映像は、ハリウッドには負けるけどなかなかの見ごたえでした。
(鑑賞日12月14日)
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» 『永遠の0』 2013年12月7日 東宝試写室 [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
『永遠の0』 を試写会で鑑賞しました。
面白い映画でした
戦争ってなんだろうと考えてしまいますね。
【ストーリー】
祖母の葬儀の席で会ったことのない実の祖父・宮部久蔵(岡田准一)の存在を聞いた佐伯健太郎(三浦春馬)。進路に迷っていた健太郎は、太平洋戦争の終戦間際に特攻隊員として出撃した零戦パイロットだったという祖父のことが気に掛かり、かつての戦友たちを訪ねる。そして、天才的な技術を持ちながら“海軍一の臆病者”と呼ばれ、生還することにこだわった祖父の思いも寄らない真実を健太郎は知ることとなり……... [続きを読む]
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【題名】
永遠の0
【製作 [続きを読む]
» 映画『永遠の0』★「必ず戻る」〜永遠の約束〜 [**☆(yutake☆イヴのモノローグ)☆**]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/159874/
↑ あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
映画レビューです(ネタバレ表示ですがボカす)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id346152/rid215/p1/s0/c1/
原作未..... [続きを読む]
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わはは。
公式HPで自分の名前入りのポスター画像が作れるっていうんでやってみた♪
ま、そういうことです。
原作で
さんざん泣いたので、
まともに作っていれば絶対泣いちゃうってわかっていたので、
映画が始まる前からハンカチ用意してました。
隣の人もズルズルと泣いてましたよ。
いい作品に仕上がってました。
VFXで評価の高い山崎監督ですものね。
迫力のある...... [続きを読む]
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永遠の0 (講談社文庫)百田 尚樹 講談社 2009-07-15売り上げランキング : 4Amazonで詳しく見る by G-Tools
私がまだバイトしてた頃からこの本はめっちゃ売れてた。
映画化でさらに拍車がかかってるけど、輪をかけて
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(ちなみに、この映画が「よかった、感動した...... [続きを読む]
» ショートレビュー「永遠の0・・・・・評価額1650円」 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
60年後に、届いた想い。
実に見応えのある、堂々たる力作である。
百田尚樹の原作はだいぶ前に読んだが、なんと文庫本のベストセラー歴代1位を更新する大ヒット作となったらしい。
長大な原作の映像化がどうあるべきか、おそらく既読者は色々言いたい事も多いだろうが、私としては一本の映画として脚色のバランスも良く、山崎貴監督の作品としてはベストと言って良い仕上がりだと思う。
現代と過去を行き...... [続きを読む]
» 「永遠の0」(2013) [choroねえさんの「シネマ・ノート」]
今年初の劇場映画はヒット中のこちらになりました。
原作も暮までには何とか読み終え映画に備えましたが、後半3分の1くらいは驚きの連続で「なるほど〜」と感心しつつ、また感動のうちに読了した感じでした。原作での感動が大きかったので、映画の感想はちょっと内容のことは簡単になるかも。。。すみません。^^;
しかし映画もよかったですね〜後半は何度もハンカチを目に当てながらの鑑賞で、終映後、女性は皆化粧室に駆け込んでいましたが、こんなに泣いた映画は久々だったかも。
こ..... [続きを読む]
風子さん☆
泣けましたねー
私は原作を未読なので、これから映像を思い浮かべながらゆっくり読もうと思います。
いい写真をいっぱい集められましたね☆
投稿: ノルウェーまだ~む | 2013年12月18日 (水) 00:08
★ノルウェーまだ~むさん
会場内は、鼻をすする音があちこちから聞こえました。
私も原作は未読です。
投稿: 風子 | 2013年12月18日 (水) 19:53
ご無沙汰しています
くいだおれです
覚えてますか?
当時の皆様は今はバラバラなのかしら?
永遠の0、監督作者舞台挨拶付きの試写会へと
3年生になった愚息を連れて行きました。
泣いている以外はものすごく険しい顔で
映画を見たと思います。
私の下の世代の一人でも多くが
見て欲しいと思います。
岡田君にそれだけの動員力があるといいなぁ。
で、うちの3年生は、岡田くんが上官にボコボコにされる場面がとっても衝撃だったようです
今全部わからなくても徐々になるほどと思えたらいいかなーと思ってます
火垂るの墓もその前に見ていたので
リンクすればいいけど…
投稿: kay | 2013年12月24日 (火) 15:29
★kayさん
うわ~~~、よくきてくださいました。
こちらこそ、覚えていてくださってうれしいです。
息子さんは3年生ですか。
映画が戦争について考えるきっかけになってくれるといいですね。
投稿: 風子 | 2013年12月24日 (火) 16:38
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
本当に空中戦の映像はすごかったですね。
あれは劇場で見る価値があったような気がします。
投稿: Nakaji | 2014年1月 6日 (月) 12:16
★Nakajiさん
こちらこそ、本年もよろしくお願いしますね。
VFXが得意な山崎監督らしい空中戦でした。
投稿: 風子 | 2014年1月 6日 (月) 13:30
風子さん、明けましておめでとうございます。
昨年はお世話になり、ありがとうございました。
岡田君のお芝居、とても良かったです。
白組さんのVFXも流石でしたね。
今年もどうぞ宜しくー!
投稿: オリーブリー | 2014年1月 6日 (月) 22:00
★オリーブリーさん
昨年同様、今年もよろしくお願いします。
岡田君は今年の大河ドラマでも主役で、頑張っていますね。
投稿: 風子 | 2014年1月 7日 (火) 10:22