ビフォア・ミッドナイト
すっかり中年になったジェシーとセリーヌ
公式サイト http://beforemidnight-jp.com
「恋人たちの距離(ディスタンス)」「ビフォア・サンセット」に続く3作目
製作・監督・脚本: リチャード・リンクレイター
パリに住む小説家のジェシー(イーサン・ホーク)と環境運動家のセリーヌ(ジュリー・デルピー)は、双子の娘たちと共にギリシャの海辺の街でバカンスを過ごしている。一緒に夏休みを過ごしアメリカ・シカゴの前妻の元へ帰って行った息子ハンク(シーマス・デイヴィー=フィッツパトリック)の成長を案じて、シカゴへの引っ越しを提案するジェシーに、反発するセリーヌ。彼らは友人たちの計らいで子どもたちを預け、ホテルで久しぶりにふたりだけの時間を過ごすことになるが…。
待ちに待っていた3作目。
まさかまた9年も待つとは思いませんでした。
1作目からは18年経ちました。
「飛行機に乗り遅れるわよ。」とセリーヌに言われて、「知ってるよ。」で終わった前作。
その後ふたりはどうなったのか。
やっぱりジェシーは、飛行機に乗らなかったのね。
ジェシーは離婚し、ジェシーとセリーヌには、双子の娘がいる。
友人の招待で、ギリシャの海辺の町でバカンスを過ごす事になり、ジェシーの前妻との間の息子ハンクも呼び寄せて、夏休みを過ごした。
映画は、空港で息子を見送るジェシーとハンクの場面から始まる。
息子を見送って、セリーヌと娘たちが待つ車へ戻るジェシー。
このシリーズは会話劇。今回もほとんどはジェシーとセリーヌの会話。
脚本は、監督とイーサンとジュリーの3人の共同執筆。
アドリブに見えても、実はリハーサルを何度も繰り返し、自然に見えるようにしているそうです。
車中のふたりの会話
町を歩きながらの会話など
↑なぜかシャツの半分だけずっとジーンズの外
セリーヌはもともと、バリバリ仕事をしたいタイプ。
夫の従属物にはなりたくない。
思いがけず娘ができ、家事や育児に追われて、自分だけの時間を持つのは難しい。
ジェシーが売れっ子作家になり、朗読会などの仕事で、不在の事も多いのでなおさらです。夫はキャリアを築いていくのに、自分の仕事はままならない。
一方ジェシーは、息子と離れているのが寂しい。
子供が親を必要とする時期は限られているので、そばにいてやりたい。
息子の親権が自分にないのは自分のせいだけど、できれば一緒に暮らしたい。
2人共、それぞれに悩みや苛立ちがあるのよ。
既婚者なら会話の内容に、うんうんとうなずく事が多いのではないでしょうか。
夫が口にする言葉、妻が口にする言葉満載?(爆)
楽しくユーモアたっぷりに会話していたかと思うと、険悪な言い争いになったりを繰り返すふたり。
前作までの恋に落ちた二人の会話から、一気に所帯じみてます。
恋をするのは簡単だけど、生活を一緒に続けるには、お互いの辛抱と努力と思いやり。
妥協点が見いだせるかどうか。
それと相性かしら。
ふたりはどうなってしまうのかと心配しながら見ていましたが、
ラストシーンでなぜか涙が。
やっぱりこのふたりには、こうなって欲しい。
会話の内容は現実的だけど、このふたりの関係は女性の夢であって欲しい。
だいたい、ウィーンでたった1日だけ過ごした相手を9年間も想い続けていたんですから、その部分はハーレクインロマンス的でしょ。
山あり谷ありのカップルであっても、ウィーンで出会ったふたりは、お互い運命の相手であってほしいの。
イーサン・ホークも現在43才。
好きな俳優のひとりです。
デビュー作の「エクスプローラーズ」では、こんなに可愛かったんですねえ。
同じ作品でデビューしたリバー・フェニックスと違って、この後学業に専念して、次に出演したのは大学生の時で「いまを生きる」。
恋人たちの距離では、20代半ば。
ビフェア・サンセットは30代前半。
私生活でも、結婚と離婚、再婚を経験。
会話劇といえば、同じくリチャード・リンクレイター監督で、イーサン・ホーク、当時のイーサンの妻ユマ・サーマンと、「いまを生きる」で共演して友人のロバート・ショーン・レナード3人の、「テープ」も面白いですよ。
(鑑賞日1月29日)
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確かに立派な中年となったかつての恋人たちの会話が
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憧れから親近感をもてる距離になってましたね~。
それでも夫婦の危機的状況の、ある意味理想の幕引きにやっぱりグッときました
「テープ」観てみたいデス♪
投稿: kira | 2014年2月 1日 (土) 11:20
こんにちは
これ、超観たいです
私は、1作目「ビフォアサンライズ」でイーサンのさりげない言動に胸キュンしたんですが、この3作目は集大成とおいうか批評家の評価もいいって評判だから、是非観たい!!!!
投稿: ほぼ毎 | 2014年2月 1日 (土) 11:22
★kiraさん
タイムマシンに感謝のラストでした。
★ほぼ毎さん
感想お待ちしてまーす。
投稿: 風子 | 2014年2月 1日 (土) 20:30
イーサンの映画だと、冷静に見れないもんで、偏った感想になっております。
てか、このシリーズには、思い入れがありすぎて、だめです。
「テープ」は、まだユマと睦まじい頃を思い出させますね。
どっか神経症気味なイーサンも素敵でした。
アカデミー賞は無理だと思いましたが、あそこに座ってるイーサンはめったにないので、とっても嬉しかったです。
投稿: sakurai | 2014年3月 6日 (木) 11:40
★sakuraiさん
イーサンファンのsakuraiさんには、感慨深いでしょうねえ。
投稿: 風子 | 2014年3月 6日 (木) 11:45