ウォルト・ディズニーの約束
父への想い
公式サイト http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/walt
監督: ジョン・リー・ハンコック 「しあわせの隠れ場所」
1961年、経済的理由からパメラ・L・トラヴァース(エマ・トンプソン)は、長年拒んできた自身の著書メリー・ポピンズの映画化について話し合うために、ロサンゼルスに向かう。気難しくて頑固な彼女は、ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)やスタッフのアイディアにことごとく反対し、ついには映画化の契約書に署名しないまま、イギリスへ帰ってしまう。
メリー・ポピンズは子供の頃見ただけで、物語はよく覚えていないけれど、音楽は耳に残っている。
鑑賞の翌日、テレビ放映で「メリー・ポピンズ」を見ました。
やっぱり見ておいた方が、より本作の内容が把握できますね。
有名な「チム・チム・チェリー」のメロディーが、本作のオープニングのバックに流れました。
当初、この映画を見る予定ではなかったのだけれど、予告編でコリンが出ていたので見る事に決定。(笑)
主人公がトム・ハンクスのように宣伝されていますけど、エマ・トンプソンが主役よ。
原作者のP・L・トラヴァースが、なぜ細部にまでこだわって注文をつけ、映画化スタッフたちにダメだしをするのか。
その理由は、彼女の子供時代の家族の思い出、特に父親(コリン・ファレル)の事に大きく関係しているのが、回想シーンで観客にはわかるのです。
なぜ梨を捨てたのか。
なぜ「メリー・ポピンズ」のバンクス氏に髭はいらないと言うのか。
彼女の言動の一つ一つの理由がわかるのです。
映像は、1961年と彼女の子供時代が交互に映し出されます。
彼女の気持ちが胸に沁みてきて、涙がぼろぼろこぼれてしまいました。
こんなに泣けてしまう映画とは思っていませんでした。
他の人にとってどうあれ、彼女は父親が本当に大好きだったのねえ。
ウォルト・ディズニーは、娘の愛読書だった「メリー・ポピンズ」の映画化をずっとしようとしていたけれど、原作者に断られ続けていた。
1961年、原作者のP・L・トラヴァースは、本が売れずに印税収入がなくなり、代理人から映画化を承諾するようにアドバイスされていました。
トラヴァース夫人は映画化の話し合いにロサンゼルスに行きますが、少しでも気に入らないところがあれば映画化は許可しないと言い、スタッフとの会話も全て録音させます。
脚本家のドン・ダグラディ(ブラッドリー・ウィットフォード)や、音楽担当のシャーマン兄弟に、ことあるごとに“No! No! No!”というP・L・トラヴァース。
ウォルトが、ディズニーランドを案内しても効果なし。
ついには彼女はイギリスへ帰ってしまう。
なぜあそこまで頑ななのだろうと、ウォルトは頭を悩ませます。
でも、実は彼女がオーストラリア人である事を知り、彼女の事を調べたのでしょう。
彼女を説得するために、イギリスへ行きます。
トラヴァース夫人は、オーストラリアで生まれ育った。
父はアイルランド人。
父が仕事に失敗して、一家は町から外れたみすぼらしい家に引っ越す。
どうしてなのかは詳しい説明はなく、子供時代の回想シーンは、長女ギンティ(トラヴァース夫人)の目線で語られます。
アル中の父は、母の姉のエリー伯母さんの口利きで銀行で働いているが、どうも気にそぐわない仕事らしい。
そんな父だけど、子供たちの空想話に付き合ってくれて、一緒に遊んでくれる。
しかしアル中の父はとうとう体を壊して、働けずにベッドの中。
幼子3人の育児と、一向にお酒をやめられない夫の介護などで、母は精神的にすっかりまいってしまう。
そんな時、しっかり者で厳格なエリー伯母さん(レイチェル・グリフィス)がやってくる。
コリンは回想シーンにちょっとだけの登場なのかと思っていましたが、物語の重要な人物だったわ。こういう弱さを持つ役は、得意なコリン。
ロサンゼルスで、トラヴァース夫人の運転手を勤めるポール・ジアマッティもよかった。
彼と夫人の会話にも泣かされました。
(鑑賞日3月22日)
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...... [続きを読む]
ほんと、これほどずっしりと、深い作品だとは思わずに、つい不覚を取ってしまいました。
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投稿: sakurai | 2014年4月14日 (月) 13:52
★sakuraiさん
思っていたのと、まったく違う作品でした。
見てよかったです。
投稿: 風子 | 2014年4月14日 (月) 16:42