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2014年12月 8日 (月)

暮れ逢い プレミア試写会

男の視線

A_promise

公式サイト http://www.kure-ai.com
12月20日公開

原作: Journey into the Past (シュテファン・ツヴァイク著)
監督: パトリス・ルコント  「髪結いの亭主」 「橋の上の娘」

貧しいが大学の工学部を主席で卒業したフリドリック・ザイツ(リチャード・マッデン)は、就職した製鉄会社で有能な仕事ぶりを評価され、社長のホフマイスター(アラン・リックマン)に目をかけられて、持病のために自宅療養を余儀なくされた社長と会社の連絡役に任ぜられる。社長の屋敷に出入りするようになったザイツは、社長の若妻ロット(レベッカ・ホール)に、一目で心を奪われる。社長から屋敷に住み込んで個人秘書をするように命じられると、ザイツは愛する人のそばにいられる喜びと、人妻を愛してしまったの罪悪感との間で心を揺らす。

上映前に監督の舞台挨拶、上映後にQ&Aがありました。

写真撮影OKになったのが、うれしかったです。

監督は、コメディアンみたいにとってもユーモラスでお茶目でした。
石田純一の娘すみれが真っ赤なバラの花束を持って登場すると、彼女のハイヒールを履いた身長を度々ネタにしていました。

Pl214

背伸びしてみたり、

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敬礼してみたり。
観客を楽しく笑わせてくれました。
サービス精神旺盛なので、予定よりだいぶ時間が延びたみたい。
司会者がちょっと困ってた?

Pl212

来日は15回目なんですって。
フランスから遠く離れた日本で、自分の映画を見てくれている人がいるのがうれしいので、映画のプロモーションで来日の依頼があると、断らないそうです。

フランスの恋愛映画とは相性が悪いのですが、この監督の作品は違うのよね。
だいたいフランス映画の恋愛映画って、不倫とヌードのベッドシーンが不可欠?
なんとなく皮肉で冷めた目で見ているというか、客観的に見る感じ。

そんな中、ルコント監督作の恋愛映画は官能的ではあるけれど、とてもロマンチックだと思う。
そして、登場人物に感情移入できる作りだからかな。

さて、映画の舞台はドイツ。
でも映画のセリフは英語です。

主役のリチャード・マッデンは、TVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で、スターク家の長男だった。
髪型と衣装で印象が違いますねえ。

R_m

来年4月公開のディズニーの実写版シンデレラでは、チャーミング王子役です。
監督は今作のキャスティングでは、クラシカルな感じとモダンな感じの両方を持つ俳優を選んだそうです。

幼くして両親を失ったザイツですが、頑張って大学を優秀な成績で卒業し、大会社に就職。それでもお金がないので、狭くて古い部屋に下宿し、履いている靴はボロボロ。

始めは古くて狭くて資料置き場のようなオフィスだったけど、有能なのを認められ、秘書付きできれいなオフィスを与えられ、社長に目をかけられる。

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社長が自宅療養となり、ザイツは会社と社長宅を行ったり来たり。
そして社長の妻ロットに一目ぼれ。
レベッカ・ホールは、これまで見た出演作の中で、一番美しく見えました。

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ザイツには下宿先のアパートにガールフレンドのアンナ(シャノン・ターベット)がいるけれど、エレガントで教養のある女性に接するのは初めてだったのではないかしら。

A_promise_s

ロットに心を奪われると、アンナを避けるようになるザイツ。
若いザイツは、次第にロットへの欲情を抑え切れない。
しかしロットは、病気の夫と幼い息子がいる身。
ザイツのように、欲情に身を任せることはできない。

ロットには婚約者がいたけれど、事故で亡くなってしまい、その時心の支えになってくれたのが、両親の友人だったホフマイスター。
そんな経緯で、年の離れた男と結婚したロット。

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ザイツの視線のカメラワーク。
男性はこんな風に女性を見て欲情するのねえ~~。
そしてロットの気持ちも、映像からよく伝わってくる。

ザイツが仕事で2年間メキシコに行く事になると、ザイツとロットはある約束をします。
本作の英題は“A Promise”

しかし、あと数ヶ月でザイツが帰国する予定だったところで第1次世界大戦が始まって、帰国どころか手紙も届かなくなる。

ザイツの心が自分から離れていったのを感じ取るアンナもかわいそうだったけど、ホフマイスターは、どう感じていたのだろうと見ていました。

A_promise_2

ザイツの妻への気持ちにはすぐに気づいたはずなのに、なぜ自分の屋敷に住まわせたのだろう。そして、ザイツをメキシコに行かせたのは?
彼の真意が語られたときは、しんみりしました。
彼の心も、ジレンマを抱えていたんですねえ~。

上映が終了したのは午後10時近くでした。(゚ー゚;
帰った人もいましたよ。

ここからネタバレ

上映後のQ&Aによると、結末は原作と違うとか。
原作ではとても悲しいラストだけど、監督には原作どおりのラストにはできなかったそうです。
ロットの望みをかなえてあげたかったんですって。
こういうところも、ハッピーエンドが好きな私が、この監督の作品に嫌悪感がない理由のひとつかも。

(鑑賞日12月4日)

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コメント

直接的なシーンはなくても、匂い立つような色香みたいなもんがあったと思うんですよ、ルコントには。
なんかそれが感じられなかった。やけに健康的!って感じで。
それが狙いだったら、成功なんですがね。

★sakuraiさん
肉体的に不倫をする人妻ではないからではないでしょうか。
視線をエロさは感じられたと思いますけど。

いつもTBばかりで失礼しています。
コテコテのメロドラマかな、と思っていましたが、
見て楽しめる映画でした。

原作は映画と違う結末だったのですね。
教えて下さってありがとうございました。
でも、原作通りで泣かせてくれても良かったかなって思いました。

★小米花さん
原作は未読ですが、試写会のQ&Aで結末は違うと言っていました。
原作では、若いザイツの心はもうロットにはないらしいです。
約束通りにはならなかったんですね。

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