フォックスキャッチャー (試写会)
大富豪の狂気
公式サイト http://www.foxcatcher-movie.jp
2月14日公開
実話に基づいた映画
原作はマーク・シュルツの自叙伝
監督: ベネット・ミラー 「カポーティ」 「マネーボール」
1984年のロサンゼルス・オリンピックで金メダルに輝いたレスリング選手でありながら、経済的に苦しい生活を送っていたマーク・シュルツ(チャニング・テイタム)は、ある日、有名な大財閥デュポン家の御曹司ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)から、自ら率いるレスリング・チーム“フォックスキャッチャー”で、1988年のソウル・オリンピックの金メダルを目指そうと誘われる。マークは破格の年俸で契約を結び、デュポンがペンシルベニア州の広大な所有地に建造した最先端の施設でトレーニングを開始する。しかしデュポンの度重なる突飛な言動、マークの精神的な混乱がエスカレートするにつれ、ふたりの主従関係はじわじわと崩壊してゆく。
上映前に、監督の実弟セオドール・ミラー氏と彼の妻でモデルのアンミカさんのトークショーがありました。
弟さんはイベント会社を経営しているらしいですが、日本語がペラペラで驚きました。
本作の撮影現場にも行ったそうで、スティーヴ・カレルは役に入り込んでいて、誰も近づけない雰囲気だったそうですよ。
さて映画は、「カポーティ」「マネーボール」同様、実在の人物を描いている。
楽しい映画ではないし、エンターテイメント性もなく淡々としていて静かなので、隣りの男性は、始まりのほうは寝ていたようだった。
役者の演技力を見る映画かな。
メインキャスト3人の演技はすごいです。
特にコメディー映画の出演が多いスティーヴ・カレルが、これまでと全く違うシリアスな役。怖いですよ~。
それとね、静かなんけど、音が状況や心情を語るのよ。
音の使い方にも注目。
マーク・シュルツはオリンピックの金メダリストでありながら、兄の影に隠れ評価されない。
一方大富豪のジョン・デュポンも、母親(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)から評価されていないので、マークに目を留めたのかもしれない。
母親から認められていたら、ジョンももっと違う人間に育っていたかもしれない。
息子は母親に認められたかったし、母親は意識的ではないにしても、彼を支配しようとしていたのかな。
初めはジョンに感謝していたマークだけど、次第に彼の目的は、自分が世間から評価される事だとわかるの。
ジョンとの関係が壊れていくに連れ、お酒やドラッグに溺れてしまう。
ジョンがお金の力で、マークの兄のデイヴ(マーク・ラファロ)をコーチとしてフォックスキャッチャーに呼び寄せる。
するとデイヴは、弟の精神状態がおかしい事に気づく。
幼い頃から父親代わりでもあったから、そりゃわかるわよね。
デイヴもジョンの狂気に気づくけど、家族の生活の安定のために、フォックスキャッチャーに留まる事を決める。
なまじお金があると、財力以外は、自分が大した人間ではないと認めたくないのかしらね。
己を知るって大事よね。
金メダリストであり、良き夫、良き父親で、コーチとしても評価されているマークが、妬ましかったのかしら。
自分には無い物、手に入れられない物を持っていたマーク。
(鑑賞日1月29日)
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----レスリング・チーム?
「うん。
野球で言えば球団名...... [続きを読む]
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【ストーリー】
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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/166624/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
レスリングの金メダリストが、後援の富豪に殺された実話――
というのが辛くて、躊躇しましたが、
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鑑賞しました。
&nb..... [続きを読む]
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映画「フォックスキャッチャー 」★★★☆
スティーブ・カレル、チャニング・テイタム、
マーク・ラファロ、バネッサ・レッドグレーブ、
シエナ・ミラー 出演
ベネット・ミラー 監督、
135分、2015年2月14日公開
2014,アメリカ,ロングライド
(原題/原作:SIFOXCATCHER)
人気ブログランキングへ">>→ ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい←
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うわあ〜怖い〜〜!とは違って
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『フォックスキャッチャー』を渋谷シネマライズで見ました。
(1)昨年のカンヌ国際映画祭で監督のベネット・ミラー(注1)が監督賞を受賞した作品だというので、映画館に行ってきました。
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» 『フォックスキャッチャー』 なぜこうなったのか [No Movie, Not My Life!]
ようやく松山でも上映の『 フォックスキャッチャー 』
最終日に駆け込みで地元のアート系劇場シネマルナティックで観てきました!
FOXCATCHER 2014年 135分
あらすじ: 1984年のロサンジェルス・オリンピックで金メダルを獲得したレスリング選手、マーク・シュルツ。しかし、マイナー競技ゆえに生活は相も変わらず苦しいまま。同じ金メダリストでマークが頼りにする兄のデイヴも、妻子ができて以前のように付きっきりというわけにはいかない。いまや、..... [続きを読む]
» フォックスキャッチャー [Cest joli〜ここちいい毎日を♪〜]
フォックスキャッチャー
14:米
◆原題:FOXCATCHER
◆監督:ベネット・ミラー「マネーボール」「カポーティ」
◆出演:スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、シエナ・ミラー、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、アンソニー・マイケル・ホール、ガイ...... [続きを読む]
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【概略】
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サスペンス
なぜ大財閥の御曹司は、オリンピックの金メダリストを殺したのか?
1996年1月26日、世界的な化学メーカー、デュポン社の創業者一族の御曹司が、レスリングの金メダリストを射殺したのだ。変わり者として知られた大富豪と優秀なアスリートの間には、いかなる因縁があ... [続きを読む]
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JUGEMテーマ:サスペンス映画全般
「フォックスキャッチャー」
原題「Foxcatcher」
監督:ベネット・ミラー
2014年 アメリカ映画 135分
キャスト:スティーヴ・カレル
チャニング・テイタム
マーク・ラファロ
バネッサ・レッドグレープ
シエナ・ミラー
ロス五輪の金メダリスト、マークは経済的に苦しく、
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先日の目黒シネマに続いて、今度は飯田橋の名画座、ギンレイホールで「フォックスキャ [続きを読む]
話はともあれ、役者ってマジ凄い!と感じさせてもらいました。
スティーブ・カレルが近寄りがたい雰囲気だったというのも、わかりますわ。
投稿: sakurai | 2015年3月12日 (木) 11:39
★sakuraiさん
コメディー俳優のカレルがこんな役をやれるとは、
本当に驚きですね。
投稿: 風子 | 2015年3月12日 (木) 12:05
最近見た中では一番面白かった映画です。
3人の俳優の演技が光りましたね。
スティーヴ・カレルの鼻も含めて特殊メイクしたルックスと金持ちながらどこか歪んでいる人柄の表現。
チャニング・テイタムがいつも伏し目がちで兄を超えられない自分に悩みながら、一人では生きられないマークの心を全身で演じる。
陽気でかつ人望もあり、家族にも恵まれた兄デイヴ役のマーク・ラファロ。
見終わってからもいろいろ考えてしまいました。
投稿: ミス・マープル | 2015年9月 7日 (月) 17:55
★ミス・マープルさん
お金持ちだからって、心が満たされるとは限らないですよね。
やっぱり人とのつながりとか、心のつながりが大切ですね。
投稿: 風子 | 2015年9月 8日 (火) 09:31