チャッピー
命とは
公式サイト http://www.chappie-movie.jp
監督: ニール・ブロムカンプ 「第9地区」 「エリジウム」
2016年。南アフリカの犯罪多発都市ヨハネスブルグでは、テトラバール社のエンジニア、ディオン(デーヴ・パテル)が開発した警察用ロボット「スカウト」が、犯罪の減少に貢献していた。ディオンはさらに、人間と同じ様に自分で考え、成長するという画期的な人工知能(AI)の開発に成功、テストのために廃棄予定のスカウト22号を譲ってもらえるようにCEOミシェル(シガニー・ウィーヴァー)に頼み込むが、「兵器に感受性は必要ない」と却下される。どうしても諦め切れないディオンは、勝手に22号を持ち出してしまうが、警察のスカウトを機能停止させて現金輸送車を襲おうと計画する、3人組のギャングに誘拐されてしまう。
ニール・ブロムカンプ監督作のロボットって、いつも曲線的でスタイリッシュでもきれいなデザインでもなくて、廃品で組み立てられたような四角くてレトロな感じね。
人工知能を持つロボットを通して、人間とは、生命とは何だろうと考えるような作品でした。
うるっときた場面もありました。
「猿の惑星:創世記」で、科学者のエゴがとんでもない事態を引き起こす要因になっていたけど、本作でもそう。
ディオンは、どうしても人工知能ロボットを試してみたい。
一方、ディオンと同じ会社のヴィンセント(ヒュー・ジャックマン)は、自分が開発した警察用ロボット「ムース」が却下され、研究開発費も大幅に削減された恨みをディオンに向ける。
こいつも自分勝手な考えから、とんでもない事をしでかすのよね。
ヒュー・ジャックマンが、元軍人のエンジニア。
悪役を好演しています。
本当に嫌な奴に見えます。
何が善で何が悪か、決めるのは難しい。
個々によって違うし時代によっても変化して、絶対的なものではないから。
ロボットって、創った人の倫理観や価値観が大きく影響する物だと思うのよ。
ロボットが良いとか悪いとかではなく、作り手側の問題じゃない?
ギャング(ニンジャ、アメリカ、ヨーランディ)に誘拐されたディオンは、スカウトのスイッチをオフにする事や、ハッキングは不可能だと言い、そして人工知能を入れたロボットを組み立てます。
赤ん坊のように真っ新な状態から、周囲の人や物から早いスピードで学んでいき、ギャングたちはそれをチャッピーと名付けます。
ヨーランディは、チャッピーと接する事で、母性が芽生えます。
チャッピーには、愛と優しさを与える存在。
一方チャッピーを犯罪に利用しようとするニンジャとアメリカは、武器の使い方を教えます。アメリカ役は「アドレナリン」の悪役で、ブロムカンプ監督の「エリジウム」にも出演していたホセ・パブロ・カンティージョよ。
そんな中、人を疑うことを知らないチャッピーは、なぜ自分がひどい目にあうのかわからない。その様子がとってもかわいそう。
人間同様、育つ環境って大事よ。
ディオンには犯罪はいけないと約束させられたチャッピーですが、ギャングに騙されて犯罪に利用されてしまいます。
廃棄予定だったロボット22号のバッテリーは、あと数日しか持たない。
それを知ったチャッピーは、何とか新しい体を手に入れて生きたいと思う。
チャッピーがした事は、「トランセンデンス」を思い出させました。
永遠の命ってどうなんでしょうか。
桜のように、いさぎよく散るから命は美しいのではないかしら。
色々考えてしまうラストでした。
(観賞日5月27日)
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上映前に赤ペン瀧川先生による紹介があった。
おそらく映画.comでそのまま使われると思われるので気になった方は探してみてください。
【ストーリー】
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【出演】
デヴ・パテル
シャールト・コプリー
ヒュー・ジャックマン
シガニー・ウィーヴァー
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SFアクション
犯罪が多発するヨハネスブルグで心も知能も人間のように成長するロボットが犯罪組織に巻き込まれ、そこでの経験を元に成長する姿を描いた作品。ま... [続きを読む]
TBありがとうございます。
単純なハッピーエンドではなかったですね。
「命」って難しいですね。
ヒュー・ジャックマンが悪役(筋肉バカ)というのは珍しくて、本当に嫌な奴に見えました。(笑)
投稿: すぷーきー | 2015年6月 7日 (日) 20:43
★すぷーきーさん
なかなか考えされられるテーマが入っていました。
こういう悪役もこなせるヒュー・ジャックマンは、
やっぱり演技力があるんですね。
投稿: 風子 | 2015年6月 8日 (月) 09:30