Dearダニー 君へのうた
音楽を堕落させるのは
金や名声ではなく自分自身
公式サイト http://deardanny.jp
事実に少しだけ基づいた物語
スターとしての絶頂期を過ぎ、もう何年も新曲を書いていないダニー・コリンズ(アル・パチーノ)。往年のヒット曲さえ歌っていれば派手な暮らしは続けられたが、どこか空しかった。そんな時、長年彼を支えてきたマネージャーのフランク(クリストファー・プラマー)が、43年前にジョン・レノンが、駆け出しのミュージシャンだったダニーに書いた手紙を入手した。そこには、富や名声に惑わされず、音楽への愛情を持ち続けることの大切さが綴られていた。それを読んだダニーは人生を変えようと決意し、ツアーをキャンセルして、一度も会ったことのない息子(ボビー・カナベイル)を訪ねる。
イギリスのミュージシャン、スティーヴ・ティルストンが、デビューして間もない1971年に、マイナーな音楽雑誌「ジグザグ」のインタビューを受けた。その記事を読んだらしいジョン・レノンが、ティルストン宛てに手紙を書いていた。
2005年ティルストンのもとに、その手紙を手に入れたアメリカのコレクターから、手紙が本物だと証明してほしいと連絡が来たそうです。
全くねえ、金の亡者が多いのねえ。
出した手紙が本人に届かず、コレクターが持っているなんて、とんでもないでしょ。
手紙は編集部に届いたけど、ティルストンには届けないで、コレクターに売ったらしいのよ。
そいつはすでに堕落してるわよね。
何十年もたってから、自分宛てのジョン・レノンの手紙を読んだティルストン。
そんな事実を基に、監督のダン・フォーゲルマンが創造した物語だそうだ。
映画のバックには、ジョン・レノンの歌が流れる。
ジョン・レノンの曲が映画のサントラに使用されたのは、始めてだそう。
これまで小野ヨーコが許可を出さなかったのに、OKが出たんですって。
ダニーのステージのシーンは、なんとロサンゼルスのグリーク・シアターでのシカゴのコンサートの、10分の休憩時間に撮影されたというのがすごい!
監督はどんな交渉をして、許可をもらったのかしら。
シカゴを聞きに来ていた人たちが、撮影に協力して合わせてくれているのもすごいわよ。
物語は、老いた男が自分を見つめ直す王道の物語。
目新しくはないけれど、キャストがいいから安心して見ていられる。
ダニーは欠点の多い不良じいちゃんだけど、憎めなくてチャーミングな雰囲気をアル・パチーノが出している。
やっぱりうまいわ。
誕生祝に、マネージャーで親友のフランクから、昔ジョン・レノンが自分宛てに書いた手紙をもらったダニー。
浮気している若い婚約者と婚約を解消し、ツアーも中止して、今まで一度も会った事のない息子に会いに行く。
酒とドラッグと女三昧の生活とおさらば。
息子に会いに行っても、すぐには受け入れられないは承知の上のダニー。
時間をかけるために、ホテルの部屋に長期滞在するのを決める。
そこの支配人にアネット・ベニング。
バツイチで娘が一人いる設定。
ホテルのスタッフたちとダニーの会話も楽しい♪
いざ息子に会いに行くと、案の定息子には追い返される。
それでも諦めずに、息子の家族に度々会いに行く。
孫は多動性障害があり、育児をする嫁はなかなか大変。
第二子を妊娠中の嫁は、早産の危険がある。
そして息子は、亡くなった母親と同じ病にかかっていた。
やっぱり血がつながっているのが家族なのではなく、苦楽を共にするのが家族なのね。
辛い時に支えてくれる人がいるのは、とても心強いし幸せな事。
ダニーは息子の家族に金銭的援助をするだけでなく、寄り添おうとするの。
さりげなく病院に来ているダニーがよかった。
終わり方もなかなか良かった。
ダン・フォーゲルマンの初監督作品だけど、この人、数々の脚本を手掛けている人なのね。
アニメの「カーズ」や「塔の上のラプンツェル」。
「ラブ・アゲイン」に「ラストベガス」など。
ベタでも心地よいのが、この人の持ち味なのかな。
(観賞日10月5日)
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TBありがとうございます。
何ともラストが心地よい映画でしたね。
メアリーとダニーとの会話の掛け合いもおもしろかったし、ラストの病院でのカットもよかったです。
投稿: ミス・マープル | 2016年3月 7日 (月) 09:14
★ミス・マープルさん
やっぱり後味のいい映画は
いい気分で映画館から帰れます。
投稿: 風子 | 2016年3月 7日 (月) 09:24