独裁者と小さな孫 (試写会)
あなたならどうする
公式サイト http://dokusaisha.jp
12月12日公開
監督: モフセン・マフマルバフ 「カンダハール」 「アフガン・アルファベット」
独裁政権による支配が続いていた国で、大規模なクーデターが勃発。大統領(ミシャ・ゴミアシュヴィリ)の妻や娘たちはいち早く国外へ避難する。 だが、大好きな幼なじみのマリアやオモチャと離れたくない幼い孫(ダチ・オルウェラシュヴィリ)は、大統領と残ることになる。やがて街では民衆が暴徒化し、大統領への報復を呼び掛ける怒声と銃声が至るところで轟く。兵士たちは反旗を翻し、独裁政権は完全に崩壊する。 今や全国民から追われる賞金首となってしまった大統領は、小さな孫を抱え逃亡を余儀なくされる。二人は安全な地へ逃れるべく、船の待つ海を目指す。
本作の監督モフセン・マフマルバフ氏と、映画監督河瀬直美さんのトークショー付きの試写会でした。
トークショーの様子の記事は↓
http://www.cinematoday.jp/page/N0077280
記事に載っていない話では、監督は日本版ポスターが気に入っているそうです。
フランスでのポスターは軍服姿だとか言っていたけど
↓かしら
架空の国の話ですが、撮影が行われたのはジョージア。
日本政府はグルジアの呼称を、今年4月にジョージアに変更していたんですね。(^^ゞ
アメリカのジョージア州とまぎらわしいわ。
トークショーの中にもあったけど、映画を見て思い浮かべる国はいくつもある。
過去にも現在にも。
何が正義か。
今は正義と思っていても、50年後、100年後もそれが正義と定義されているだろうか。
負の連鎖、復讐の連鎖は止められるのか。
理論ではわかっていても、感情は抑えられるだろうか。
民衆を苦しめる独裁政権を生み出さないためには、どうすればいいのだろう。
様々考えてしまう映画でした。
宮殿の中で贅沢に育った孫は、とてもわがまま。
突然祖父と共に逃げる事になるが、幼い孫には置かれている状況がわからない。
なぜ逃げなくてはならないのか。
大統領はなぜ嫌われているのか。
逃亡する中で、祖父に色々と疑問を投げかける。
大統領は貧しい床屋からボロボロの服を奪い、羊飼いを装ったり、 可哀そうな炭鉱夫の子供からギターを奪って旅芸人のように振る舞う。憐れな死体から赤いスカーフを取って、孫を女の子に見せかけ、 変装で素性を隠しながら逃亡。
逃亡中に目にする光景や耳にする会話は、孫の今後にどういう影響を与えるのか。
自分が民衆だったらどうする?
こういう国にならないためには?
(観賞日10月20日)
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» 『独裁者と小さな孫』 2015年11月24日 アキバシアター [気ままな映画生活(適当なコメントですが、よければどうぞ!)]
『独裁者と小さな孫』 を試写会で鑑賞しました。
前もって知識を仕入れず観たのですが、これは面白い。
というか傑作かもw
【ストーリー】
年老いた独裁者(ミシャ・ゴミアシュヴィリ)による支配が続いていた国で、大規模なクーデターが勃発。幼い孫(ダチ・オルウェラシュヴィリ)と一緒に逃亡した独裁者だったが、政権維持を理由に無実の人々を手に掛けてきたことから激しく憎まれており、変装することを余儀なくされる。孫にも自分が誰であるかを決して口に出さぬよう厳しく注意し、追手などを警戒しながら海を目指す。さまざ... [続きを読む]
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独裁者を作り出すのは誰か。
イラン出身の名匠・モフセン・マフマルバフ監督による、寓話的流離譚。
ある国で革命が勃発し、それまで国民を搾取し、思いのままに権力を振るってきた老独裁者は、逃亡を余儀なくされる。
危険な旅に同伴するのは、まだ幼い孫が一人。
羊飼いや旅芸人に変装し、国境の海を目指す厳しい道程は、独裁者にとって権力の座に着いてから初めて、市井の人々と触れ合う機会となる。
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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/168417/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
某国の大統領(独裁者)が、反乱により 小さい孫と二人で、国内を逃げ回る――
孫は、子どもらしく、無垢でよいですが 微笑ましくもあり、イライラもさせながら(汗) 大統領の道中を、もう1つの視点で、見せているようです。
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なかなか・・・引き込まれた映画 4つ★
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TBありがとうございます。
元政治犯たちの語る言葉が重かったですね。負の連鎖は断ち切るべきだけれど、自分自身の怒りや悲しみや苦しみは、どこで解消できるのか。難しい問題です。
「こんなゲームいやだよ」と何度も孫が言う姿は、この子にはこんな世界で生きてほしくないという願いがこもっていた気がします。
投稿: ミス・マープル | 2016年6月25日 (土) 16:55
★ミス・マープルさん
負の連鎖は止めたいけど、感情的には難しく厳しいですねえ。
誰でも平和な暮らしを願っているんですけどね。
投稿: 風子 | 2016年6月26日 (日) 10:31
独裁者というと悪いイメージがありますが、必ずしもそうではないと思います。賢者の政治をする人もいますし、ただその人がいなくなるとその時点から国はおかしくなっていくのが常ですね。
この作品の大統領は、もう老いてしまって、老害に近いんでしょうし、息子はもういなくなって(暗殺されて)、いずれにしても国家体制は崩壊前夜だったんでしょう。
もう自分で把握さえもできない田k身になってしまって、もう民衆のことが見えていなかった。
憐れもを感じましたし、さいごの“寛大な政治犯”が印象的でした。
こちらからもTBできましたらお願いします。
投稿: atts1964 | 2016年8月 5日 (金) 16:39