白い沈黙
許せない犯罪
公式サイト http://shiroi-chinmoku.com
監督: アトム・エゴヤン 「クロエ」 「デビルズ・ノット」
カナダ・ナイアガラフォールズの街で、妻(ミレイユ・イーノス)と9歳になる娘キャスとつつましくも幸せに暮らしていたマシュー(ライアン・レイノルズ)。ある吹雪の日、スケート選手を夢見る愛娘を迎えに行った帰り道、行きつけのダイナーに立ち寄ったほんの数分の間に、車の後部座席にいた娘が忽然と姿を消してしまった。何者かによる誘拐を主張するマシューだったが、具体的な物的証拠や目撃情報は一切ない。刑事たちから疑惑の目を向けられたマシューは、娘の失踪に取り乱した妻ティナからも猛烈な非難を浴びてしまう。
それから8年。捜査は完全に行き詰っていた。娘を守れなかった自責の念に駆られたマシューは、毎日あてどなく車を走らせてキャスを捜し廻っている。そんなある日、娘の生存を仄めかす手がかりが次々と浮上する。
突然子供がいなくなり、犯罪なのか事故なのか、生きているのか死んだのかわからないのは、親にとってどれほどの苦しみだろう。
ネット社会になって、こういう犯罪ってより複雑化して増えていくのかな。
嫌ですねえ。
娘を誘拐した犯人と娘の生存はすぐに観客には明かされるので、謎解きの要素は薄いですね。犯人の目的も、だいたい予想できてしまう。
ミステリーとしてではなく、サスペンス、人間ドラマとして見た方がいいわ。
マシューの妻はホテルの清掃係なのだけど、仕事場での彼女の姿を、パソコンの画面でキャスと犯人が見ていたりするの。
犯人役はケヴィン・デュランド。
彼の仕事場のボス役で、ブルース・グリーンウッドも出演しています。
時系列通りでないので、最初はちょっと混乱しました。
現在なのかちょっと前なのかわかりづらいところもありましたね。
犯人がわかっているので、終始憤りを感じながら観賞してました。
そしてマシューと妻の苦しみや悲しみを見ているのが、とても辛かったです。
今回、妻役のミレイユ・イーノスも良かったけど、ライアン・レイノルズの演技力が光ってました。
フィギュアスケートでオリンピックを目標にしている娘の練習を、いつものように見学するマシューと妻。
娘を車に乗せたその帰り道、ダイナーで買い物をして車に戻ると娘がいない。
誘拐されたと訴えるマシュー。しかし警察は、娘が後部座席にいたのを目撃している者がいない事、マシューの借金や過去の暴力事件などを理由に、彼を疑う。
娘を変態に売ったのではなどと疑われては、潔白で娘を愛するマシューが、激怒するのも無理はない。観客は無実なのを知っていますから。
彼を執拗に疑うジェフリー・コーンウォール刑事に、スコット・スピードマン。
妻には娘から目を離したせいでいなくなったと責められ、夫婦仲は壊れてしまう。
8年後、インターネットにキャスらしき画像が...
そしてキャスの事件の手掛かりを得て、犯人を突き止めようとするニコール・ダンロップ刑事(ロザリオ・ドーソン)にも、犯人の魔の手が迫る。
ストーリーには緩いところもありますが、辛い話なのでラストまで悲惨だとへこむので、丸く収まってよかったです。
現実的には子供が心身共に立ち直るのには、かなり時間もかかると思うし、完全には立ち直れないかもしれませんよね。
(観賞日10月28日)
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