リリーのすべて
わたしはリリー
公式サイト http://lili-movie.jp
実話を基にした映画
原作: リリーのすべて (デヴィッド・エバーショフ著/ハヤカワ文庫)
監督: トム・フーパー 「英国王のスピーチ」 「レ・ミゼラブル」
1926年、デンマークのコペンハーゲン。アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、風景画で才能を高く評価されている気鋭の画家。彼ほど有名ではなかったが、妻のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)も肖像画を専門にする画家として活動していた。結婚6年目の夫妻はとても仲睦まじく、お互いに助けあい、触発しあいながら忙しい創作の日々を送っていた。ある日、ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を引き受けたのがきっかけとなり、アイナーは自分の中に潜んでいた女性の存在を自覚するようになる。最初は遊びのつもりでアイナーに女装をさせ、“リリー”として外に連れ出し楽しんでいたゲルダだったが、アイナーが心と体の不一致に悩むとともに、女性として生活していく比率が増していく様子に困惑する。
映画化されると、原作の邦題が映画の邦題と同じに変更される事が多々ある。
これも、「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」(講談社刊)だった。
内容そのままの題名ですよね。
性同一性障害の人は、大抵子供の頃に、すでにそれを感じたっていうわよね。
しかしアイナーは、結婚後。
彼の時代には性同一性障害なんて概念がなかったので、子供の頃にすでに感じていたのに、それがどういうものなのか、多分わからなかったのかしらね。
医者ですら精神病だと診断し、こういう人達は今以上に苦しんでいたでしょうね。
本人も苦しむけど、妻のゲルダも辛くて悲しい。
夫が、男性として自分に接しなくなっていくのだから。
心がどんどん女になってくアイナーにしてみれば、ゲルダを嫌いになったわけではない。
しかし、女になった自分の気持ちを吐き出せる相手が欲しい。
ゲルダにしても、次第に女になっていく夫について相談できる相手は限られる。
お互い嫌いになったわけではないけれど、男と女であった関係が、女同士の友達になっていくしかない。
夫としてのアイナーがいなくなるのを悲しみつつ、彼が女性として生きて行く事が、彼にとって幸せであるのも確信しているゲルダ。
ゲルダの深い愛に涙しました。
ゲルダがリリーの絵を描き続けていたのは、やっぱり彼女にとって、特別な人間だったのでしょうね。
自分がゲルダだったらと考えると、かなりきついし辛いわよね。
でも一方、もしわたしがこれから一生、男として生きろと言われたら、それも耐えられないわよね。そう考えると、アイナーの苦悩も計り知れない。
男として生きるより、死ぬかもしれない手術を受けてでも、本当の自分である女性として生きる選択をした勇気ある人。
切ないラストだったけれど、リリーは人生の選択に悔いはなかったと思う。
「おもしろくても理科」に、男と女という性は、はっきり分かれているのではなく、すそ野がつながった二つの山のようなものと確かあった。
新聞のコラムとかでも、両性具有の人なんか、どちらの性で戸籍を出すかなかなか大変だって言ってた。
これがなんと、アイナーの中にいた女性を呼び起こしてしまう。
段々、女性リリーとしての時間が増えていくアイナー。
そんな彼女の絵を描くゲルダ。
リリーを描いた絵が評価されたっていうのは皮肉だけど、ゲルダにとって特別な思いがある人間だし、モデルの内面もよく知っていたからではないかしら。
もともとママ似のエディ・レッドメインは、女装するとますます似てる。(笑)
パーティーにリリーとして来ていたアイナーに言い寄る男に、ベン・ウィショー。
何気にちょい役にイケメンがいたし、病院にもすごく美人のおぱあゃんがいたわ。
(鑑賞日3月23日)
« レンタルで ナイトクローラー | トップページ | バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 »
「【映画】ら~わ行」カテゴリの記事
- ロスト・フライト(2023.12.05)
- ルー、パリで生まれた猫(2023.10.12)
- ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023.05.22)
- ラーゲリより愛を込めて(2023.01.30)
- レミニセンス(2021.09.28)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: リリーのすべて:
» 『リリーのすべて』 2016年3月9日 TOHOシネマズ日劇 [気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!-]
『リリーのすべて』 をジャパンプレミアで鑑賞しました。
チケットは7分で完売と言っていたが、もうちょい経ってた気もするw
エディ・レッドメインとトム・フーパー監督の舞台挨拶であったが
トム・フーパー監督は優しさがにじみ出ていた。
【ストーリー】
1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役を依頼される。その際に、自身の内面にある女性の存在を感じ取る。それ以来リリーという女性として生活していく... [続きを読む]
» これほどの愛~『リリーのすべて』 [真紅のthinkingdays]
THE DANISH GIRL
1926年、デンマーク。コペンハーゲンで暮らす風景画家のアイナー・ヴェイ
ナー(エディ・レッドメイン)は、肖像画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィカンダー)
にモデルの代役を頼まれる。
自分の性別に耐え難い違和感を抱き、世界で初めて性別適合手術を受け
た人物と、その妻の実話の映画化。小柄で、(たまに前田敦子に見える)アイ
...... [続きを読む]
» リリーのすべて ★★★.5 [パピとママ映画のblog]
世界で初めて性別適合手術を受けたデンマーク人、リリー・エルベの実話を基に、ふとしたきっかけから男性であることに違和感を抱き始めた主人公の苦悩と、そんな夫を献身的に支え続けた妻の葛藤と感動の愛の物語を描いたドラマ。主演は「レ・ミゼラブル」「博士と彼女のセ...... [続きを読む]
» リリーのすべて/THE DANISH GIRL [我想一個人映画美的女人blog]
世界で初めて女性への性転換手術を受けたデンマークの画家リリーエルベの実話を
「英国王のスピーチ」ではアカデミー賞監督賞受賞「レ・ミゼラブル」などのトム・フーパーが映画化
名作を数本生み出してるけどまだ43歳。
原作は、デヴィッド・エバーショフの「...... [続きを読む]
» 私が彼の妻ならば・・・。『リリーのすべて 』 [水曜日のシネマ日記]
世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベと、その妻ゲルダとの愛を描いた伝記ドラマです。 [続きを読む]
» 「リリーのすべて」☆せつなさ100% [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
妻のゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが何しろ素晴らしい。
納得のアカデミー賞助演女優賞受賞だゎ。
せつなく唇を震わせて涙をこらえる妻の姿に、真実の愛を感じずにはいられない。... [続きを読む]
» 【cinema】『リリーのすべて』 [・*・ etoile ・*・]
2016.04.09 『リリーのすべて』鑑賞@TOHOシネマズみゆき座
エディ・レッドメインの女装画像を見た時(記事はコチラ)から見たいと思っていた。なかなか行かれず、公開から4週目になってやっと行ってきた〜
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「人気風...... [続きを読む]
» リリーのすべて(The Danish Girl) [田舎に住んでる映画ヲタク]
「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督と、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞の主演男優賞を手にしたエディ・レッドメインが、「レ・ミゼラブル」に続いてタッグを組み、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話...... [続きを読む]
» リリーの誕生は・・・ [笑う社会人の生活]
28日のことですが、映画「リリーのすべて」を鑑賞しました。
1926年デンマーク 風景画家のアイナー・ヴェイナーはく画家の妻ゲルダに女性モデルの代役をきっかけに自身にある女性の存在を意識する
それ以来リリーという女性として生活していく比率が増していくアイナ...... [続きを読む]
» リリーのすべて(2015)**THE DANISH GIRL [銅版画制作の日々]
あなたの愛で、本当の自分になれた。
夫が女性として生きたいと願った時、妻はすべてを受け入れた。
MOVIX京都にて鑑賞。時代は大正から昭和初期。この時代にここまで女性として生き抜いた人がいたとは・・・・。
今でこそ性同一性障害は一般的になってきているが、...... [続きを読む]
» 映画『リリーのすべて』★夫の“すべて“を受け止めた妻を絶賛☆ [**☆(yutake☆イヴのモノローグ)☆**]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/169073/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
主演:エディ・レッドメイン
・ リリー・エルベ さんのこと→ ウィキ
世界初の性転換手術を受けて、女性になった画家さんです。
“初“というのは、なんでも敷居の高いものですが
...... [続きを読む]
» 引き金をひいたのは奥さんちゃうん?~リリーのすべて~ [ペパーミントの魔術師]
今頃か~いというくらい2ヶ月以上遅れてアップしとりますどもども。
これね~。もともとアイナーの中にはリリーがいたんでしょ?
過去に封印したはずの女性の部分がはっきり表にでてくるきっかけになってしまったのが
女装して出かけたパーティだとしたら、
ほんの遊び...... [続きを読む]
TBありがとうございます。
いろんな賞を受賞したというのが納得のアリシア・ヴィキャンデルでした。
切ないですねぇ。
リリーが、もうちょっとゲルダに思いやりを示して欲しかったです。
ハンスがアイナーにキスをした時も、密かに「リリー」だったのかもしれないですね。
投稿: すぷーきー | 2016年3月30日 (水) 00:11
エディ・レッドメイン良い役者ですよね~!
この映画もなかなか良さそうですね!
見てみたいと思います!
投稿: ジョニー・タピア | 2016年3月30日 (水) 07:15
★すぷーきーさん
ほんと、アリシア・ヴィキャンデルは良かったですね。
★ジョニー・タピアさん
感想楽しみです。
妻の深い愛を感じた映画でした。
投稿: 風子 | 2016年3月30日 (水) 13:15